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第1話

なろう系は主人公の強さに説得力がなく周りが無能でヨイショばっかりしてつまらんと言われているので、読み専だった私が実際に異世界転生を書いてみようと思い筆を執りました。チーレムでイキる主人公に食傷気味なひとにおすすめしたいです。おそらく不定期連載になってしまいますが、一人でも多くの人に読んでいただければ幸いです。

「スマホのゲームはなんかつまらんし、満喫行くのには金が掛かるし、なんかいい暇つぶしはないかな。」

 俺の名前は栄田晴夫。年は20歳で趣味は古本屋巡りだ。金が掛からないという理由で地方の国立大(理系)に一人暮らしで通っている彼女いない歴=年齢のごく普通の学生だ。高校までは普通に仲の良い友人たちがいたが、、大学に入ってから変わった。俺自身は周りの知り合いとは趣味(今やってるアニメやらスマホゲームやら)とは合わないようで特別親しい友人はいない。俺の学科は化学系なので女子がいるほうだが彼女なんて当然できない。なんとなく大学に行き、徹夜でレポートを書き、テスト直前で勉強しだして、C評価ばかり。将来は給料がそこそこあって、ブラックじゃなければなんでもいいというまさに何処にでもいる普通の大学生だ。今日は講義が1コマしかなくやることが特にない。(勉強をするという建設的な考えはこの男にはない)

「久しぶりにホラー系の掲示板でも見るか。」

 俺自身は幽霊やら妖怪やらは存在しないと考えている。それらは科学的な考えがなかった昔に人々が訳が分からない現象を納得するために想像したものと考えている。例えば物が腐るのは悪霊のせいで、防腐作用のある塩は魔除けの力があるといった具合だ。当然俺自身は神様なんて信じていない無宗教者である。宗教とは人々の心のよりどころであり、人々をまとめるための効率的な方法だと思っている。祖父母の墓参りや法事、あとは観光地の所ぐらいしか神社や寺に行かない。余談だが日本人の多くは無宗教だと言われているがそれは間違いであるととあるエンジニアが言っていた。彼は海外で様々な国の話を聞くことで、日本は生活に宗教が完全に結びついていおり、意識せずに宗教的行動を取っている珍しい民族だと気づいたらしい。いただきます、ごちそうさまなどや初詣をはじめとした、季節ごとのイベントなど言われてみれば納得するものだ。

 俺は夏だからというくだらない理由で昼間からホラー系の掲示板をみていた。

「ふーん異世界に行く方法ねえ。」


異世界といえば昨今のラノベやアニメの影響で魔法で何万人も殺したりやたらとハーレムを作りまくるイメージがあるが実際に個人で国を滅ぼせるやつが何人もいたら簡単に人類滅亡すると思う。それはさておき、このサイトによれば10階以上あるエレベーターで特定の順番で乗って行けば異世界に行けるらしい。まさに眉唾物だが暇を持て余している俺は実際にやってみることにした。


 この異世界に行く方法はまずエレベーターで4階→2階→6階→2階→10階→5階と移動し、女性が乗ってきたら10階へ行くと行けるらしい。田舎なので10階以上あるエレベーターなんて近所には大学の研究棟ぐらいしかないので、大学まで徒歩3分のアパートから大学に行き講義中の時間を狙ってエレベーターに乗った。


「4、2、6、2、10、5の順番か。」


 一人でエレベーターに降りずに昇り降りしている様は傍からみれば酷く滑稽だろう。ないとは思うが知り合いに会ったら適当に誤魔化して帰ろうと考えた矢先に、5階についた。


「えっ」


 ドアが開いた瞬間女性が立っていて声を出してしまった。まあただの清掃員のおばちゃんだったがネットの通りだったので驚いたが、おばちゃんに1階を押してと言われて我に返り、無言で一回を押した。


「エアコンがなくて暑いわねぇ~。」


エレベーターに乗っている最中になぜか話しかけてくるおばちゃん。普段なら適当にそうですねとかいうが話してはいけないとあったので無言を通した。


ついにエレベーターが到着したとたんにおばちゃんが、


「まあ君でいいか。」


といった瞬間に到着した階が灰色に染まった。


なんだこれは!?信じられないことだが自分の視界が灰色一色に染まっている。エレベータもなく自分とおばちゃん以外すべてが灰色で奥行も感じられない場所に到着した。




「学祭かなんかに使うドッキリですか。確かに凄いですがこんなのに引っかかるやつはいませんよ。」




 どこかに隠しカメラでもあるのか分からないが自分が慌てふためく姿を大勢に見られるのは許せないし、エレベータを昇り降りしている理由を突っ込まれるわけにもいかないので、俺は冷静に仕掛け人と思われるおばちゃんに問い詰める。こうすれば俺は使えないと判断され適当に説明してもらい帰ろうとするが、




