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異世界転生したら第21王子だったけど、許嫁も侍女も姫も俺に夢中で嫉妬の嵐 モテすぎて部屋に引きこもってます  作者: マーたん


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王国再建編 ―

なつ

王国再建編 ― 第十二章:水撃ちの奇襲


 王国の西門付近、川沿いの平原にアルトと少女は立っていた。

 前線には敵の残党が潜み、城再建を妨害しようと息を潜めている。


「アルト、あそこに敵が潜んでいるわ」

 少女が指差す先には、黒い影が水面に反射して揺れていた。


 アルトは目を細め、状況を読み取る。

 川沿いの地形を利用すれば、敵の不意を突ける――前世の戦術が脳裏を過る。


「わかった。僕のやり方で行こう」

 アルトは剣を握り、周囲の水路に目を向ける。

 水の流れを意識し、次の瞬間、水を操る「水撃ち」を繰り出す。


 川面が波打ち、水の壁が敵の前に立ち上がる。

 一気に勢いをつけて水の塊を飛ばすと、敵の陣形が崩れ、重装甲の兵士までも後ろに弾き飛ばされた。


「すごい……!」

 少女の目に驚きと歓喜が混ざる。

 アルトは微笑みながら、再び水撃ちを連続で放つ。水流は渦を巻き、敵を捕らえ、押し流す。


 敵の司令官が槍を振るいながら反撃を試みるが、アルトと少女の連携攻撃に翻弄される。

 二人の間合いは完璧で、水撃ちと魔法結界、剣技が同時に敵を襲う。


 やがて水の力で敵陣は完全に崩壊する。

 倒れた敵を川の流れに押し流し、残るのはわずかな撤退勢だけだった。


「これでひとまず安全ね」

 少女が息を整えながら言う。

 アルトは水面を見つめ、次の作戦を考えながらも、戦いで成長した自分たちの力を実感する。


 水撃ちはただの奇襲ではなく、二人の連携と前世の知恵が生み出した必殺の技だった。

 アルトは心の中で誓う――この力を駆使し、王国再建の道を切り拓く、と。


― 第十三章:水撃ちの決戦


 城外の広大な平原には、王国再建を阻む強大な敵勢力が集結していた。

 ハイランドオーク、ゴブリン、そして魔獣たち――数は圧倒的で、普通の戦力では到底勝ち目はない。


「アルト、今回は私たちだけじゃ無理ね」

 少女は冷静に戦況を見極め、戦術を提案する。


「わかってる。でも、水撃ちを応用すれば、少しでも有利に立てる」

 アルトは川の水路や堀を最大限利用し、水を集めて巨大な水流を作り出す。

 その水撃ちは単なる攻撃ではなく、敵の動きを封じ、陣形を崩す戦術的な力となる。


 戦闘が始まると、水撃ちは川から巨大な壁となり、敵軍の前線を押し流す。

 ハイランドオークの巨体が波に巻き上げられ、ゴブリンたちは混乱に陥る。

 魔獣たちも水の渦に飲まれ、攻撃のテンポを狂わされる。


 アルトと少女はその隙に前線へ突入する。

 二人の剣と魔法は息の合った連携を見せ、敵を次々と倒していく。

 前世で得た戦術と今の力が融合し、まるで戦場全体を二人が支配しているかのようだった。


 だが、敵の司令官が大地を揺るがす一撃を放つ。

 その瞬間、平原が裂け、水の流れも乱れ、アルトたちは一瞬の危機に陥る。


「諦めるな!」

 少女が叫び、二人で集中力を高める。

 アルトは水撃ちの威力を最大に増幅させ、敵の司令官を狙い撃つ。


 一撃が決まると、敵の士気は一気に崩れ、残党は混乱のまま撤退していった。

 戦場には水の匂いと戦いの残響が残るだけだった。


「やった……勝ったのね」

 少女は安堵の表情を見せ、アルトも力なく微笑む。

 水撃ちは単なる戦術ではなく、二人の絆と経験が生み出した奇跡だった。


 平原を見渡すアルトの目に、再建された王国の未来が浮かぶ。

 戦いは終わったが、これからの道も決して楽ではない。

 それでも二人は、互いに支え合い、王国再建への道を歩み始めるのだった。


― 第十四章:王国の試練


 平原での大勝利から数ヶ月後、王子アルトと少女は再建された王国の城に戻った。

 だが、戦争の傷跡は深く、民衆の心には不安が残っていた。


「平和になったと思っても、油断はできない」

 アルトは執務室の窓から城下を見下ろし、そうつぶやく。

 少女は彼の隣で書類を整理しながら頷いた。


 王国再建のためには、ただ軍事力を示すだけでは不十分だった。

 隣国との外交、内乱の鎮圧、領地の復興、さらには王国内の貴族たちの権力争い――アルトにとって、剣を振るう戦場とはまた違う戦いが待ち構えていた。


 ある日、城の外郭に使者が駆け込んできた。

