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19 雪遊び

 冬と言ってもずっと雪が振り続けてるわけでもない。中にはよく晴れた日もある。

 冬の間ずっと家の中で閉じこもっていては気が滅入ってします。大人でもそうなんだから、ソフィみたいな子供ではなおさらだ。


「ソフィ、今日は雪遊びするぞ」

「わーい、雪遊びだ」


 雪を見るのが初めてなら雪遊びは当然初めてだろうな。

 ルシールにモコモコに服を着せられたソフィ。


「ちょっと待ってろよ」


 さすがに雪が積もり過ぎててすぐに雪遊びとかは不可能だ。

 だってまともに家から出れないんだからな。

 スコップで玄関の周りの雪をかき分けてなんとかかんとか、外に出れるだけのスペースを作り出した。


「よし、もういいぞ」


 俺がそう言うと、いきなり家から飛び出てきたソフィはそのまま雪に突っ込んでいって、転んでそのまま雪に埋まってしまった。

 俺が慌ててソフィを雪の中から抱きかかえる。


「つめたーい」


 なんか楽しそうにケラケラ笑ってるじゃないか。慌てて心配して損したぜ。


「何するの何するの?」

「まぁ定番なのは雪だるまかな」

「それなに」


 口で説明するのは面倒なのでやってみせることに。

 適当に一塊の雪を手で丸めて、少し転がす。


「ソフィ、この雪をそのまま転がしていくんだ」

「うん、わかった」


 すぐにソフィより大きな雪玉になった。


「大きいのができたよー」

「よし、じゃもう一つ作ってみようか」

「はーい」


 今度はソフィが手で雪を丸めることころから一人でやっている。

 そしてさっきより大きな雪玉が完成。

 これを重ねればいいんだよな……どうやるんだ?


 持ち上げるしかないよな? 

 俺はそっと小さい方の雪玉を壊さないように持ち上げて重ねた。


 なかなか神経を使うな。


「これで完成?」

「うーん、そうだな。目とかつけようか」


 俺は家から炭を二つ持ってきて、雪だるまの顔に目をつけてみた。


「これでどうだ」

「うん、かっこいい!」


 なんとか喜んでもらえたようだ。

 よし、次いってみようか!


「よし、次はかまくら作るぞ」

「かまくら?」

「まずは、雪で大きなお山を作るぞ」

「はーい」


 と言ってもほぼ俺の作業なんだよな。

 スコップでせっせと雪を山にしていく。結構、腰にくるな、地味に重労働だ。


「よーし、山ができたぞ」

「これからどうするの?」

「山を固くしておこう」

「どうやるの?」

「そうだなぁ」


 木の板を持ってきてこれで雪の山をソフィといっしょにペタペタしていくことにした。


 ペタペタ

 ペタペタ


 しばらく二人でペタペタして、それなりに雪山は固くなった感じだ。


「よーし、次で最後だ。山に穴を掘るぞ」

「はーい」


 と言ってもこれも俺の仕事だな。

 せっせと雪山にスコップで穴を掘っていく。


「ソフィもやりたーい」

「じゃ、やってみるか」


 園芸用の小さなスコップがあったので、それでソフィにも穴を掘らせてみる。

 なかなか進まないけど、別に急ぐ必要もない。

 ただの遊びだからな。


「疲れたー」

「よし、変わるぞ」


 俺が残りを一気に掘りあげた。


「よし、完成だ」

「これ、どうするの?」

「中に入るんだぞ」


 ソフィと俺がニ人で中でしゃがむとちょうどいいくらいの小さなかまくらの完成だ。


「雪の中なのに暖かいね」

「あぁ、かまくらってのはそういうものだからな」


 しばらく二人でかまくらの中で暖まってると、ずっとほっておいたせいですねたロランがかまくらの上に飛び乗った。


 ロランが上で暴れると急作りのかまくらのせいか、強度が足らなかったようだ。

 かまくらは崩れて俺とソフィは雪に埋まってしまった。


「ロラン、めっ」

 雪の中から這い出たソフィと俺との二人にしかられて、ロランはしょぼんとしていた。

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