目覚めたら知らない天井
気がつくと見知らぬ天井が見えた。
ここはお約束通りに
「知らない天井だ・・・」
声に出してみたら知らない声がした?
そばで女の子が「お嬢様?!」って言ってるけど、えっ誰?
こんな人知らないはずだけどなぁ?
そんな事をのんびり思っていると、目の前が真っ白に染まった。
・・・ああ夢を見ているな。
おお、夢の中で夢を見るって新しい?かなぁ?
目の前で繰り広げられるのは私の知る親子関係とは少し希薄な関係。
ニーナと呼ぶ女の人に「お母様にご挨拶は?」と言われ
「お母様、ごきげんよう。わたくしはニーナとお散歩をしておりましたの。
この後、お庭にお茶の用意をしてもらうのですが、お母様もご一緒しませんか?」
と習った定型文で誘っている所や、熱を出しニーナに看病してもらっている所にお母様とお父様?がお見舞いに来てくれた所、マナー教師に褒められたので多分両親に報告しているところ、
両親(たぶん?)と正餐のテーブルに初めて一緒についた時嬉しいと感じているところ、
目覚めたとき側にいた女の子が
「行儀見習いでこちらにお世話になります、トライアイル騎士爵の3女 マリーナ=トライアルです。よろしくお願いします」
って挨拶してくれてるところ。
色々な場面を見た。
・・・脈絡の無い映画みたい。
目を開けるとそこには私の夢にも出演していたマリーナちゃん(夢よりやや成長済どこがかは想像にお任せする)がほっとした様な表情を浮かべていた。
お?なに?
私の顔を覗き込んでマリーナちゃんが何か言っているが理解が追いつかない。
あっっ。マリーナちゃん出て行っちゃった。
まあ、私の夢の中なら多少動いても大丈夫だよね〜?これ夢だよね?
とりあえず、ベッドから出て部屋の中を見て回ってみる。
ベッドの布地の感触リアルだなぁ。
でもベッド高いし、周りの家具もいやに大きい。
アンティーク風な素敵な鏡台が目に入り近づいて行き、椅子によじ上る。
近くで見ると更に大きいな・・・巨人か?ここは巨人の国設定か?
覗き込みそこに写っている姿に驚いた。
美術館で見た様なビスクドールが・・・有名所でジュモーって言うんだっけ?
白い肌、銀髪、紺碧の瞳、桜桃の唇の小学生になるか成らないかのすっごく奇麗な女の子の精巧な人形だ。
生きているみたいでコワイっ。
思わず固まってしまった。
あれ?でも私うつってなくね?
首を傾げると向かい合う人形も首を傾げる。
手を伸ばしてみると冷たい感触に当たり、振り返れば後ろに見えるのはベットと壁である。
そして何より私の取る行動そのままに鏡の中の人形が動く。
よく見れば見る程、人形だと思っていた物体に人形特有の不自然な可動部分が無いような・・・
びっくりし過ぎてまた目の前が暗くなっていく中「お嬢様!お嬢様!」と呼ぶ知らない男の人とマリーナちゃんの声が聞こえた気がする。
再び目を開けるとそこにはやはり私の見知った自室の景色ではなくあの夢の世界。
・・・いい加減夢なら覚めれば良いのに。
周りは暗く、側には手に布を持って椅子でうたた寝をしている女性がいた。
夢の中の夢で私がニーナと呼んでいた女性だなぁとぼんやり思った。
頬を抓ってみたほら痛い。 あれ?痛い。。。
おかしいもう一回。やっぱり痛い。夢じゃないの?
え?私の日常は?家族や、友達は?
こうして私の意識は再び途切れた。
再び目を開けた時に、私の兄だという少年に付き添われ見舞いにきた弟という少年がかわいそうな程小さくなって泣きながら私に謝罪をしていた。
でもって少年・弟君は奇麗な美少年で、泣き顔はめちゃくちゃ可愛かった。
わざと泣かしたいと思う程可愛かった。
まあ、大人気ないし、やりはしないが。
少年・兄は泣いている少年・弟を『可愛いだろ?』っと言いたげな視線で見ていた。
まあ、私も可愛いと思ったので同罪だろうか?
ひとしきり謝罪が住むと少年・兄と少年・弟・・・めんどくせぇ、兄と弟は部屋にいたご夫人に促されて部屋を出て行った。
疲れたのか身体が重いと思っているうちに深い眠りに落ちて行った。
『ふはははは!
起きたらもといた場所(世界)に戻ってきたぞ!』
って言うのを期待した時期も有りました(泣)。
・・・早い物でこの世界で目覚めて6ヶ月程が過ぎようとしています。
夢だと思った事は現実で、今では日本という国で暮らしていた事の方が夢だったのではないかと思ってしまう様な日々なのです(泣)。
誰か助けて・・・。割と切実ですorz
そして子供の体感時間は長い!
この6ヶ月それを痛い程思い知った!
日本で過ごす1週間はあっと言う間だったにも関わらず、こちらでの1週間はやっと1週間って感じで、1年はきっとずっとずっと先の未来・・・。
こちらの事も色々理解して来た。
まずこちらには、日本に身近にない身分制度が有った。
王族・貴族・平民ってやつね。
魔法も有りそうなのだがまだ不明。
不思議生物が居るので魔法も有ると私は踏んでいる。
そうそうこちらので私は公爵家の長女で7才もう少しで8才になるルナフィリア=タンジェントというらしい。
家族構成が、父・母・兄アポロニア(11)・弟アルティニア(5)(最近名前がわかりました)がいて妹は居ない。
父方の祖父母は領地で隠居生活しているとの事、母方の祖父はすでに亡くなり祖母が母の弟と同居しているようだ。
当初私が見た長い夢はこちらの私の過去だったらしい。
頭は貴族階級の礼儀作法にダンス?なにそれ?状態だったが身体は覚えているようでかなりすんなり出来たので助かった。
まあ、お子様用の簡易版・基礎編的な物らしいのでこれからどんどん追加されて行くのだろう。
・・・チッめんどくさい。
ああ、こちらの私が寝ていた原因だが、弟・アルティニアと庭で遊んでいた所何かの不注意で池に落ち風邪?を引き発熱・・・うん、ベタな展開。
まあ、池から助け出された際、一瞬とは言え呼吸は止まっていたらしいと聞いたので、よく有る設定で身体の危機に魂が反応、結果前世の記憶呼び起こされてが私が現れた?的な?
これが今流行の転生なのだろう。
・・・・乗っ取りでないと良いと思っています。
だって、転生なら意識が戻る前の私も私だけれど、乗っ取りの場合は意識が戻る前の私・ルナフィリアちゃん7才を私が追い出したってことで、罪悪感がはんぱない。
そしてこれから先、いい歳だった私はお子様として羞恥心に耐える日々が・・・
そして、あっちの世界の私はどうなったの?
私に死んだ記憶は無いよ?
最後に覚えているのはお家の中の景色だから交通事故にもあってないはず。
誰か教えてください〜(泣)
to be continued?
お読み頂きありがとうございました。
長らく書いていませんでしたのでリハビリ作品に成ります。
異世界転生ものが好きなの異世界設定で書いてはおりますが全く生かせていない感が有ります。
皆様の時間つぶしにでもなれば幸いです。