捜索
涼村がついにいろいろ動いてます(笑)
新キャラも出て来てあらまー大変ですw
ーアイスラー元本部ー
「着いた…」
今涼村は建物の前にいた。
近くの街まで王宮の使用人に送ってもらい、15分ほど歩いてたどり着いた。
見た感じずっとずっと放っておかれているのがよくわかり、窓ガラスは所々割れていて、建物の色も褪せており、これが夜ならお化けが出そうな雰囲気だ。
(…。よし、とりあえず行こう!)
涼村は建物の扉を開けた。
中は窓ガラスから入る微妙な太陽の光のおかげで、前は普通に見えた。
構造は会社のビルと同じようなかんじで、1階は広々としたロビーで、階段を上がると幾つか部屋が分かれていて、5階建てだった。
涼村は宇佐美の言っていたことを考えて、コソコソっと足を進める。
1階に人の気配は感じられず、大した物も見つからなかったので、次のフロアへ。
2階。そろそろ本格的に探さねば、と思ってまず、正面にある部屋から順番に探していく。
一つ一つの部屋を隅々見ていくが、らしきものはなかなか見つからない。
4階まで来た。捜索を始めて2時間が経過していた。
ここまで手がかりどころか、本一つ見つからなかった。
(やっぱりないのかなー…)
4階の初めの部屋をちょうど調べ終えた。
次の部屋へ行こうとドアを開けようとした。
そのとき、事が動いた。
「それって、どこにあるんだ⁇」
誰かの話し声が聞こえた。階段を上がって来ているようで、声が近くなっていた。
「4階の部屋と5階の部屋に一つづつ。大丈夫、私覚えてるから。」
男女ペアのようだ。涼村は気づかれないよう、ドアを閉め、音に集中した。
「で、どっちにあるんだ⁇」
「この部屋。」
そこで声が聞こえなくなった。
涼村は2人が部屋に入ったのだと思い、恐る恐るドアを開ける。
予想通り2人はいなかった。声のする方へ行くと、2つ隣の部屋にいた。
いつでも隠れられるよう、一つ隣の部屋に入り、ドアだけ開けて声を聞く。
「まさか、誰か侵入してるなんてこと、ないよな?」
「さー⁇こんなとこ誰も来ないとは思うんだけど…」
涼村はヤバいと、背筋が凍った。
「そんなに気になるならアンタ見て来たらいーじゃない。」
「そっか…。そーだな。ちょっと行ってくるよ。」
「⁉︎」
涼村は静かにドアを閉め、部屋を見回す。
(速く隠れないと…!でもどこに…)
部屋の中には机と椅子とロッカーしか見当たらない。
(どーしよ…。…!そうだ!)
涼村が何かを思いついたのか、ロッカーに隠れた。
5分ほどで、ついに男が涼村のいる部屋へ入ってきた。
(…発動!)
涼村が男が入ってくると同時に魔法を使用。
男は予想通り、机と椅子を調べたあと、ロッカーに近づいてきた。
(…お願い…。効いてて…)
バタン!
男が端から一つづつ開け始めた。
あと2つで涼村。ー。あと1つで涼村。ー。もう涼村…
「いねーな。よっしゃ次」
男は涼村のロッカーを開けずに部屋を出て行った。
(…よかったー!これも魔法訓練のおかげだよー…)
涼村が使ったのは水系統の魔法の応用で、光の屈折を利用して水蒸気を自分のロッカーを覆い、見えなくさせる魔法。
物体自体がなくなっているワケではないので、もしロッカーに触れられて存在に気づかれればヤバかったが、幸い何事もなく通過してくれた。
(私も捜索しないと…)
涼村は部屋のドアの前まで行き、音を聞く。
しばらくは何も聞こえなかったが、少ししたら男が女の元へ戻って来たのか、2人が現状報告をしていた。
「俺は何もなかったわ。」
「私もとりあえずこの部屋のモノは全て回収したから、上、行きましょう。」
パタパタと足音が聞こえ、階段を上っているようだった。
涼村もこっそりと部屋を出て気づかれない距離から階段を上る。
(…あの2人、多分朝月の資料の回収に来てるんだよね…⁇もしそうだとしたらココに手がかりがなくなっちゃう…)
涼村が相手2人に意識を張り巡らせながらどうするか考えた。
(うーん…なんとかして、奪わないと…)
そうこうしているウチに2人の入った部屋の近くまで来ていた。
(何か口走らないかなー…)
より一層2人の会話に耳を澄ます。
「ひえー!こん中からもう一冊見つけろってのか⁉︎」
「そーよ。アイスラーはとにかく書物を集めて情報収集してたからね。今回の朝月のことに関してはなかなか苦労してたみたいだけど。」
「だからこそ一冊の重要度が高くて、もしコレが朝月に関連する人物の手に渡ると大変ってワケですか。」
「そ。一応手元にある情報だけでも、直接朝月に関係してて、見つかっていないのは3人いるからね。間接的な人も入れればもっと。ソイツらは、早めに処分しないと。」
「おーこえー…」
(⁉︎今処分って言った…⁇私たちを見つけたら殺すってこと…⁇)
涼村は身構える。今すぐにでもここから逃げ出したい気分だったが、なんとか自分に言い聞かせ、落ち着いた。
とりあえず、もう少し2人の会話を聞いてみる。
「しっかし、何冊あんだよー。多すぎだっつの。」
「たっぷり時間もらってるんだからいーでしょ⁇」
などとつまらない会話が繰り返されている。
(やっぱり、何も喋らないな…。残念だけど見つかる前にここから逃げた方がいいかも…)
「そーいや、俺たちどーやって帰んの⁇」
「えー、ヘリ乗ってー朝月まで戻るけど…。何が聞きたいの…?」
「いや、そこじゃなくて、朝月から出るのはカンタンだけど、入るのは大変なんだろ?」
「あー、それか。アイスラーが海の中から朝月への侵入経路作ってあるから、そっから入るのよ。アンタ説明聞いてなかったの⁇」
「いやー、寝てたわw」
「全く…」
涼村は2人の会話をうんうんと聞いていた。
(そーだよねー。朝月にはカンタンに入れないもんねー。やっぱ、海の中から入らないとねー…)
もう一度落ち着いて考えた。
(えっと、私ココに何しに来たんだっけ⁇朝月の情報手に入れるためだよね⁇1番どんな情報欲しかったっけ⁇)
考えれば考えるほど考えているのがわざとらしくなってきた。
(確か、朝月への入り方だよね。朝月の他の情報も欲しいけど、とりあえずは入り方だったよね。…(笑))
入り方。今女の人が言ってました。
(…。今度こそ、退散しよう。)
涼村は階段をコソコソと降りはじめた。
「…あなた誰⁇」
突然、後ろから声をかけられた。
(しまったー!冷静さ失って、敵のこと途中からなんも見てなかったー!)
