小話 キャラと並行世界 その2 (世界観注意)
申し訳ありません。
本日も短短編です。
修正は思いの外、長くなりそうです。
「あの、ここは……?」
「ここは、【紅目の魔導師、魔法使いと旅をする。】という作品の並行世界です」
「ロミアさんは、どうしてここに……?」
「私の事よりあなたの自己紹介の方が先では? あなたの事を覚えている人なんて誰もいませんよ」
「うぅ……酷い。そんなに、私は印象が薄かったですか……?」
「ええ。だって登場したの一回だけですよ。むしろ、覚えている人がいたら奇跡ですよ」
「そ、そうですか……。では、改めまして、私はテオと言います……。魔道具屋を経営しています……」
「暗いですね、根暗ですね、真っ暗ですね」
「そこまで、言わなくても……」
「そう言えば店の中も暗かったですもんね。店の雰囲気も店主に似るんですかね?」
「ロミアさんは、私の事が、お嫌いですか……?」
「いえいえ、大好きですよ。と言っても、これで会うのはまだ二回目ですが」
「適当ですね……。あ、杖はどうでしたか……? 魔力の消耗は抑えられたでしょうか?」
「はい、それは勿論。銀貨二十八枚を支払った価値はありました。
これでもし、何の変化も無かったらテオさんの店に殴り込みに行こうと思っていま した」
「武人のような発想ですね……」
「そして、お店の魔導具を全て壊して、杖の代金と買い取ってもらったスクロールの返却を求めます」
「武人ではなく、傍若無人の間違いでした……」
「おい、ノア。お前の人格が読み取れないって言うご意見を頂いたぞ」
「ランスロット、お前もか」
「確かに、テンションが高い時と低い時の差が広くて気持ち悪いな」
「これが僕だからなぁ。どうしようもない気はするけれど……」
「そんな事を言ってるから、上達しないんだぞ」
「お前はどこ目線で話してるんだ? それと、その言葉は作者に直接言ってやれ」
「だってよ、読み返してみるとおかしな点がいくつもあるぜ。基本的に他人には敬語のくせに、武具店のおっさんとロミアちゃんには最初から態度がでかいぞ」
「む。そうか。ロミアはともかく、武具店のおじさんには敬語を使った方がいいな」
「ああ。きっとその方がいい」
「ところでランスロット。お前は誰かに敬語を使う事があるのか?」
「あるに決まってるだろ、あのランスロット様だぞ」
「どうして威張っているのか僕にはわからないが、お前が敬語を使うって事は王様とかなのか?」
「いや、ヴィヴィアンだ」
「え……」
「あいつは俺の守護妖精に勝手になったんだが、何故か優位性はあっちが上だ」
「意外だったな。お前がヴィヴィアンさんには敬語だなんて」
「ああ。だからノアもヴィヴィアンに敬語で話していて良かったな。初対面でタメ口を使っていたら——」
「どうなってたんだ?」
「湖にでも沈められてたんじゃないのか」
「さすが湖の乙女だな」




