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人間の皆さんご到着

はいと言うわけで、会食本番がやってきました。

私もタキシードドレスをきて、気合いバッチリです。どうしてそんな物があるのかですって?ダルクさんに私の記憶を映像化してもらい、それを元に作ってもらいました。記憶を覗かれるなるなんて恥ずかしい限りでしたが。

さて、私も今は1人のスタッフです。周りにゴーレムやらリザードマン、なんかヌメヌメしてる生物、ガイコツ、イエティとか色々いますが、もう怖気つきません。みなさんタキシード風の感じでバッチリ決めてます。

「みなさん!最終チェックです。タイムスケジュールの確認です。」

なんだかんだでみんなを仕切るようになってしまった私。たくましくなったものです。と言うより、竜王効果ですね。経験や実績がなくても上の人の後光があると、言う事を聞いてくれるものです。人をうごさせると言うことは自分に自信がついてきますね。

魔王サイド国王サイド含め数十人程度ですが、種族によっては人のサイズを大きく上回るため、大きめの大広間を用意。奥の方には舞台ステージもセッティングしました。そして、音楽を生で演奏します。高級なレストランでは生演奏するって何かで見たのでそれを参考にしました。更に照明もシャンデリアっぽい物を。一般人である私のうろ覚えで見たモノをまた映像化してもらいそれっぽく仕上がりました。ここの方達、暗っぽいのを好むので光量を調整するのが一番苦労しましたね。

テーブル、装飾は魔界の方のセンスですね。テーブルに花を置く提案をしたのはいいですが、動く花をばかりおこうとしたのを止めるのは大変でした。

自分のセンスを押し通すのは勇気のいる行動です。



そろそろお客様が来てしまいますね。ということで、私は裏にはけることにします。最初は出る時でないので。ここからはダルクさんお手製のインカムで指示出しです。カメラとテレビっぽいもので現場の様子もバッチリです。

「演奏始めてください。」

音楽のことはわからない私なので、それなりにそれっぽい音がなっている。生演奏ってだけでそれなりに感じがいいですね。

おぉ、人間がきました。半年ぶりの自分以外の人間です。

最初に登場したのが国王・・・。うん、半年の前の竜王の姿と瓜二つ。ダイエットさせて、髭をなくしといてよかった。その次がお妃ですかね。綺麗な方です。そして、イケメン風の戦士みたいなのが3人、いかにも僧呂っぽい人が1人に魔女みたいなのが2人、そして屈強な戦士が6人。予定通りです。

さて、こちらも竜王とダルクさん。それにダークエルフ6人。ハーピィが2人。ボーイとしては各種の方を揃えました。

とりあえず、見た目がいい人を揃えました。

さて、役者が揃ったので音楽を

「フェードアウトお願いします。」

竜王からの挨拶です。

うーむ、さすがに流暢に喋りますね。魔界のトップですからね。国王も続いて喋ります。人間側は警戒強い印象を受けましたね。バリバリ交流していこうぜって感じの竜王とそれを、やんわり断る国王という図式でしょうか。

うーん、長くなりそうだな。と考えていたその時。映像が途切れました。

「え!現場で何か起きましたか?分かる方いますか?」

あー。ダルクさんお手製だから本番になって壊れちゃたのかな。

「姉さん、大変です。視線を感じるとかで人間側の1人がカメラを全て破壊してしまいました。」

「なんと!熟練の戦士ってカメラの視線すら感じ取れるモノなのですか!?」

「それは、わかりません。ですが、かなり険悪な雰囲気になってます。」

「・・・わかりました。予定よりかなり早いですが、トウカ登場パターン入ります。」

まさか、竜王の予想が当たってしまうとは。慌ただしく会場に向かいます。えーと、最終チェック。

髪型、服装、そして笑顔!後ろのスタッフさんとアイコンタクトをして、

よし!

「トウカ入ります。」

いきなり音楽が再演奏されます。そして、扉からはスモークが。・・・竜王は絶対うけるって言ってたけど。

私は扉を開け、堂々と歩き竜王の元へ。

ですが、大緊張。めっちゃ見られ、誰だとか言われ、途中転びそうになりましたが、あくまで堂々となにせ

「人間のみなさん。変な真似をして申し訳なかった。この説明をする前に紹介させて欲しい。

我が娘、トウカのことを。」

「えー、竜王の娘、トウカです。以後お見知り置きを。私は竜王の娘ながら、異界にいき、そこで色々な事を学んできました異界帰りの帰国子女です。今回の会食も私がプロデュースさせて頂きました。」

やった。ちゃんと言えたぞぅ!

