特攻
今回は二つにわけて書きます。
もうすぐ終わりです…!
変更された作戦は翌日決行された。
主に戦略を立てるのは宇佐美と晴だ。
戸浦の話によると、緑明はアイスラーのいる、最後の攻略地となるビルでなんとか生き延びているらしい。もちろん、記憶操作もされないようかなり頑張っているようだ。
儀式のほうはやはり、24日に行われるようで、記憶操作された者をいれ、敵となりうる人数は100を超えるらしい。
もともと朝月は人口15万人ほどで、その大半が眠り続けているらしい。
今から4日間で当初の予定通り、中枢以外のすべてを奪還する。
まずは2人一組で行動し、あらかじめ用意してあった魔法陣を作動させるところから始まる。
ー桜原、瀬賀組ー
「記憶操作んときの組と一緒だな(笑)」
「ホントだねー(笑)」
「亮太くんは今、波動魔法メインなんだよね?」
「うん。」
「じゃあ、私が切り込み隊長するから、後ろで援護任せるね!」
「おう!」
ー戸浦、浅瀬組ー
「変な組だね(笑)」
「のぞみちゃんのこと、僕あんまり知らないよ?(笑)」
「私も、智哉くんのこと詳しくは知らないかなー。」
「じゃあ、詳しい自己紹介から始めよっか!」
ー凪沙、晴組ー
「なあ、凪沙。」
「何?」
「俺、一つ凪沙と試してみたいこと、あんだけど。」
「試してみたいこと?」
「そ。」
晴が説明する。
「…うんうん。いーかも!それ出来たらすごい武器になりそーだし!」
「だろ?問題は俺たちの相性とタイミングだけど…」
「練習してるヒマはないからやるなら実戦で試していくしかないね。」
「だよなー」
と、相談しているとき。
こちらに何人かが向かってくる気配がした。
「…凪沙。いけるか?」
「もちろん!」
同じ頃他の2つの組も魔法陣を発動させる準備をしていた。
2人で協力して、一気に大量の魔力を魔法陣に流し込み、ひとまず様子をみることになっている。
全員がそれぞれの魔法陣に手をかけ、魔力を注ぐ形になる。
凪沙たちの組が魔力を放つのが合図となる。
「…晴。」
「いけるよ。」
「じゃあ」
『せーの!』
ドッと一気に魔力を流し込む。それを察知した他のメンバーも一気に流し込んだ。
緑色の光が放たれ、朝月のずっと澱んでいる空へ向かって一直線。
これが、奪還開始の合図となった。
凪沙たちの使った魔法陣は大きく3つ役割を果たす。
一つは宇佐美への信号。
この信号があると、宇佐美は部隊を結成し、朝月へ攻め込む準備を始める。
二つ目は陽動。光を見た敵がこちらへ攻めて来るのを蹴散らし、それを繰り返すことによって敵を減らす。
そして、三つ目はその倒れた敵を行動不能にする力。これがこの魔法陣の本来の能力。
この魔法は本来1人で行うものだが、相当な腕がないと完成しない。それこそSTEP10、朝月で1番の魔法の使い手でも成功するかどうかは怪しい。おそらく成功しないだろうと思われる。
それを改良し、6人で分けて発動させることにより、完璧な成功をおさめることができた。
ここからは、戸浦の話が役立つ。たった2人で30人ほどを相手することになるが、地形や建物を活かして、着実に相手を倒していく作戦だ。
しかし、相手がどれほどこちらに人を送るかわからないし、もしかしたら100人が一斉に1箇所に固まって行動するかもしれない。
逆にどこへも1人も来ないかもしれない。
これは一種の賭けだ。
しかし、賭けに負けたとしても、それはそれで、プランが変更されるだけ。
いくつかのパターンがあるため、最悪の事態も無論想定してある。
実を言うとこちらにとって1番都合が良いのは、誰も来ないことだった。
誰も来なければ、宇佐美たちが朝月へ入る日を早め、中枢へ一気に攻め込む。
そして、アイスラーが手を打つ前に仕留める。スピード勝負ほどこちらに有利な話はなかった。
しかし、そううまくはいくまいと、30人ずつが攻めて来る場合を第一の作戦とした。
案外敵は来なかった。
念のため、今日は基地に戻らず、近くにある自分の家ですごすことになっている。
凪沙と晴は同じ団地なので近いが、2人でいるほうがいいという考えの元、晴の家ですごすことになった。
瀬賀と桜原は瀬賀の家で、浅瀬と戸浦は浅瀬の家でそれぞれすごすことになる。
そんな男女が一つ屋根の下で2人っきりなんて大丈夫か⁉︎
と思ったそこのあなた。大丈夫です。
彼らは今そんなことを考えれるほど余裕はありません。
本人たちもわかっています。
一晩明かしてまた朝。出陣の準備をして、家を出る。
お互いのグループの状況は遠すぎてわからないので、多少の不安がある中での行動となっていた。
朝月はそれなりに広く、桜原、瀬賀のいる北部。戸浦、浅瀬のいる中部。凪沙、晴のいる南部に大きく分けることができ、それぞれまでは歩くと1時間以上はかかるだろう。
ちなみに、基地は中部にあったため、比較的移動に困ることはなかった。
中枢は北部にあり、桜原たちが今いるのは北西部、中枢は北東部なので、少し離れている。
それからすると、まず敵が来るのは桜原、瀬賀ペアのところだろう。
そしてその予想通り、敵と初めて戦闘になったのはそこだった。
「亮太くん。次どっち?」
「こっち…だと思う。」
建物を駆使して相手を翻弄し、攻撃していく。
大半は瀬賀が遠くから波動魔法を繰り出すことで、敵を倒しているが、接近戦になると桜原がバツグンの威力を発揮する。
また、遠くから、近くからの両方をうまく組み合わせているため、相手は完璧にペースを乱され、あっけなく負けた。
ザッと数は20人程度だろう。
「よし、一旦基地もどろーぜ」
「オッケー」
桜原、瀬賀組、任務完了。
次回は久々の宇佐美登場か
と思われます(笑)
次回もよろしくお願いします!




