一週間
前回がヘビーだったので、今回はあまり進めてません
てゆーか作者自身少しお腹いっぱいで…(笑)
この次からはしっかり書きます!
帝国事件から1週間。
この1週間は凄まじいスピードで過ぎて行った。1人を除いて。
ー王宮ー
涼村たちは再び王宮に戻っていた。
コンコン
「涼村さま。ご朝食の時間です。本日はどうなさいますか…?」
「…いえ、今日は遠慮します…。」
「…さようでございますか。…また、何か食べたくなったら、いつでもお呼びください。」
毎朝使いの人が涼村と同じやりとりをしていた。
涼村は1週間、ショックのあまり、部屋からほとんど出てこなくなった。
出てきたと思ってもすぐにまた部屋に戻ってしまい、顔をまともに見た者はいなかった。
緑明と宇佐美はかなり忙しかった。
宇佐美は爆破事件の跡地調査の代表となり、帝国に行った調査団に指示を送っていた。もちろん、中結の捜索も行なっているが、痕跡一つ見当たらなかった。
同じく帝国の王様のものも見つからず、逃げることが出来たという線も考えたが、あの爆発では無理だという結論に至った。
事件を起こした連中はアキラを中心として、全員自首して来た。
そこで、緑明が自分の役目を果たす。
アキラに会議室の様子を見せ、会話の内容を教えてもらい、朝月で今起こっていること、アキラ自身が何者なのかも聞いた。
まず、朝月で起ころうとしていること。これは神話の通りで、本当に2ヶ月後に崩壊するというものだった。
会話の内容は大まかに要約すると、崩壊までの手順の確認とその日しなければならないことの決定だった。
具体的な内容は相当ヒドいもので、毎日1人づつその人の自我を奪う儀式を行い、それが60人に達したとき、朝月はこの世にはなかったことになるという禁忌目録に指定されている古式魔法。
事件を起こしてるグループは世界的にも有名なテロ組織、アイスラーだった。
リーダーの名前がアイスラーだからアイスラー。
朝月は魔法の街。その話は世界的にも有名なことで、世界に及ぼす影響力もけして小さくはない。むしろ、かなり大きい。
アイスラーはそういった世界のリーダー的場所を破壊する、野蛮な組織だと言うことで世界的に有名だった。
ここ10年ほどは何の動きもなかったため、壊滅したのだと思われていたが、まさか朝月を狙うとは誰も思ってなかっただろう。
とにかく1つ言えることは、2ヶ月以内に、自我を奪う儀式が終わり、魔法が発動する前にアイスラーを倒すこと。
それが最終結論だ。
「で、アキラさん。アンタは何者なんだ?」
緑明が最後に聞いた。
「私は、元アイスラーの一員でした。」
緑明は思った。今自分の目の前にいる人物は相当ヤバいんじゃないかと。しかし
「アイスラーの壊滅のウワサ。先ほどの話にも出ましたが、知ってますよね?」
アキラの本当のことはこの後にあるのだとわかった。緑明が頷く。
「あのウワサは本当です。なんせ、私が壊滅させたんですから。」
「え⁇つまり、どーゆー…?」
あまりに唐突な話に緑明は戸惑った。
「実は朝月には、私の祖母が住んでいました。今はもう亡くなってしまいましたが。」
水を一口飲み、続ける。
「それこそ、10年前です。徐々に力を延ばしていた朝月を狙おうという計画が持ち上がったんです。」
緑明はかなり、動揺した。以前に朝月が狙われていたかもしれないという事実は想像するだけでとても恐ろしかった。
「でも、先ほども言ったとおり、朝月は祖母のいる街。アイスラーのやり方に疑問も感じ始めていた私は、アイスラー内部で様々な工作を行い、壊滅させました。そして、帝国へ渡りました。当時は平和な国だったのでね。」
この話ですべての辻褄が合った。
なぜ、アキラがこんなにも朝月に今起こっていることについて詳しいのか。
そして、なぜ今回も暴動をおこしたのか。
それは過去に同じことが画策されていたからだ。過去にも反発を覚えて動いたからだ。
「最後に1つ、私から申し上げたいことがあります。」
アキラは声を少し大きくした。緑明がアキラの目をじっと見る。
「あの中枢機関の建っていた場所は、もともと神秘の地と呼ばれるとても聖なる場所でした。それを嫌った王がアソコに中枢機関を建ててしまったわけですが。しかし、あの場所がどうなろうと神秘の地であることに変わりはありません。」
アキラの言いたいことが全くわからなかった。
「つまり、私が言いたいのは、中結くんとやらのことです。きっと彼は生きている。」
緑明は何かを言おうとしたが、何も言葉が出て来なかった。ただ、アキラの言ったことが本当のように思えた。
「これで、私の話せることはすべてです。」
そう言ってアキラは緑明の元を去り、大人しく刑務所へと向かった。
こうして、早々と1週間がすぎた。
今、緑明は涼村の部屋の前まで来ている。
「…涼村。入っていいか…⁇」
「…。どうぞ…。」
毎晩来ているがどうぞという返事はこの日が初めてだった。
「じゃ、入るぞ。」
ドアを開け、緑明は中へ入った。
涼村はベッドに腰掛け、月明かりを見ている。
「今日、ようやくアキラからすべての話を聞けたよ。」
「…そうですか…。」
涼村はあまり興味なさそうに答えた。
「なあ、涼村。もし、中結が生きているとしたら、どうする⁇」
「そんな希望的観測で話さないでください!」
静かだった涼村が声を張り上げた。
「なあ、涼村。確かに目の前で中結が消えて、相当ショックだったと思う。でも、それでこの先朝月も見捨てて何もしないまま生きていくのか⁇」
話の内容が非常に重たかった。涼村は月を見ながら話す。
「…朝月を取り戻さなければならない。中結のことをいつまでも引きずってるワケにはいかない。全部わかってます。頭では理解してます。でも、それでもどうしようもないときだってあるでしょう…⁇」
涙が枯れたとはこのことなのか。涼村はもう泣くことすらできなくなっていた。
「…アキラが最後、部屋を出て行くとき一言俺に言った。中結晴は生きてるって。私が保証するって。」
涼村はだまって話を聞いていたが、返事はしなかった。
「…。朝月への侵入の仕方がまだわからないから、それを調べに明日ココを出る。ついて来るかこないかは涼村次第だ。」
少し間を置く。
「…待ってる。」
こうして、夜が更けていった…。
いかがでしたか⁇
大事な人が急に事件に巻き込まれて消えてしまう。
私ならショックでずーっと立ち直れないとおもいますけど、涼村はどうするのか…
次の話はまた新たなステージへと移り変わります
是非読んでいただければ!




