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スポーツするにも準備が必要

 気持ちのいい朝です。

前より広くなった部屋、ベッド。そして、窓を開けると、ロイさんが朝から暴れてますね。

 失礼。特訓を兼ねての食糧と薪をとってきてるようです。立派に働いてくれてます。その中でダルクさんは畑で収穫してますね。イケメンが農作業です。お二人とも朝早くから活動してくれてます。さて、ならば私は朝ごはんでも用意しましょうかね。まぁ、いつものあれでですかね。

「お二人さん朝ごはんですよ〜」

 と言うと、速攻で2人とも駆けつけてくれます。いや、ほんと俊足です。魔法とは、かくも便利なんですね。

「トウカよ。また、茹でた芋か。」

「バターもありますよ?朝なんで簡単なもので勘弁してください。」

「あまり、トウカ君を悩ませるな。我々が共通して食べられるモノは、まだまだ少ないのだ。」

「そうですよね。我々一緒に暮らし始めて、結構時間が経ちますがあまり共通して食べられるモノがないですよね。ダルクさんが色々育ててくれてますが。」

「軟弱な生物に合わせると大変なものだ。」

「しかし、ハウスルールではしょうがない。」

いえいえ、実はそんなルール一度も言ったことはありませんよ。

「それでは、食事が終わったら、また畑をみんなで整えましょうか?」

「いや、トウカとロイに・・・頼みがある。」

「はて、なんでしょう?」

「ストレートに頼むとは珍しいな。」

「実は竜王様から手紙が来てな。その魔族と人間で、こう何か遊べるというか一緒になにか楽しいことをする手段がないかと言われてな。」

「ならば、トランプだな。あれは面白い。単純な数字のカードと思ったら、これほど多くの楽しみ方があるとは?」

「トランプは確かに面白いのだが、」

 今日は本当に素直ですね。

「もうちょっと人数を多くして、大勢で楽しめるようななにかを求めているのだ。」

「ならば、トウカ君、出番だな。」

 まぁ、出番でしょうな。

「君の世界でそのような遊戯は何かないか?」

「うーん、えーと、あっ、野球とか?みんなでスポーツをすれば仲良くなれるかもしれませんよ。

「スポーツ?野球?」

 2人とも声を揃えましたね。息の合う事。

「そういえば、スポーツって言った事なかったですね。えーと、スポーツっていうのはですね・・・。」

 あれ?いざとなると出てこない。

「えーと、いい感じに体を動かして、汗をかいていい気持ちなる事です。走ったりするのですよ。ロイさんやダルクさんも走り回った後、ちょっと爽快感とかありません?」

「要は訓練して爽快感を?」

 そこも息が合うのかい。

「訓練ではありません。適度、適度に体を動かすのです。あー、では実際に野球をやってみましょうか。」

 2人ともいそいそと茹でた芋を食べて、外に出て行きました。私はそんな早く食べれませんよ〜。

「さて、まずはキャッチボールから始めましょう。ダルクさん、ボールを作ってください。」

「球体だな。」

 ダルクさんはたいていのものは周りのものを分解して再構築して作れます。そして、私のイメージしたものも大抵は察知してくれます。なんせ、私の記憶を見てますからね。

「いいですね。では適度に離れて。」

 適度に離れたところで、ボールを投げます。

「ロイさんキャッチしてくださ〜い」

「まかせろ!」

ロイさんに投げている途中でキャッチし、勢いで私のところまで来てしまいました。

「言ってなかったですが、ボールをあまりに迎えに行ってはいけません。自分のところにくるまで待機してください。」

「そうなのか?」

「はい、もう一度行きますよ!ロイさーん。」

・・・あれ?

「届いてないぞ!トウカ君。」

まぁ、私ほとんどやった事ないですし?

「では、そのボールを拾って、今度はロイさんがダルクさんに投げてください。」

「ようし、行くぞ!ダルク!」

ロイさん投げるの速!

「フン!」

ダルクさん難なくキャッチ!でも痛くない?

「・・・これは今度はワレが投げてもいいのだな?ロイに投げてもいいのだな?」

 痛がってるでしょ。

「いえ、私に優しく投げ」

「行くぞ、人間の子よ!」

ダルクさんも速!流石、ダークエルフの元長

「フッ!」

 ロイさんもキャッチしたけど痛いでしょう!

「なるほどなるほど、このように相手の技量を図る行為か。では、私の力を少しお見せしよう。」

 ロイさん?

「風の魔法は見慣れてるかな?」

 ロイさんの投げたボール意外にもさっきとスピードは変わらなく見えましたが、ある地点で超加速しました。何言ってるかわかりませんが、ダルクさんが思わずボールを分解したのは確かです。

「キャッチしてくれないのか?ダークエルフ?」

 挑発するな!

「ロイさんやりすぎです。」

「そうだな。悪かった。トンガリ耳には速すぎた。」

「まて、次はワレの番。」

いつのまにかボールができている。

「それ、とってみよ。」

 意外!普通に投げました。意外に大人な反応をしてくれました。

「さっきと変わらないね。ガッ!?」

 ロイさんキャッチしたのにダメージが!?

 いえ、これは別方向からボールがロイさんの頭を直撃した!?

「一つしか取れないのか人間は。」

「面白いね・・・!こんな魔法もあるのかい?」

「人間にはないのか?」

 なんか、あたりに風とか土煙が・・・ちょっとこれは。ストップですかね。

「お昼にホットケーキ作りますから!魔法攻撃は禁止で!」

 ・・・2人とも止まってくれました。よかった。

 その後、2人は黙々とキャッチボールをし続け、お昼には手がパンパンになってました。


「はーい。お昼は言ったとおり、ホットケーキです。どうですか?」

「やはり、これは最高だな。」

「至高の料理!」

 えらい褒められよう。でも、手が痛そう。あっ、そういえば

「そういえば、野球する時はグローブ使うのでした。手を保護するモノです。それがあればキャッチする時痛くないはずです。」

「・・・先に言え!」

 ハモった!ごめんなさい!

「次はいよいよ。野球やってみますか?」

次は野球回の予感です。

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