進撃開始
戦いをどう描くかで迷いすぎて
すごい時間がかかってしまいました…
作戦決行日は余裕をもって、12月4日になった。
その間に細かい作戦を立てたり、魔法の訓練をしたりする。
作戦決行は12月4日とはいっても、その日に朝月に潜入するのは、
「中結くんと瀬賀くんの2人やな。」
作戦としてはまず、12月4日から3日間、偵察と朝月を少しでも取り戻すという目標のもと、2人が先に行く。
3日後、ある程度の情報が集まり、しっかりと作戦が立てば残りの子ども3人 凪沙、桜原、浅瀬 が合流。
そこから一週間かけて、朝月の中枢で、アイスラーのいるビル以外は全て攻略し、そこで、こちらの用意できる軍勢を一気に投入。スピード勝負でケリをつけるというのが大まかな流れ。
晴が朝月攻略の細かな流れを考えている時に、ドアのノック音が聞こえた。
「なあ、中結くん。今いいかな?ちょっと練習付き合ってほしいんだけど。」
瀬賀の声だった。
「え、俺⁇」
「うん。どんだけ中結くんが強いのかしりたくてな。」
「…わかった。じゃ、外行こ?」
ー訓練場1ー
「ルールは?」
晴が背伸びしながら聞いた。
「アンリミテッドでどう?」
「…いーよ。」
晴の声がワントーン下がる。瀬賀が本気の勝負を挑んできていることを察知した。
アンリミテッドとは、基本的に使う魔法は人を殺す魔法以外なら何でも良い。
相手を降参させるか、気絶させるか、とにかく戦闘不能状態にさせれば勝ち。
現在、この2人以外は作戦を練っているので、誰も周りにはいない。
「それじゃあ」
晴がかまえる。
「…セット」
瀬賀が掛け声をかける。
『はじめ!』
同時に声を合わせて戦いの始まる合図をした。
しばらくは睨み合いが続く。お互い牽制しているようだ。
先に動いたのは晴だった。
「召喚魔法!wald!」
晴が出したのは、初めて出す魔人。
いや、晴は呼び出したことがあるので、初めてではないが、他人が見るのは初めて。
「ヴァルト?」
瀬賀は名前だけではどんな魔人か検討がつかず、かなり警戒した。
見た目は普通の人間みたいだ。ただ、髪の毛は緑。
「wald!ダウンバースト!」
晴が命じた瞬間、瀬賀が地面に倒れこんだ。
押し潰されそうなくらい強力な空気の流れが瀬賀を襲う。
「wald、そのままキープしといて。」
晴が瀬賀に近づく。
簡単な基礎魔法を応用した技で瀬賀を攻撃する。
(…いきなりこーなんのかよ!)
瀬賀が思いっきり体内の魔力を放出し始めた。
「波動…その五!」
苦しいながらに発せられたその声に反応するように、ダウンバーストが消えた。
「…波動?」
晴が攻撃をやめ、つぶやいた。
「瀬賀くんの魔力は合成じゃ?」
「…合成はサブで使ってる魔法。波動は今の俺だとめちゃくちゃ強力な技は出せねーけど、アイスラーに操られてたときは危険性を考慮にいれて、俺に合成魔法を使わせるよう細工してたみてーだ。」
「…つまり、瀬賀くんは本来、波動魔法の使い手ってことか?」
「あぁ。」
波動魔法。魔力をいろいろな形の波に変えて攻撃したり防御したりする魔法。
難易度が非常に高く、使用者は召喚魔法の次に少ないが、威力は絶大。
完璧に習得すると誰も勝つことができないのではないか?という話があるくらいで、奇跡の魔法と呼ばれている。
「その魔法、一体どこで⁇」
「俺のじーさんはちょっとした波動魔法の使い手でな。俺よりも力は弱かったけど、それを俺に教え込むことで、俺を強くしくれた。」
晴もその話を聞いてふと思い出したことがあった。
「奇跡の魔法老師Sって、もしかして瀬賀ってことか…?」
「俺も深くは知らねーけど、そうらしーぜ。」
「へぇー。」
晴が驚くに驚けない顔をしていた。
「まさか、伝説の有名人のお孫さんにあえるなんてな。」
「…中結くん。その呼び方知ってるのは、俺のじーさんと親しかった人だけだ。どうやってその情報を手に入れた?」
「ウチのおじいちゃんが教えてくれたよ。」
「おじいちゃん?」
「そー。おじいちゃん。名前は三枝弥一。母方のほうだから苗字は違うけどな。」
「…さえぐさ…やいち…」
瀬賀が考え込んだ。
「…!思い出した…。伝説の弓職人の、あの三枝弥一か!」
「そーだよ。瀬賀くんもそちらのおじいさんから話聞いてたみたいだな。」
「ちょっとだけな。もう今は現役を引退してひっそり暮らしてるってウワサだけど、マジ?」
「マジ。今は俺のお父さんが後をついでやってるよ。」
「へー…。ってことはこの感じで言や、中結くんも弓すげー上手いんじゃ…?」
「そんなめちゃくちゃ上手いってワケじゃないけど、一応中学んときは全国にも行ったよ。」
「十分強ぇーじゃねーか。」
「いや、素質的には多分弟のほうが上だよ。」
「弟いんのか?」
「今小6。」
「今も朝月にいるってことだよな…?」
「あぁ。瀬賀くんは?」
「俺は姉貴が2人。今大学2回生と高3。つっても今は朝月だけどな。」
「お互い、家族が朝月でどうしてるのか心配だよな。」
2人が自分の家族のことを話すうちに本来の目的を忘れてしまっていた。
「…あ、話しすぎて模擬戦…。」
「ホントだ。完璧止まってんじゃん。…中結くん。こーなると仕切り直すのはヤだし、こーしよーぜ。」
「こーする?」
「お互い1番強力な魔法ぶつけて、倒れなかったほうが勝ち。これでどーだ?」
「真っ向勝負ってか?ま、この状況だとそれが1番いーか。」
「じゃ、いくぜ。」
「…2人とも、どうしてそんなにボロボロなんです…?」
建物に戻った2人に緑明カツエが声をかけた。
「いや、ちょっとですね…(笑)なあ、亮太⁇」
「え、そー!ちょっと!な、晴!」
「…?まあ、詳しくは触れませんけど、2人は朝月に行くの早いんですから、無理はしちゃダメですよ?」
わかってますよと返事をして、2人は自分の部屋へ戻る。
(…この短時間であの2人何してたんでしょ?やけに仲良くなって。)
カツエがいろいろ考えかけたがやめた。
(ま、あれだけ仲良くなるっていうのはいいことですね。)
カツエは作戦会議をしている部屋へ戻った。
ちなみに戦いの結果はまたいつかの時に(笑)
次回は多分朝月に行きます!




