第六話 化け物(1)
今回は結構短いです。600文字くらい……
「こ、これ、なに?」
思わず私はその場で後ずさった。
“化け物”
不意に、アルの言葉が蘇ってきた。
これが“化け物” なんと禍々しく、醜く、恐ろしい。
「ゔっ」
胃液がせり上がってきた。きっと今の私の顔は真っ青だろう。それ程にこれは、醜くかった。
「嬢ちゃん、早くこっちに来い!!」
おじいちゃんの声が聞こえる。
早く逃げなければ
そう思うのに、足が、身体が、言うことを聞かない。
「グア゛ァ゛ァァ゛アァ゛」
狼が、吠えた。いくつもの足音が、段々とこちらに近づいてくる。
やがて、軽く10は超える数の狼が姿を表した。初めに現れた狼同様、その大きさは、アルの家と同じくらいだった。
狼たちは、一斉に私の方を向く。
――一頭が私に向かって突撃してきた。
私は吹き飛び、木にあたって止まった。
動けなくなった私を、今度は大きな爪が襲う。前には爪。後ろには木。もう私に逃げ場はない。
今も、爪は私に迫ってきている。これを走馬灯と言うのだろうか。アルに会ってからの日々が、私の頭に浮かんでは消えていく。
“死にたくない”
怖かった。今、初めて死の危険にさらされて。怖かった。死にたくなかった。だから、無駄だと、聞こえないとわかっていても、言ってしまった。願ってしまった。
この世界で、唯一信じられる人に。私の、希望に。
“助けて”
と。
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