攻防
次に備えて、今回は前回より少し分量少ないです
内容もそんなに濃くはないですけど、相当重要な回になりました…
5日間はなんとか切り抜けて態勢を立て直すという戦況だった。
何せ圧倒的な数の差が響き、凪沙たちに反撃の余地を与えない。
1度切り抜けたと思えばまた次が来る。
こちらは個人個人の能力の高さを武器にやっと戦えている状態だった。
だが流石に相手の方も1度冷静に考えることにしたのか、6日目の朝は何事もなかった。
その隙に作戦を立て直すことにした。
しかし、何よりの問題はアイスラーの居場所だ。
どこにいるのかわからないため、敵の流れを止めることができない。
「今日は19日。24日まであと4日しかない。めっちゃ急がなアカンな。」
「そのためにはまず、アイスラーを見つけ出さないと…」
凪沙がポツッと言った言葉が重くのしかかる。
そこから全員黙り込んでしまった。
ちょっと休憩をと、少し早いがお昼ご飯をとることにした。
凪沙と浅瀬を中心に5人ほどで料理する。
30分ほどで出来上がり、自分たちの分と、兵士たちの分をテントまで運んだ。
「…あれ⁇晴は⁇」
凪沙は晴がいないことに気づいた。
他の人もわからないようだ。
凪沙がテントの兵隊に聞いたところ、少し朝月を出ると伝言を頼まれたと聞いた。
一体どこへ行ったのか…
晴はこの状況、根本的な部分を見落としているからこんなことになったのでは?
と、考えた。どういうことか。
そもそも、アイスラーは何に沿ってこの事件を起こしたのか。
みなさん覚えているだろうか。それは…
「裕子さん!」
晴がやって来たのは初めに来た裕子の家。
「…誰…?」
「中結晴です。」
「…ホントに…中結晴くん…?」
「はい。緑明先生を助けるために協力してほしいんです。」
「…わかった。詳しい話は中で聞くわ。」
晴が裕子の家に着いたのは翌日20日のことだった。
「…なるほど。で、私の家に来たのね。」
「はい。だからお願いできますか?」
「ええ、もちろん。」
ー地下ー
やってきたのは、地下の書物庫。
ここからみんなの旅が始まったといっても過言ではない場所だ。
晴はすぐに例の本を取り出した。
「見つかった?」
「はい。」
晴が取り出したものは例の神話だった。
そう、アイスラーはこの神話の通りに事を進めている。
それを今の今まで忘れていた。
要所要所は違うが、大まかにみると確かに同じ流れを辿っている。
中にこんな話があった。
敵の大将は幹部の5人を連れて身を隠しました。
こうすることで、敵は本拠地に自分たちがいると思い込み、攻めてきたときにかなりの動揺を誘えるからです。
この部分に晴は注目した。
隠れたのは灯台下暗しという考えのもと、敵の本拠地の近くに隠れたのです。
「…本拠地…?」
晴はしばらく考えた。本拠地。それがどこを指しているのか。
裕子の家ではない。朝月の自分たちの本拠地でもない。それはあまりにも危険すぎる。
あと考えられるのは…
「はい、もしもし?」
ここは王宮。今はカツエが宇佐美の代わりをしている。
「カツエさん。中結です」
「あれ、どうしたの?今かなり切羽詰まってる状態じゃ?」
「…今から言うこと、よく聞いてください。そして、焦らないでください。」
「?え、ええ。」
「俺、アイスラーたちの場所を突き止めたんです。」
「すごいじゃないかい!で、それをどうして宇佐美さんじゃなくて私に?」
「…推理が当たっていれば、アイスラーたちが隠れているのはそちらの国。か、そちらの国に近い場所だと思います。」
「…それはどーゆー…?」
「この事件にはもともと題材があるんです。そのことをすっかり忘れた俺たちはまんまと敵の考えにはまりました。そのことを思い出して、その題材をもう一度読み返してみたんです。そしたら…」
「…ココが答えってかい?」
「…はい。」
「…どうしたらいいの?」
「まず、絶対に王宮の人たちにはバレないようにしてください。変な動きを見せると、こっちが気づいたことに気づかれるかもしれませんから。」
「なんだかややこしい言い方だね(笑)それで?」
「…カツエさん、今から俺の言う場所に行ってもらえませんか?偵察の意味で。」
「つまり、そこの様子を見てきてほしいってことだね?」
「はい。」
「わかったよ。場所は?」
「場所は」
カツエが向かった先は晴が爆発に巻き込まれ、死んだと思われた場所。
つまり、隣の国の中枢機関跡地だ。
アキラと一緒に今は何もないハズの跡地に踏み込んだ。
「アキラさん。敵がいるならどこか検討つきますか?」
「…おそらく、アソコでしょう。」
アキラが迷いなく歩き始めた。カツエはそれに着いて行く。
少し歩いて着いたところには何もなかった。
「⁇アキラさん、ここ…ですか?」
「はい。正確にはこの下だと思います。」
「…下?…ですか?」
「はい」
「どうやって調べるんですか?」
「まあ、私に任せてください。その間にカツエさんは中結くんに連絡を。」
「⁇ええ、わかりました…」
晴はジェット機に乗せてもらい、王宮に向かっていた。宇佐美たちには敵の位置が掴めてから連絡しようと思い、まだしていなかった。
王宮に着く前に、カツエから連絡が。
「カツエさん?どうでしたか?」
「今アキラさんに調べてもらってます」
「そうですか。じゃ、すぐにわかりそうですね。」
「?どうしてすぐにわかるんですか?」
「アキラさんのことですから、何かしら方法を知ってるんだろうと思ってです。だからカツエさんに、アキラさんを連れて行くよう伝えたんですよ?」
「あー…」
なるほどと納得したようだ。
「カツエさん!やはり、下にいます!」
アキラが声を大きくしてカツエに伝える。それは晴の耳にも届いた。
「…やはり、ビンゴですか。おふたりとも、ありがとうございました!気づかれないようそっと、王宮に帰ってきてください。」
晴は王宮に着いてから宇佐美に連絡した。
「なんで黙って行ったんや!」
「もし、外れてたら余計なロスになるからです。当たってたならこうして連絡する予定でしたし。」
「そーはゆーてもやな…。…まあええ。今そんなんで揉めててもしゃーない。」
「宇佐美さん。お願いいいですか?」
「なんや?」
「そちらから誰か1人、俺のトコへ来てほしいんですけど。」
「1人⁉︎1人でいーんか⁉︎」
「はい。たくさんいるとそれはそれで行動しにくいですし、こっちに来すぎると、そちらの攻防が危うくなります。誰か1人、お願いします!」
「…わかった。じゃあ凪沙ちゃん。」
宇佐美が凪沙を呼ぶ。
「これからすぐに晴くんトコ行ってくれるか?」
「…どこ…ですか?」
「王宮や。詳しい話は向こうで聞き。」
「…ちょっと代わってください。ー晴?」
「凪沙か?俺と一緒に戦ってほしいんだけど、やってくれるか?」
「…うん。もちろん。晴と一緒なら負ける気しないしね。」
「そっか。それは嬉しいな!」
「今からすぐ向かうから待っててね。」
「ああ。待ってるよ」
次回はすごく長くなると思いますが、おそらく戦いは終わります。
約2ヶ月の戦いを追ってくださった皆様に感謝です!




