家族の冒険、再び世界へ
王子
平和の戻った王国。瓦礫の跡地には再建された街が広がり、王子とステイシア、そして娘ルミナは穏やかな日々を過ごしていた。だが、平和の裏には静かに忍び寄る闇があった。
ある日の朝、王子が城の見張り塔に立つと、遠方の山脈から黒煙が上がるのが見えた。
「……何か起きている」王子は眉をひそめ、ステイシアとルミナを呼ぶ。
「父上、行くの?」ルミナの瞳がわくわくと輝く。
「そうだ、ルミナ。今回は私たち家族全員で挑む戦いになる」王子の声には決意が満ちていた。
王子、ステイシア、ルミナの三人は馬に乗り、城を後にした。道中、ステイシアは娘に剣の基本動作を教え、王子は戦略や状況判断の重要性を語る。ルミナはすぐに覚え、父母の教えを吸収していく。
「私も、戦える!」ルミナの声に、王子とステイシアは微笑む。
山脈の麓にたどり着くと、そこには見たこともない魔物たちが群れを成していた。黒い鱗を持つ巨大なドラゴン、空を飛び交う毒蛾、地面を這う魔獣――
「これは、ただの魔物ではない」王子は呟く。
「異世界からの侵入者……かもしれない」ステイシアも剣を握りしめた。
戦闘は瞬く間に始まる。王子が剣を振るい、ステイシアが魔法で援護、ルミナは父母の背後で迅速に動き、的確に攻撃を加える。
ルミナの小さな体から放たれる光は、かつて戦場で見たどんな魔法よりも強く、敵の群れを切り裂いていった。
だが、敵の大軍は止まらない。巨大ドラゴンが咆哮と共に襲いかかる。王子は娘を守るため盾を構え、ステイシアは炎の魔法で応戦。ルミナは父母の間に入り、魔力を集中させる――
その瞬間、ルミナの体から眩い光がほとばしった。小さな光が巨大ドラゴンを包み込み、驚異的な威力で吹き飛ばす。父母は目を見張り、ルミナの成長に改めて感嘆した。
戦闘が終わり、辺りに静寂が訪れる。黒煙の中から、異世界の扉のような光が微かに揺れる。王子はそれを見つめ、家族の手を握る。
「まだ終わりではない。あの先に、新たな冒険が待っている」
ステイシアも力強く頷く。
「家族で挑むなら、どんな敵も恐れることはありません」
ルミナは笑顔で剣を握り、父母の間で小さく宣言する。
「私も、父と母と一緒に戦う!」
三人は手をつなぎ、異世界の扉へと歩みを進める。未知なる世界、魔法の脅威、異形の生物――
全てが新たな試練であり、家族の絆を試す場であることを理解しながらも、三人の目は確かな希望で輝いていた。
王子とステイシア、そしてルミナ。
戦士として、夫婦として、そして家族として――彼らの物語は、ここから再び始まるのであった。
王子




