人生ゲーム④
「いやいやいやいや、ロイさん狙われすぎじゃないですか?」
「勇者の末裔だからな、しょうがないのだよ。」
「なにそれ、怖すぎます。」
「人間は同族なのに互いに牽制しあうまれな種族だな。・・・トウカの世界でもそうだったのか?」
「いえいえ、流石にそんなことないですよ。あれ?あー、ちょっと過去に国同士で争ったりしたぐらいでー。」
「人間同士で国レベルの争いが!?過激な世界だな。」
一般ピーポーな私にとっては特に感じなかったですが確かにそうかも?
「異種族同士で争ってた人たちのが過激ですよ。」
と思ったことをそのまま言ってしまいます。
「「それはそもそも、向こうが悪い!」」
一斉に同じことをいうとはダルクさんもロイさんも息が合ってますね。しかし、険悪ムードになりそうな雰囲気が。ここは深掘りせずにゲームを進めましょうか。
「次はダルクさんルーレットお願いします。」
4ですね。さてさて、このマスは
3歳になったので、記念写真を撮りに行く。
「ほのぼのイベントですね。プラス1000ドルです。」
「平和だな。」
ロイさんの人生からしたらそうでしょうよ。
そして、この後も様々な解説が伴いつつゲームが終盤まできました。
「長かったですが、ようやくここまできましたね。
振り返りますと、
ロイさんはg県に生まれ、幼少期は何度か暗殺者に命を狙われつつ、歌劇団の真似してたら階段から落ちて怪我をしつつも、他種族とのイザコザに巻き込まれつつ、魔法の授業をサボってとんでもなく怒られたのちに、式典もサボりさらにお叱りを受けたあの後に青年期には好きな人にチョコレートを渡すも反応されずに、許嫁には命を狙われつつ、許嫁の食事会を済ませてたのに、好きな人に振られるという人生になりました。」
「ゲームの中だとすごく恋に振り回されているな。オレの人生平和だな。」
「私は気高いダークエルフの男に生まれて、幼少期に何度か暗殺者に狙われて、自作した歌を歌ってたら近くの子供と喧嘩になり、スライムとの戦闘で命の危機に陥ったと思ったら、他種族のイザコザに巻き込まれた、後に青年期で好きな人にチョコレートを渡すも反応されずにいたら、他種族とのイザコザを和解させるも、運動会のリレー選手になって辛い思いをしつつ、魔王の地位に着くという。
すごい着地点ですね。まさか魔王の座が投票で決まるとは。」
「ダークエルフの長になる話ができなったとは。」
「最後にダルクさんのは、g県に生まれ記念写真を撮ったのはよかったものの、一度家が全焼し、キャンプをしてお腹を壊した上にゲームは1日1時間と制限されて悲しい思いをした上に、歌劇団の真似してたら階段から落ちて怪我をするという悲しい時期を乗り越え、青年期には他の勇者との友情ができて、一緒に組み体操をして、一度魔法が大暴走がしたけれど、大地震が起きてうやむやになり大学に合格したという。」
「ワレの人生は特にしっちゃかめっちゃかだな。」
しかし、なかなかにお二人の人生が濃いのでもう頭がパンパンですね。異世界の人の人生というのは感覚からして違いすぎて理解が難しいです。そうこう考えてるうちにみんなゴールしてしまいました。
「さて、結果ですが、ロイさんはなんと6000ドルです。マイナスマス結構踏みましたね。そして、ダルクさん15000ドルです。最後に大学に合格しましたからね!そして、私150000ドルです。」
「いや、魔王になるマス強すぎるだろう。プラスの値高すぎないかい?」
「魔王ですよ。総理大臣みたいなものじゃないですか。本家の人生ゲームでもお目にかかったことのない職業なので、これは妥当な判断でしたと自負してます。」
「ゲームとして、こう、このマス踏むか踏まないか勝敗が決まってしまうのはどうなのかと思っただけなのだ。」
「本家も結構そうゆうことありますよ?ゴール手前にとんでもないマイナスマスがあったり。」
「そんなものか。」
「そんなものだったと思います。まぁ、ゲーム性はともかくお互いのことがよく知れてよかったですね。」
「知りすぎた気もするが。これを竜王様に提案するにはお互いの国情を露呈しすぎるな。人間との感性の違いが出過ぎている。」
「そうですね。今日はここまでにして、竜王の提案はまた明日考えてましょう。」
結構濃い人生を歩んできた人達と再確認した日でもありました。




