15 水浴びしよう
新連載スタートしました。よろしくお願いします。
「勇者のやりなおしは妹への転生から」 https://ncode.syosetu.com/n7663eo/
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夏も本番。
この森は暑さの方はそれほどでもないんだけど、それでも暑いものは暑い。
ソフィも少しへばり気味だ。
ルシールはそれほどでもないようだ。冬の寒さには弱いが暑い方はそれほど問題ないらしい。エルフってそんなものなんだろうか。
「お父さん、見て見て~」
ソフィが駆けてきたと思ったら、水着を着てるじゃないか。しかも、ピンクのビキニ。おへそがすっごく可愛い。
「おぉ、すっごく可愛いぞ」
お父さん、ドキドキしちゃうぜ。
「お母さんとお揃いなの」
振り返ってみるとルシールもビキニの水着だった。ルシールの水着は濃い緑色、こっちは思いっきり刺激的です。
俺以外の男には絶対見せないからな。
あ、ソフィの水着も禁止な。
「池に水浴びに行こうって」
「俺の水着はないのか?」
「え、ジェラルドも要るんですか?」
ルシールが心底不思議そうな顔してる。
そっりゃまぁ俺の水着とか別にどうでもいいんだが、一人だけ違うとなんか寂しいじゃないか。
「今度また作っておきますね」
今日のところはないようです。
しかたなく俺は普段のパンツ一枚になることに。
まぁこれでも構わないって言えば構わないんだけどさ。
池の畔の浅瀬でバシャバシャと水を掛け合う。
初めての水遊びにソフィをとても楽しそうだ。
正直、俺もこういうのは初めてかもしれない。水泳は必要だから覚えただけだったし。
ルシールお手製の水着は何故か透けない。
昔、原理を聞いたことがあるんだが、布を重ね合わせその間に魔法陣を縫い込んだ布が入っているんだそうだ。ずいぶん複雑な魔法陣で市販はされてないらしい。
しかし、俺のパンツにはそういう仕組みは当然のようにされていないので、当たり前のように透ける。
正直、スケスケのパンツでいるのはあまりかっこいいものではないな。
「ソフィは泳げるのか?」
「わかんない。やったことないかな」
ソフィは首を傾げてるけど、まぁそうだろうなぁ。
「じゃ、お父さんにお手本を見せてもらいましょう」
ルシールが気軽に言ってくれるけど、泳ぐのってずいぶんひさびさだな。ちゃんと泳げるかな?
泳ぐ前には準備体操が大切。
三人であらためて準備体操を。しっかり体をほぐしてから、いざ水泳の時間に。
池を縦断するのはちょっと疲れるので、斜めに向かって泳ぎ始める。
ひさびさだが、体がちゃんと覚えてるものだな。問題なく泳げてるようだ。
斜めに目的の場所まで着いたので、また泳いで戻ってきた。
「お父さん、すごーい」
ソフィが褒めてくれたので俺としては満足だ。
「ソフィも少し練習してみるか?」
「うん、やってみる」
なんにでもチャレンジ精神旺盛でいいことだ。
俺が手を引いて、とりあえず浮かぶ練習から。
そのまま引っ張ってみると嬉しそうに、足をバタバタして進んでくる。
まったく水を怖がってないようだ。
そっと手を離してみたが、やっぱり少し怖かったようだ。
体勢を崩して慌ててたので、すぐに抱きかかえてやった。
「足をバタバタしなくてもいいから。体の力を抜いて浮くことだけ考えてな」
いい感じで力が抜けてるようだったので、そっと手を離すと今度はそのまま浮くことができたようだ。
しばらくそのまま浮いていたが、息をしようと顔を上げたところで体勢が崩れたので、そこで俺が抱きかかえる。
「この調子ならすぐに泳げるようになれそうだな。毎日少しずつ練習しようか」
「うん、やるやるー」
「そのかわり、俺かお母さんかどっちかと一緒の時以外は、池に来ちゃいけないそ。
約束だからな」
「うん、約束する」
それから毎日、夏の間は晴れた日の午後、池での水泳の練習を日課にしたんだが、半月も経つ頃にはすっかり泳ぐのが上手くなってた。
とにかく、何やらせても上達が早いな。
ソフィも俺たちも夏の太陽の日差しのせいで、真っ黒に日焼けしてしまったようだ。




