表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LOVE HUNTER  作者: 風音
第一章
1/340

愛を叫ぶ女




私はLOVE HUNTER



狙った男は必ず手に入れたモテ女。


容姿端麗が故に落ちない男なんていない。







猫撫で声で愛想を振りまき


散々褒め上げた挙句に


ボディタッチで甘えりゃあ


男なんてイチコロだった。




狙いを定めた男に女がいようが


超絶美人の私には関係ないし興味がない。





男のハートを射止めきれていない


女の方が圧倒的に悪い。





そこまで男一人に拘らない。


男女の醜い争いなんて興味がない。


欲を満たせればそれだけで満足。




プライドの塊である私は


そう豪語して逞しく生きてきた。






ーーだが、そんなある日。




『拓真を落としたら二万円あげる』




ゲーム感覚で金をチラつかせた友達の冗談によって


運命は左右させられてしまう。





金に目が眩んだ私が


狙いを定める事になった男とは


ななな、なんと……


年下の真面目系メガネ男子?







しかし、


男一人を落とすなんてたやすい事だと思って賭けにノり


毎日無視され続けながらも


ストーカーのようにしつこく追い回す。






拓真が落ちたら


賭け金をゲットしてソッコー捨てればいい。




彼の眼鏡のレンズが二枚の札束に見えていた私は


エベレスト級の高いプライドを捨てて


ツンデレな態度に我慢して近付く事に。





だが、あいつは……。




「俺の行く所にいちいちついて来るな! お前と俺の距離は3メートル以上だ! それ以上近付くな!」




イチコロどころか、


モテ女としてのプライドをズタズタにさせる。






しかし、そんなある日。




「イエスの返事は出来ないけど、根性だけは認めてやる」




彼は白旗を上げずに戦い続けている私にこう言った。




こんなクソ生意気な年下男との恋愛なんて


絶対ありえないと思っていたのに……。





※この物語はフィクションです。





「1年3組 弘崎 拓真(ひろさき たくま)ああぁぁ……。私、一ノ瀬 和葉(いちのせ かずは)はあなたの彼女になりたいから付き合って下さい! お願いしまあぁぁ……す」







ーー額に汗が滲む残暑が続き、日差しが強く照り続ける天気は快晴。


都心から少し離れた街中の公立高校で、朝から全校集会がある日の今日、校庭に生徒達が集まる中で校舎の屋上からたった一人の男に愛の言葉を叫ぶ。






……いや、正しくは愛の言葉じゃない。


そこに感情なんてものは存在しないのだから。






大胆なのは今に始まった事じゃない。



キラリと光る肩までの金髪

猫目に見えるつけまつげ

濃いめのアイライン

チェリーピンクのリップ

第二ボタンまで開いてるワイシャツの上に垂れ下がっているリボンの奥にはシルバーネックレス

スカートは膝上20センチ

ラインストーンの入ったブラックネイル



恵まれた美貌にEカップでスタイル抜群の身体。

顔の美しさは国宝級。





私にとって男は使い捨てカイロ。

温まったらそれで十分。

温もりが消えるまで持ち続ける必要はない。



そんな私の事をみな口を揃えて言う。




その名もLOVE HUNTERラブハンター


一ノ瀬 和葉

高校二年生 17歳




さて、どうして私がいま全校生徒が見てる屋上から告白をしているのか。

モテ女にもかかわらず、こんな苦労しなきゃいけなくなってしまったのか。



まずは、ここまでの経緯けいいを説明しましょうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