「そのため、遠隔でこの場を確認できるものを設置していたのだ。しかし、やはり無礼であったな。ここからは娘もこの場に参加し、直接もてなさせて頂こう。」

竜王もフォローしてくれている。

私も出てしまったということはいよいよ本番も本番です。

「竜王殿に娘がいたとは驚きですな。私は国王のダレスと言います。さて、出来れば裏から見ていた理由、最初にこの場に現れなかった理由を教えて頂きたい。」

「そうだ、これだから魔界のモノは信用ならない!」

ヤジもしっかり飛んできますね。耐性のない私はこれだけで、飛ばされそうですが。

「最初にお詫びさせてください。大変失礼な真似をした事を。しかし、これには理由があるのです。人間である私が最初からこの場にいた場合、そちらが少なからず混乱してしまう恐れがあると考え表に出るのを控えておりました。」

「人間?竜王の娘ではないのか?」

「どうゆう事だ?」

どうゆう事か・・・その壮大な作り話を教えてあげてください。

「それはワレから話そう。」

ダルクさんが話すんかい。

「弱目の音楽、フェードで入れてください」

小さい声で指示を出します。

「その昔、竜王様も前線に出ていた頃。戦場である女戦士と戦っていた。圧倒的な力を持つ竜王様に対してその女戦士は一歩たりとも引かず、仲間をかばいなかまら最後まで戦い続けた。最後の最後まで仲間を見捨てず戦い続けるその姿に竜王様は心打たれ、その場では誰も殺さず去っていった。そして、その女の事を知りたくなった竜王様は人間に近い姿に身体を変えて女戦士に接触した。」

改めて聞くとちょっとストーカーっぽいですね。

「そして、女戦士とともに戦場を駆け巡っていくうちに2人は恋に落ちた。」

竜王が自軍の戦士と戦うってシュールですね。

「そして、程なくして女は竜王様との子をみごもった。しかし、現実は残酷である。人間に帰らせれば子どもが人間の手に渡ってしまう。そうなれば、子供がどうなるかわからない。そうなる前に竜王様は全てを打ち明け、女戦士を魔界で保護すると言った。当然、女は竜王様を責め、敵であるものと恋に落ちた自分を責めた。しかし、これから生まれる子には罪はない。女は子が生まれるまでは魔界にいる事を受け入れてくれた。」

罪なき子私。

「そして、無事子どもは産まれたが、魔界の空気が合わなかったのか、女戦士は出産後に徐々に体力を落としてしまった。」

合わなかったのは空気じゃなくて、食べ物では?

で、なんでダークエルフさん達は泣いちゃってるんですか?

「当然、竜王様であろうと、人間との子どもを魔界に置いてとくわけにもいかず、かと言って人間に託すわけにもいかない。ならばと、異世界に送り込み込んだのだ。それも危険な賭けだったがしょうがなかった。」

成功確率10%ですからね。

「いつか平和の世が、人間と分かり合える日がきたら、この子を元の世界に戻そうと竜王様は思っていたのだ。もちろん、竜王様の子のために和平を望んだわけではない、みなの意思が平和を望んだのである。」

人間の方にも泣いてる人がいる!

「そして、満を辞してトウカ様を呼び戻したが、異世界に送り込んだ不具合なのか、半分の人間だったモノが完全に人間に変異してしまった。」

そろそろ音楽を

「フェードアウトお願いしま〜す。」

「そう言ったわけで、ちゃんと説明してから貴殿らの前に出したかったのだ。そして、この子こそが平和の象徴であると、そう思っている。」

そこまで大袈裟に言うな。

「なるほど、そういうことでしたか。」

「そんな話聞かされてはよぅ」

あれ?人間サイドチョロい人多くない?

だが、今こっちに流れがきています。このビッグウェーブに乗ってしまいましょう。

「それでは、私が育ちました異世界の、平和の架け橋となる食事をお持ちしましょう。」


果たして受け入れてもらえるのでしょうか?

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