焦りまくる涼村。
「まさか、朝月に関係のある人じゃないでしょうね…⁇」
その質問に答えるのに涼村はかなり時間がかかった。
「え、えっと…、アサツキ⁇何ですか、ソレ…」
いかにも知らない雰囲気を醸し出すべく、朝月の部分を片言で表現してみた。
「ココで何をしてたの⁇」
なんとか誤魔化せたようだ。涼村は初めて相手の方を向いて答えた。
「私はココで、 …⁉︎」
途中、相手の顔を見た瞬間止まってしまった。
「…ウソ…理菜…⁇」
前に立っているのは知っている顔。小学校が一緒だった、友達。
「…どうして、私の名前、知ってるの…⁇」
「え、どうしてって、理菜、覚えてないの⁉︎」
「覚えてって、元々あなたなんか私、知らない。」
「どーかした⁇」
後ろから男の人もやって来てしまった。男のほうは知らない人だったが、年齢的には同じくらいだろう。
「なんか、あの子が私の名前知ってて…。」
「ん⁇その言い方だと、お前はしらねーの⁇」
「うん。」
「でもさ、要するにお前を知ってるってことはソイツ、朝月に関係する人間なんじゃねーの⁇」
「あ、そうか…」
2人のは涼村の方を見た。
しかし、涼村はそこにはいなかった。
(え!なんで!なんでわからないの⁉︎中学行ってからもちょくちょく会ってたのに!てゆーか、ついこの前会ったのに!)
涼村はスキを見て逃げ出した。あまりにも状況が状況だったので、逃げながらいろいろ考えることにした。まずは、身の安全が第一。
(…誰か、何かそれらしいこと言ってなかったっけ⁇)
逃げながら考える。
「儀式が60人に達すると、朝月は崩壊する。」
ふと、緑明が言っていたことを思い出した。
(…儀式…⁇なんだったっけ⁇)
もうすぐ玄関にたどり着く。頭を目一杯働かせた。
「自我を奪う儀式が行われていて、その儀式が60人に達すると、朝月は崩壊する。」
(…自我…⁇)
涼村は自我という言葉に引っかかった。
玄関を出て来た道を大急ぎで戻る。
「そんな慌てて、どこ行くの⁇」
言葉に反応して振り返ると、理菜という人物が。
「…。あなたは桜原理菜だよね⁇」
「…だから何であなたが私の名前知ってるの⁇」
「…。私は…」
一瞬、ためらった。が、思い切って言った。
「私は、西萩小学校にいた、涼村凪沙。理菜。あなたも同じ西萩小学校出身だよね⁇」
涼村にはなんとなく、1つ、コレがどういうカラクリか思い当たるものがあった。それを確かめるために聞いた。
「西萩小学校⁇どこそこ。」
「じゃあ、理菜は小学校、どこに行ってたの?!」
「そんなの、どーだっていーじゃない。それよりも私はあなたをココで処分する。」
ー確定。
涼村はほぼ間違いない答えを見つけた。それがありえるかありえないかはナシにして。
「…私はこんなとこで、処分されるワケにはいかない。」
と、言うと同時に上からヘリの音が。
「ヘリ⁉︎一体どうやってこんなとこに…」
桜原は思いっきりヘリを狙って魔法を唱えようとしている。
「やらせない!」
涼村は基礎単一魔法フレイムを発動させ、桜原に当てた。
「私は必ず、朝月を取り戻す。理菜の記憶もね。」
涼村がスキを見てヘリから降りてきたロープを上り、その場から離れた…。
「おい、大丈夫か⁇」
後から追って来た男が桜原に声を掛けた。
「大丈夫。それよりも速くアイスラーに報告しないと。」
「報告…⁇」
「今の子、朝月に直接的関わりがある、つまり朝月の人間よ。」
「どーしてそう言いきれるんだ⁇」
「…。なんでかな。私に探りを入れたみたいなんだけど、言ってたことがあまりにもリアルすぎて、朝月のこと知ってる。そう思った。きっと確認出来てない3人のウチの1人よ。」
「…なあ、もしかして俺たちの話聞かれてた…⁇」
「どーだろ…。多分聞いてたんじゃないかな⁇」
「じゃあ、侵入経路のことも…。」
「おそらくね。それも踏まえていろいろ考えないと。とりあえず最低限の下された命令はこなしたし。」
桜原と男もその場を後にした。
いかがでしたか⁇
ここからますますヒートアップします。
涼村はどういうカラクリを見つけたのでしょうか⁇
それではまた、次の機会に!




