奈穂子へ
いつも。
きれいで。いつも、正しくて。
愛情友情。
貴女の話も貴女の悩みも、
僕は、できる限り、
真剣に聞くよ。
シラケた奴が言う、言葉に興味はない。
何でもお見通しと、思ったら大間違い。
テーブルの上には赤子の写真と老婆の写真。
何気ない奈穂子の笑顔。
僕をほめてくれて笑う、ドラマの主人公のような奈穂子。
何故、人間は息をする。
何故、人間は愛し合うのだろうか。
着飾る街の片隅で僕は生きている。
珈琲に手をやる。
白昼夢を見ているような日々よ、さようなら。
愛しの奈穂子へ。
唯一。