 「いや、これはドッキリではないし君は異世界に興味があるのだろう。」




 そういっておばちゃんはドッキリを続けようとしているので俺は恥ずかしさを隠しつつ止めてくれと詰め寄った。




 「人の話は最後まで聞くものだと親に言われなかったのか君は。もっとも私は人ではないが。」




そういった瞬間おばちゃんの姿が一瞬で変化した。中性とでもいえばいいのだろうか。身長はおよそ170弱で灰色の長髪。男にも女にも見える美しい顔立ちにすらっとしたスレンダーな肢体。服は灰色一色の布を体に巻きつけているようだ。




「灰色が好きなのか知りませんが、保護色になって見づらいですよ。」




 相変わらずドッキリは続いている。というかすごいなこれは。フロア全体を布か板で覆って影を出来ないようにして、灰色一色に投影しているのか?それにこの人の変化はどうやったのか見当もつかない。ハリウッドの最新技術だろうか、CGみたいなことを現実でできるなんてまさに魔法のようだ。小学生とかなら酔っ払いなら信じこんでしまうだろう。




 「少し黙って話を聞いてくれないか。」




そう声変わり前の少年のようなきれいな声で彼?が言った瞬間、俺の体は全く動けなくなった。しゃべるどころか呼吸すらできない。しかし不思議と苦しくはない。まるで夢を見ているようだ。ここまでくるとドッキリだと疑わなくなった。いや、ドッキリでもいいから彼?の話を聞きたくなった俺は彼の説明に耳を傾けた。




まあ私のことは人知のおよばない神のようなものだと考えてほしい。」




 そう言って彼は説明しだした。彼の話によると、彼は複数の世界の管理人的なことをしていてそれぞれの世界を発展させるために人材を交換させるらしい。最初から何人もの天才たちを交換させるのはどうなるか予想がつかないし、天才たちもいきなり送られては勝手がわからないだろうということでそれぞれの世界の一般常識と技術にある程度の理解がある人物を1人づつ交換させて様子を見ようというわけで、送る人物を探していたら、異世界に行く方法なんてやってるやつ(俺)がいたんでこいつでいいだろうと俺に接触したらしい。




彼の話はまだ半信半疑だったが、ここまでことをされて何もしないのは悪いので、彼の話に乗ってみることにした。




 「私が断ったらどうするんですか。」




 「君の記憶を消して、他の適当な人を探すさ。」




 なるほどな。本当に誰でもいいのだろう。




 「その異世界とはどういった世界なんですか。」




 「ふむ、君に分かりやすくいうと、魔法が存在する世界だな。君たち人類と同じような種族が文化を築き上げている。」




 「魔法があるんですか、それに同じような種族ってなんですか?」




 「ひとつづつ説明しよう。まず魔法とは君が想像しているように火や水を生み出したり操ったりする力のようなものだな。まだまだ発展途上だが、そのうちワープやタイムマシンもできるだろう。」




 すげえな魔法なんでもありだな。




 「それと、君たちの世界は猿人から進化していき、ホモサピエンスだけが文化を形成しているといえるだろう。その世界ではホモサピエンス以外にも文化人と呼ぶべき存在が複数存在しているのさ。」




 へぇ、本当にそんな世界があるなら行ってみたいもんだな。




 「だいぶ興味を持ってくれたようだな。その世界に行ってくれるのなら一つだけ約束して欲しい。」




 「約束とは?」




 「自殺をしないことだな。簡単に死なれたら送る意味がないからな。」




 「おおかた分かりました。是非行ってみようと思います。」




 「了承してくれてありがとう。礼といってはなんだが全属性の魔法を使えるようにしよう。」




 おお!チート能力の代表みたいなもんだな。




 「では早速行ってもらおう。」




 そう彼が言った瞬間にモワーンと2mくらいの穴が出現した。たぶんこれは世界同士を繋げるトンネルのようなものだろう。




 「あと最後に、あなたの名前をうかがってもいいですか。」




 「ふむ、そうだな。向こうの彼は聞かなかったから人に名乗るのは初めてだな。私の名前はカーヌスという。では健闘を祈るよ栄田晴夫君。」




 彼との話が終わった後俺は穴に入っていった。








 その時は話半分に聞いて納得してしまったが、俺はその後簡単に決めたことを後悔した。自分の人生を決定することだからもっと詳しく質問をして十分に考えるべきだった

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