感覚
さて、今回は宇佐美が活躍です!
作者の中での宇佐美はかなりイケメンです(笑)
チャラチャラしてない正統派の。
ー王宮ー
涼村は逃走途中、宇佐美から渡されていたスイッチを押して、ヘリを呼んでいた。
「じゃあ涼村さん。何があったか全部聞かせてくれる⁇」
宇佐美の部屋でお茶をしながら報告をした。
元本部に朝月関係のモノが残っていたこと、
ソレを男女2人が取りに来たこと、
そのうちの女の方は涼村の知り合いだったこと、
朝月への侵入の仕方のこと、
そして、何らかの記憶操作の影響なのか桜原は涼村を全く覚えていなかったこと。
「で、涼村さんはカラクリをどう推理したん⁇」
宇佐美がすべてを聞いて、涼村に問いかけた。
「…私の考えは、自我を奪った後、催眠術、もしくは記憶操作の魔法を使われたんじゃないかと思ってます。最悪の可能性は洗脳です。」
「うん…。でも、自我を奪われた人間が、そんなことでそんな感情表現出来るんかな…⁇」
宇佐美の考えは、自我を奪われた人間は感情表現が乏しくなる。そんな人間が催眠術や洗脳だけで、桜原みたいな人間にすることが出来るのか、ということだ。
「…おそらくその考えでいくと、記憶操作の線は薄いです。洗脳だとありえなくないですけど…。」
宇佐美がそれを聞いて、少し考えた。
「…。いや、今思い出したけど、それは多分記憶操作や…。」
「え?」
宇佐美が立ち上がり、自分の机へ向かう。
「昔、アイスラー全盛期のころ、ちょっと調べたことあってな。」
引き出しを開け、何か紙を持ってきた。
「だいぶ前のことやから忘れてたけど、今話聞いて思い出した。アイスラーが組織のリーダーになれた理由。記憶操作や。」
「…⁇アイスラーが記憶操作を使ってリーダーになったってことですか…⁇」
「そー。んで、そっから極悪組織に早変わりやってんけど、今回も多分、ソレや。」
「でも、さっきも言ったとおり記憶操作では、自我を奪われた人たちをあんなに普通の人間みたいにするのは…」
ここで、宇佐美が紙をペラペラとめくるのを止めた。
「ここ見てみ。」
涼村が宇佐美の指す場所を見る。
「…記憶操作に関する審査とその結果…⁇」
「そー。当時は緑明先輩の下で働いてたとき、アイスラーの調査に行った人がおった。でも、調査から帰って以来、どうも様子が変でな。いろいろ質問しても辻褄あわへんし、不審な動き多いし。んで、力づくで審査員トコ持って行って調べてもらったんや。で、フタ開けてみたら」
「…記憶操作にかかっていた…⁇」
「うん。なんとか記憶操作を解いて、話聞いたら操作されてた間のこと全く覚えてなくてな。あれから10年以上経つし、アイスラーの記憶操作がもっとヤバいもんになってても不思議ちゃうやろ⁇」
「…。じゃあ、理菜は、記憶操作を…⁇」
「多分。てゆーか、間違いないやろ。」
「…。とりあえず、緑明先生が帰ってくるの待ちます。そこから作戦いろいろたてたいですし。」
「うん。僕もそれがえーと思う。一応記憶操作についてはこの間に勉強しときや。」
涼村はコクリと頷き、部屋を出た。
ー3日後ー
3日間、涼村は記憶操作について調べたり、魔法の訓練をしたりと忙しい毎日を送っていた。
緑明は全く帰ってこない。
「宇佐美さん。今、いいですか⁇」
「えーよ⁇」
涼村は宇佐美の部屋を訪れた。
「いくらなんでも、先生ちょっと遅すぎじゃないですか⁇」
「やっぱ、そー思う⁇」
「だって、私より早く出たのに、まだ帰ってこないなんて…。」
「うーん…。時間もどんどん無くなって来てるし、これは探しに行った方がいいかもしれないね。」
「ですよね…。私、明日一度朝月近郊まで戻りたいです!」
「うん。今回は僕の用事も片付いたし、着いて行く。」
「え、来てくれるんですか⁇」
「行く。国のことはしばらくカツエさんに任せるし。」
「…それって、いいんですか⁇(笑)」
「よー考えてみ⁇涼村さん、この前敵に顔見られてんで⁇もし、この場所突き止められたら僕めっちゃ危ないやん(笑)」
「あー…。考えてもみませんでした…。言われれば確かに…」
「やろ⁇一旦国出るんも一つの手やと思ってな。」
「じゃ、今回の旅、よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
ー翌日ー
「じゃあ、カツエさん。悪いですけど、しばらくよろしくお願いします。」
「こっちのことは任せて。それより、京介のこと、頼むね。」
「はい。…あの、何かあったとときは」
「ボタンを押すこと!でしょう⁇わかってるわ。」
「なら、大丈夫ですね!」
「うん。気にしないで、頑張って来て!」
と、笑顔で送り出された。
ー朝月近郊ー
その頃緑明は朝月のすぐ隣の街まで来ていた。
しかも、状況はかなりヤバい状況。
「アイツ、どこ行った…⁇」
「多分この辺りに。」
