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エトワール  作者: 人
1/1

1話 崩れ去る日常

ここはどこだろう。

暗い。

何も見えない。

音が一切聞こえない。

俺はどうしてここにいるのだろうか。

全く分からない。

いつからこの場所にいたのか。何故ここにいるのか。

分からない。

しかし、一切の恐怖も覚えない。

それどころか異常な程に冷静である。

どこに今自分がいるのか、何故こんな所に自分がいるのか、ただ淡々とその事だけを考えていた。

『覚えてないの?』

後ろからどこか懐かしい聞いたことのある声がした。

しかし、誰の声だったか全く思い出せない。振り返ろうとしたが、何故か体が動かなかった。

「貴方は、誰ですか。」

そう言おうと口を開くが声がでない。

『私の事、忘れちゃったの?』

お前は誰なんだ。

『ずっと忘れないって言ったのに。』

何の事だ。

『まあ、いいや。きっとその内また会う事になるから。じゃぁね。』

まってくれ!お前は誰なんだ。約束って何なんだ。ここはいったいどこなんだ!答えろよ!おい!

・・・

・・・・

・・・・・

ジリリリリリリリリリリリリリ

「朝・・・・・か・・・」

俺は目覚まし時計が鳴り響く自室で、ぼんやりと目を覚ました。

俺の名前は矢上 悠太(やがみゆうた)。私立桜木高校の二年生だ。

それにしても不思議な夢だった。本当にさっきまであの場所に居たのではないかと疑う程にリアルで

とても不気味だった。

まるで何か、良くない事を暗示しているかのような・・・

「お兄ちゃん!いつまで寝てるの?学校間に合わないよ?」

彼女の名前は矢上 優子(やがみゆうこ)。俺の妹だ。

両親は仕事で海外に行っており、俺は妹の優子と二人で暮らしている。

「なにボーっとしてるの?もう9時30分だよ!」

優子は成績優秀で運動もできて昔泣き虫だったかのように気が強k・・・って今なんて?

「今、なんて言った?」

「だから、9時30分だって。」

やばい。完璧遅刻だ。

「なんで起こしてくれなかったんだよ!目覚ましもつけっぱなしだし!」

「そ、それはその・・・」

「お前も寝坊してんじゃねえか!」

俺は急いで支度をし、学校へ向かった。

「ちょ、ちょっとまってよお兄ちゃん。」

そんなやり取りを優子としながら、俺は学校に着いた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「いいよなぁ、お前。可愛い妹がいて。」

彼は俺の中学校の頃からの親友、山田 健太(やまだ けんた)である。

「あ?可愛くねぇよ。あんな妹。ていうかその話、何度目だよ。」

「だってさぁ、お前の妹有名だぜ、容姿端麗、文武両道、頭脳明晰、才色兼備ってなぁ!」

「それがなんだよ。」

「自慢の妹じゃん!最高じゃん!しかもあんな可愛い妹と二人暮らしなんて羨ましすぎるぞ!」

訳が分からん。あんな我侭で気の強い妹の何が羨ましいんだ?

「訳が分からん。」

「何でだよぉ!」

「ホームルームを始めます。席についてください。」

「やっべ、俺席に戻るわ。」

さっさと戻ってくれ。

「今日は転校生を紹介します。」

先生がそう言った瞬間、教室内がざわめき出した。

転校生が教室に入ってきた瞬間、一部の男子の目の色が変わった。

転校生は、超美少女だったからである。肩ぐらいの長さの薄黄色っぽい髪の毛、透き通るような白い肌、

細身なのに大きい胸、整った顔立ち。本当に人間なのかと疑ってしまう程の美少女だった。

ただ、彼女の美しい青色の瞳は感情のない人形のような目だった。

「始めまして、二階堂ななと申しま・・・」

「ねぇねぇななちゃん。どこから来たの?今度一緒に遊ばない?」

クラス一の女好き、田辺一馬が二階堂に話しかけた。

「駆除。」


一瞬の出来事だった。彼女が指を輪ゴムを飛ばすような形にして一馬の額に当てた瞬間、一馬の頭が飛び散った。

「・・・はっ・・・?」

大多数の人が状況を読み込めないでいた。それもそのはずだ、さっきまで話していた。生きていた人が

一瞬にしてただの肉の塊と化したのだから。

飛び散った肉片、血飛沫の跡、残された血塗れの一馬の胴体、先生でさえ状況を飲み込めないでいた。

親友の健太が大声で叫んだ。

「皆逃げるぞ!!他の生徒も先生も早く逃げてくれ!やばい!転校生が暴れだした!」

叫びながら健太も逃げようと走り出したが、二階堂に捕まってしまい跡形も無く壊された。

その後、教室から皆が逃げ出そうとした。だが、皆逃げられない。

そして、残ったのは俺一人だった。

大事な親友も、クラスメイトも、皆肉片になってしまった。

どうやら、他のクラス、学年でも同じ事があったのだろう。こんなに騒いでいたら、他のクラスの奴はもちろん、他の学年の奴等が覗きにくる筈だが、誰も来ない。声さえも聞こえてこない。

自分もこれから一馬や健太達の様になるだろうと、考えなくても分かった。

二階堂が俺の額に指を乗せようとした瞬間、何故か俺の顔に大量の血液が付いた。

「え・・・」

目の前に二階堂が倒れこみ、一人の少女が立っていた。

初投稿なので、文才がないのはお許し下さい・・・

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