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奇妙な部屋の中で⑤

 「だから、まほうをつかうなといっただろ。」

 「うるさい。私も色々考えた結果の行動だ。そうだ。確認したのだ。本当に魔法がつかなえないのか。吸収されるのか。」

 「・・・で、かくしょうがえれたな、まほうがつかえないのであれば。」

 なにやらワーウルフがピョンピョン跳ねている。

腕を振るい、動きが大きくなっている。これはもしや、

 「やはり、私と戦う気か!?」

発動できない魔法。窮地に陥ったが、魔力を貯めて身体能力に還元するしかない。このワーウルフに勝てるかどうか。

 「ちがう、そこをどけ!われがとびらをこわす!」

なるほど、確かに魔物の身体能力ならば魔法や魔力は関係ない。ワーウルフが少し下がっと思った瞬間私の前をすごい速さで通り過ぎた!

 目で追うのが難しいスピード!私に襲い掛かられたら対応できていたかどうか。純粋な力、俊敏性、生まれついての牙と爪、体の作りが狩人のそれとなっている魔物はやはり恐怖を感じざるを得ない。と相手を賞賛にもとれる畏怖の心を持たざるをえないのだが、

 目の前で面白い格好で静止しているワーウルフをみて失笑を隠しきれなかった。見えない壁に阻まれ空中で顔面が潰れているのに、体は直角にピンとしている。

 「ふふ。いっ、いや、大丈夫か?」

 「われわれのからだはがんじょうだ。もんだいない。」

というか、こいつはいつまでこの姿勢なんだ。見えない壁に突き刺されるものなのか?面白いから、そろそろ降りてきてほしいものだ。

ピンポン!

 不思議な音が響く。と同時に見えない壁が下がっていくのがわかる。なにせ、突き刺さっているワーウルフが動いていくからだ。

「ふふふ」

動くのは反則だ。ダメだ、これは抑えきれない

 「ふふふ、あーはははは! な、何その格好! 刺さってる、壁に刺さってるぞ。」

 私は腹を抱えて笑った。騎士団の訓練中なら即座に鉄拳制裁ものの醜態だが、今は笑わずにはいられない。

 「……わら、わらうな。われ、しんけん、だった。」

 「わっ、わかった。ふふ、助けてやるから、ちょっと待ってろ。」

ズルズルと壁から剥がれ落ちたワーウルフは、鼻の頭を真っ赤にしてこちらを睨んだ。だが、その鼻の横に「ピンポン!」という間の抜けた音が再び響く。

 「協力体制が整ったようなので、次のステージに進みます。」

 女の声で訳のわからんことを言われた。

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