 「王子様、東の港町で異常な魔力の波動が検知されました!」


 アルトは少女と顔を見合わせる。

 「また、何か来るのか……」

 少女は剣を握り直し、魔法陣の準備を始めた。


 港町に到着すると、海上から巨大な影が迫っていた。

 黒い鱗をまとった海の魔獣が、船団を飲み込みながら港に向かってくる。

 その力は、平原での戦い以上に圧倒的だった。


「これでは港町が……!」

 民衆が逃げ惑う中、アルトは少女と共に前線に立った。

 再び水撃ちを応用し、海の水を操って魔獣の進行を食い止める。

 水の流れが渦を巻き、魔獣の巨大な足を絡め取る。


 だが魔獣は強靭で、水撃ちだけでは押し返せない。

 アルトは城から持ち出した古代の魔導書を開き、前世の知識と王子としての力を融合させた新たな技「水竜の牢」を発動する。


 水が竜の形に変化し、魔獣を封じ込めると、少女の魔力結界と連動して攻撃を集中させる。

 一撃で魔獣は退却し、港町に安堵の声が広がった。


 しかし、アルトは笑わなかった。

 「これで終わりではない。王国には、まだ多くの課題が残っている」

 少女も頷く。二人は互いの手を握り、王国再建の責任と未来を胸に刻む。


 夜が来ても、平和の光はまだ弱い。

 しかし、アルトと少女の絆があれば、どんな脅威も乗り越えられる。

 そして彼らは、民と共に新たな王国の歩みを始めるのだった。


― 第十五章:新たな脅威と王国の絆


 平原での勝利から数ヶ月、王国は戦火から立ち直りつつあった。城下町は徐々に活気を取り戻し、民衆は王子アルトと少女の名を讃えていた。だが、戦争の爪痕は深く、城の会議室には絶えず緊張が漂っていた。


「隣国との和平交渉を急ぐ必要があります。軍事力だけでは、再建は続かない」

 アルトは地図を広げ、各地の領地の状況を確認した。港町の防衛、水路の復旧、農村の再建――やるべきことは山積していた。


 少女は魔力結界の研究書を手に、静かに言った。

「王子様、港町での魔獣の件ですが、あれは単なる自然の怪物ではない可能性があります」


 その言葉通り、港町の調査を進めると、海の底には異世界から漂流してきた魔力の痕跡があった。海中から微かな光が揺れ、時折巨大な影が水面を揺らす。


「これ、ただの魔獣じゃない……異世界からの侵略者かもしれません」

 アルトは剣を握り直し、少女と共に戦闘準備を始める。港町の民を避難させ、城から伝令を飛ばして隣国の援軍も要請した。


 戦闘が始まると、海から現れたのは体長50メートルを超える黒い鱗の魔獣。海の波を蹴散らし、港に押し寄せる。

 アルトは川や水路を駆使し、全力で水撃ちを放つ。水流は渦を巻き、魔獣の巨大な足を絡め取る。

 しかし、魔獣は単なる力任せの生物ではなく、高度な魔法防御を備えていた。水撃ちの威力は半減し、戦闘は膠着状態に陥る。


 少女はアルトに目で合図を送り、二人で新たな戦術を編み出した。

 「水竜の牢」と名付けられた技は、水撃ちの水流を竜の形に変え、魔獣の動きを封じ込める魔法結界と連動させるというものだった。


 二人が技を同時に発動すると、港町の空気が一変する。

 水の竜が天空を舞い、魔獣を中心に渦を巻き、圧倒的な力で押し込む。

 魔獣は暴れもがくが、竜の水流に捕らえられ、徐々に力を失っていく。


 戦いが終わったとき、港町の民は安堵と歓声に包まれた。

 アルトと少女は互いに疲労を感じながらも、民衆の笑顔にわずかな達成感を覚えた。


 だが、平和はまだ完全ではなかった。

 城に戻ると、貴族間の権力争い、領地再建の対立、外交の難航など、現実の問題が山積していた。

 さらにアルトの前世の記憶に基づく異世界の知識は、時折王国内で怪異を生み出す原因にもなった。


 ある晩、アルトと少女は城の塔で夜空を見上げる。

「王子様、私たちは戦い続けるのね」

「そうだ……でも、戦いは軍事だけじゃない。民を守り、王国を統治することも戦いだ」

 少女はアルトの手を握り、微笑む。

「なら、一緒に歩こう。どんな困難でも」


 塔から見下ろす王国の街は、月光に照らされ静かに輝いていた。

 戦火をくぐり抜けた民の笑顔、城下の灯り、そして未来を信じる王子と少女の姿。

 全てが再建された王国の象徴であり、希望の光だった。


 そしてアルトは、これからの王国のために戦い続けることを心に誓う。

 異世界からの脅威、内部の陰謀、そして魔獣――どんな困難があろうとも、王子と少女、そして民が共に歩む限り、王国は決して滅びない。

あき

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