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遥か異界で  作者: 伏桜 アルト
第1章 激動と波乱
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戦闘?

 俺の名前は霧崎アキト。       

 今、山賊に追いかけられてます。   


「来るなァァァァァーーー!!」


 いやいやいやいや、さっきのスケさん達の方がよっぽどマシですよこれぇー!!

 何あいつら。あの目は完全に獲物を見つけた肉食獣の目ですよ!!


「へっへっへ、逃げるなよ兄ちゃん。

 俺が選ばれる"ゲーム"まで一緒にいてくれりゃあいいんだからよぉ」


 どういうことだ?

 いやでもそれって、結局俺を殺すってことだろ!?

 嫌だねそんなの!!


「ええい、ちょこまか逃げやがって。これでも食らえ」

「おわ!?」


 なんか……でかい氷が飛んで来ました。

 って冷静に言ってる場合じゃない!


 どうする!


 どうする!!


 どうする!!!


『火属性魔法Lv.1の登録が完了しました。

 召喚獣バハムートの登録が完了しました』


 何だよこんな時に! ってバハムート!?

 俺そんなもん選んでたの!?

 これは勝てるぞ、バハムートって言えば最強のドラゴンだろ?

 へっへー、覚悟しろ盗賊ども。


「止まれ貴様ら、こっからは俺のターンだ」


 ちょっとカッコつけて。


「出でよ! バハムート!!」


 右手を上に突き上げて叫ぶ!

 中二病かって?

 いやいや、こんな時くらいいいだろ。

 空に巨大な魔法陣が出現してそこから出てくるのは、

 眩く光る鱗に巨大な翼……のようなヒレ?

 はい?

 ドユコトデスカ?


「あのー盗賊さん、あれってバハムートですよね?」

「アッハッハッハッハ、バカじゃねぇのか小僧」


 どうもあれは俺の知ってるバハムートではないようですね……。

 これから逆転することができるんですかね?

 そんなことを思っていると、

 馬鹿でかい魚?鯨?のようなバハムートが盗賊達に向かって落ちて、

 べちゃっ!!

 俺、赤色のスプラッタは初めて見ました……。


 うん、どうしよう……これ。

 バハムートはすぐに消え去り、残ったのは、

 潰れた人間……正直見たくないのよ!!

 いくらネットで無修正のやつ見慣れてるからって、

 リアルで見ると……うげぇっ。

 吐きますよ、リバースしちゃいますよ。

 それから5分ほどたって俺は慣れてしまいました。

 人間の適応力って怖いね。


「取り敢えず、魔法をもらってしまうか」


 最初に見たのと同じような青い珠が血溜まりの中に落ちていた。

 まず、それから拾った。


『戦闘終了を確認。戦利品を回収します』


 拾ったと同時にそんな声が頭の中に響いた。

 なんだ?

 すると、血溜まりの中から他の珠や剣が浮いてきて、俺の前で止まった。


「どうしろと?」


 珠は最初に見たのと同じ青いやつが3個と透明なやつが5個、

 剣はスケさんが持ってたのと同じやつだし。

 これどうすればいいんですかね?

 とりあえず、触ってみる?

 適当に触ったらその刹那、ものすごい勢いで珠は俺の体に吸い込まれていった。


「どうぇい!? 入った!?」


 いきなりのことに驚いているとさっきの声が頭の中に響いてきた。


『水属性魔法Lv.3の登録が完了しました』


 ………。


「わぉ………」


 まじで?たったこれだけでもう魔法使えるの?

 そしてすぐにもう一度声がした。


『情報を獲得しました。魔導書に追記します』


 魔導書が勝手に浮かんでどこからか羽ペンが出現して、

 超高速で文字を書いていく。

 便利な世の中になったもんだ……。

 なんだろうね、なんか喜べない。

 魔導書に書き込みが終わると俺のズボンに引っ付いた。

 なんか勝手にフックみたいなのでベルトにぶら下がってるんだよね。

 とりあえず、読んでみようか……。

 

 読んで後悔した、読まなきゃよかったよ……。

 なんでかって?

 最初はよかったんだよ、盗みの技術とかピッキングとかの方法が、

 懇切丁寧に図解付きで書かれてから。

 でも途中から、動物の解体方法とか、人の殺し方とか図解付きで……。

 うげぇ……気持ち悪くなってきた。

 最後のページには俺のステータス的なものが書かれていた。

 内容は以下の通り。

 

 【霧崎アキト】

 種族:引き籠もり

 職業:無職


 【召喚獣】

 バハムート(魚型)

 

 【魔法】

 火属性Lv.1

 水属性Lv.3


 破壊力:不明

 速度:遅い

 射程:E

 持続力:魔力次第

 精密動作:精神力次第

 魔力総量:魔法5回分

 成長性:多分ない


 F-凡人並み<E<D<C-近代兵器並み<B<A<S-神格級<???

 

 ちょっと待とうか、これも見ないほうがよかったんじゃないだろうか。

 引き籠もりも無職もまあ、解る。

 その下の魔法のとこはどうなの?

 ちゃんとランク的なものがあるのに、射程以外なんで変なこと書かれてんの?

 成長性はなんで『多分ない』になってんの!?

 今、少し成長したよ!?

 魔法使えるようになったよ!?

 いや、もういいや。

 自分のステータスに突っ込んでも意味ないしね。

 

 その後は辺りを散策した。

 どこまで行っても、薄気味悪い空が続き、大地は草が生えている。

 あれから魔物に遭遇することもなかった。


「なーんもねえな」


 暇すぎて魔導書を適当に開いたら、地図を発見しました。

 ……なんで気づかなかった、俺。

 地図の真ん中には【アキト】と矢印で差された点があって周りの地形が書かれている。

 ページの端っこの方にはイザヴェルって書かれた矢印が1つと、

 他勢力って書かれた矢印が4つ……いや、5つ……いや、3つ……。

 なんか増えたり減ったりしてんな。

 とりあえず、どれかの勢力に近づいてみようか?

 そう思って一番大きい矢印の方に歩いて行った。

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