緑明も男女2人組に追われていた。しかし、涼村が遭遇した2人組とは違う。
(やべー…なんとか逃げ切らないと…)
遡ること30分前、緑明は街で聞き込みをしていた。
とにかく手当たり次第あたっては聞いての繰り返しの末、運悪くアイスラーの記憶操作を受けた2人組に話をしてしまったのだ。
もちろん、緑明はアイスラーが記憶操作を使って操っているかもしれないという現状を知らないため、かなり困惑していた。
(…アイツら、朝月の人間だよな…⁇アキラの話だと自我を奪われるって話だったけど、全然そんなことねーじゃねーか…)
などといろいろ考えていたが、とりあえず逃げることが最優先事項だと思い、急いでヘリに向かう。
「あ、見つけた!」
女の声。緑明を追いかけていた女だ。歳は涼村と同じくらい。
「どこ行くの⁇」
「…ちょっとな…」
緑明は停止する。
「あなた、朝月のカンケー者だよね⁇もしかして見つかってない3人のうちの1人かな⁇」
(…そこまでお見通し…か。)
「もし、そーだとしたらどーする気だ⁇」
「え?連れて行くけど⁇」
「へー、そりゃおっかないね」
「うん!」
緑明が逃げようと、一歩踏み出したときだ。
背中に激痛がはしり、視界が暗くなった。
「行ったでしょ⁇連れて行くって。」
なんとか後ろを見ると、男がいつの間にか緑明の前にいた。
(くそ…せめて、最後の悪あがき…を…)
緑明はその場に倒れこんだ。
ーヘリの中ー
「先輩⁉︎先輩!」
緑明は倒れる直前、宇佐美から渡されていた秘密兵器を使った。黒ボタン的なヤツだ。
「宇佐美さん、先生何かあったんですか⁉︎」
「わからん…。応答がないんや…」
宇佐美は感覚リンクで緑明と、正確には緑明の持っているボタンとつながっているため、話しかけたり、話を聞いたりできる。
しばらく耳を澄ませて向こうの声を聞いて見た。
「ねぇ、この男どーするの⁇」
「とりあえず、アイスラーの元に届けないと」
この話を聞いた宇佐美と涼村が顔をあわせた。
「今の会話からすると、緑明先生捕まっちまったってことですよね…?」
「多分な。」
「…。今の声、私が会った2人とは違う声でした。多分他の記憶操作を受けた人たちだと思います」
「うーん…何人おるんや…。先輩も捕まってしもたみたいやし、コレ相当ヤバいな」
またしばらく耳を澄ませてみた。
「だからーーーー…」
「うん、うんーーー…」
あまり内容のない会話が続く。
「あ、そっちじゃないよ。今日からはこっちから入ることになったの。」
「え、なんで急に…⁇」
「この前、元本部でやらかしたらしくて、今までの入り口、バレちゃったんだって。」
「はー…。とんだ失態だな。」
「ホントにね。さ、早く行こ。」
「…。やっぱり入り口変えられちゃいましたね…」
涼村は落ち込んだ。また1からだと思うとかなりテンションは下がるし、申し訳ない気持ちもした。
「涼村さん…。何のための僕の能力やと思てんの⁇」
「え…⁇」
落ち込んむ涼村とは対称に、結果オーライという顔でニコニコしている宇佐美がいた。
「僕の能力の1番便利なトコはリンクしてるもん全ての位置と行動が把握できること。」
「…⁇要するに…⁇」
「先輩とリンクしてる今、向こうの行動はすべてお見通し。朝月への侵入の仕方はカンタンにわかるんや。誰かが犠牲にならか使えへんこの手。ホンマは使いとーなかった…。」
宇佐美がしょんぼりと声を落とした。
「確かに、このままだと先生、殺されちゃいます…。」
「でも、今からやと間に合わへん…。涼村さん。これは賭けや。先輩がすぐ殺されるんなら今すぐ朝月に入る。もし、猶予があるとするならば、もっと対策立てて着実に助ける。」
まさに究極の選択。だが、涼村は迷わず答えた。
「中結のとき…わりといきなり行ってヒドいことになりました。私が思うに、アイスラーはすぐに先生を殺さないと思います。こちら側の事を聞き出したいハズだから。」
「確かにね。」
「だから…必ず、後で助けます…!」
「…。わかった。緑明先生。もし、この話聞いてたなら、頑張ってください!できる限り急ぎます。僕らが行くまで何がなんでも粘ってください!」
宇佐美は最後に緑明に話しかけてみた。
しかし、返事はない。代わりに
コンコン
スイッチを叩く音が。きっと届いたのだ。
「先生…!必ず助けます!」
「涼村さん。一旦戻ろか。」
緑明は連れて行かれてしまったが、希望が生まれた。悲しみもあるが、今はそんなヒマもない。
「中結の分も…」
「…涼村さん⁇晴ちゃうかったっけ⁇」
「え⁇あ、そーでした(笑)晴の分も!」
「…。わかった。僕もこうしよー。凪沙ちゃん!」
「え⁉︎(笑)…はい!」
「お、いー返事(笑)頑張ろな!」
いかがでしたか⁇
ラストのシーンを書いていて自分で
コイツら恋人みたいやな(笑)
って思って書いてましたw
次もよろしくお願いします!




