〜序章〜「過去」
初めての投稿なので、誤字や誤り等あったらどんどん指摘お願いします。
あと、本編は恋愛ものですが、微妙な恋愛なので、あまり熱い恋は期待なさらないようお願いします。
キキーーッッ
激しいブレーキ音。
それは強い雨の日。
サイレンの音が鳴り響く中、幼い俺達はただ見ていることしか出来なかった……
「あれからもう十年か……」
重い頭を上げ、むっくりと起き上がった。
俺の名は高岡大樹十六歳のバリバリ高校1年生だ。
そして…
「たっかおぉ〜、ご飯出来たよーー」
俺の事を
「たかおぉ〜」
と呼ぶのは奄美千草俺の幼馴染みで、俺が通う学校の同級生。
でもそれ以上に、俺達には切っても切れない関係があった……
それは雨の強い日、俺達は自分達の親と一緒に買い物に来ていた。
俺の親と千草の親はとても仲がよく、一緒に買い物に行く事もしばしば。
「いやぁ〜、買いすぎちゃったなぁ〜。どうです?今日家で鍋パーティでも?」
「いいですねぇ〜、クイッと一杯やりますか?」
陽気に話す父親達。見かねて母が、
「ダメでしょ!あなた。今日は………」
「ああっ、そうだった!すんません誘っておきながら…ちょっと今日は用事が……」
「いいですよ〜ではまた今度という事で…」
4人が何を話しているのか、全く分からない当時6歳の俺と千草は横断歩道を渡ろうとした……その時!
「危ない!!!!」
振り返った俺達はドンッと前に押され、転ぶ。
「何をするんだ!!な…に……が」
そこには沢山の血。
俺達の親は突然この世から去った。
死因は視界不良、飲酒運転によるドライバーのハンドル操作の誤り。
事故死だった。
しかも4人とも。
笑う人もいるかもしれない。無理も無い。俺達の親は4人一斉に俺達を押し、助け、挙げ句に死んだのだ。
そんな事も十年経った今では昔話。
身寄りの無かった千草は、俺と一緒に祖母の家に。
祖母が亡くなり、中学生の俺達は同居する事に。
そして今にあたる
「朝ご飯冷めちゃうよ〜!!」
残ったのは両親が残した莫大な遺産のみ。
千草も同じだ。
ゴツンッ
不意に頭に衝撃が伝わり、頭を抱え悶絶する俺。
「もうっ、朝ご飯冷めるって何回言わせるのっ!早く起きて!!!」
「痛ってぇなぁ〜殴るこたぁねえだろ?」
ねぼけながら千草に呟く。
「遅刻するよっ!ち・こ・く。早く早く」
と、布団の上にいた俺を布団ごと吹っ飛ばす。
「痛ってぇ〜」
壁にぶつかり、うめく俺。しかし、
「今日から新学期でしょ?!早めに行こうよ〜」
そして俺達の歩む人生が始まる。
実はこれは過去に一回原稿用紙に書いたものを、少しアレンジしたものです…長いです