王国再建編 ―
…
王国再建編 ― 第七章:裏切りと陰謀
王子アルトの活躍は民に希望を与えたが、その光は同時に陰謀の影を濃くした。
王都の奥深く、煌びやかな玉座の間にて、数人の貴族たちがひそひそと語り合っていた。
「このままでは第二王子など国を掌握してしまう」
冷ややかな声で話すのは、かつて王家に忠誠を誓った老領主の一人。
「民の支持は確かに厚い。しかし、王子はまだ未熟。機を見て手を打つべきだ」
若い貴族が影を潜めるように答える。
その眼には、嫉妬と権力欲、そして深い疑念が宿っていた。
一方、王子アルトは再び城の奥で書物を読み、国の再建計画を練っていた。
リュウやひびきが常に傍らに付き、王子の意志を支えていたが、彼らもまた陰謀の影を完全には知らなかった。
ある夜。
城の守衛の一部が突然、王子の寝室への通路を封鎖した。
「王子を連れ去れ」
低い声で命令が下る。
だが、アルトは落ち着いていた。
前回の暗殺未遂で得た戦闘経験と、心の覚悟が、今の彼を恐れ知らずにしていた。
扉を破ろうとする刺客に対し、王子は短剣を握り直す。
「ここで怯めば、王国はまた暗闇に沈む」
彼の目は揺らがず、決意に満ちていた。
突入してきた守衛たちは、王子の攻撃とリュウ、ひびきの連携により次々と無力化されていく。
しかし、王子の耳に囁かれる陰謀の情報は、単なる表面の裏切りにとどまらないことを示していた。
「王都の一部が、私たちを内側から崩そうとしている……」
王子は握りしめた短剣を見つめ、深く息をついた。
翌朝、王子は民の前に姿を現した。
その顔には疲労の色はあるが、眼差しは揺るがない。
「王国を守るために、私が立ち上がる。裏切り者がいようと、我々は負けない」
民衆の間に広がるのは希望のざわめき。
そして城内では、忠誠を誓う者たちが静かに集まり、王子とともに立ち上がる準備を整え始めた。
だがその裏で、陰謀の渦はさらに大きく、複雑に広がっていた。
王子はまだ、すべての敵の正体を知ることはできていなかった――。
― 第八章:裏切り者との対決
城内の廊下は静まり返り、昼の光さえも薄く差し込むのみだった。王子アルトはリュウとひびきを伴い、慎重に足を進める。
陰謀の中心に迫るにつれ、王子の胸は高鳴る。裏切り者たちは、城の奥深くに潜んでいるはずだ。
「王子、気をつけてください」
ひびきの声は低く、鋭い。彼女の眼は暗闇の中でも光を捉えていた。
「わかっている。だが、逃げるわけにはいかぬ」
アルトの手は短剣を強く握り、決意を固めていた。
やがて、玉座の間に続く扉の前にたどり着く。
その扉の向こうからは、人々を裏切った者たちの嘲笑と、武器を構えた気配が漂う。
「来たか、王子」
低く響く声に、王子は反射的に身構える。
扉が開くと、そこにはかつて信頼していた貴族たちが立っていた。
「私たちはこの王国を取り戻すのではない。我らが支配するためだ」
一人の老貴族が冷たく笑う。
だが王子は揺るがなかった。
これまでの引きこもりの日々、仲間たちとの戦い、暗殺未遂、すべてがこの瞬間の決意を強固にしていた。
「お前たちの支配など、絶対に許さぬ!」
アルトの叫びとともに、戦いが始まった。
リュウとひびきが先陣を切り、裏切り者たちの攻撃を受け止める。王子はその隙を突き、短剣で次々と敵を制する。
裏切り者たちは、冷酷さだけでは王子の覚悟に勝てなかった。
戦いは激烈を極め、玉座の間に火花と叫び声が散る。
しかし王子は決して後退しない。
彼の心の奥には、民を守るという確固たる使命が燃えていた。
最後の裏切り者が膝をつき、無言で降伏する。
玉座の間には静寂が訪れ、ただ戦いの跡だけが残った。
王子は息を整え、民を思い浮かべる。
城内で、王国を支える仲間たちが彼に駆け寄り、互いの無事を確認する。
「これで、王国は少しずつでも、私たちの手に戻る」
王子はゆっくりと玉座に手をかける。
その目には疲労ではなく、決意と覚悟の光が宿っていた。
こうして、王子アルトは裏切り者たちを討ち、再建への第一歩を確実に刻んだのだった。
……




