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異世界転生したら第21王子だったけど、許嫁も侍女も姫も俺に夢中で嫉妬の嵐 モテすぎて部屋に引きこもってます  作者: マーたん


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新騎士ステイシア

王国に平和が戻り、戦場だった場所には再び緑が芽吹き始めた。王子とステイシアは数々の戦いを経て夫婦となり、今は日常を取り戻しつつある。だが、その日常の中で、新たな命が王家に訪れる――希望の光として、二人の前に現れる娘。


新章 ― 新騎士ステイシア


瓦礫の街が少しずつ再生の兆しを見せる中、王子は王国の未来を見据え、仲間たちとともに新たな戦略を練っていた。

だがその日、王宮の広間に一人の人物が現れた。


赤銅色の鎧に身を包んだ女騎士――ステイシア。長い銀髪は夕陽に輝き、冷静な瞳には戦士としての誇りと意志が宿っていた。

王子の視線は自然と彼女に向かう。過去の戦いで味わった絶望や失った仲間たちの記憶が一瞬頭をよぎるが、ステイシアの存在はそれらを塗り替える希望の光のようでもあった。


「王子様、私が参ります」

静かでありながら力強い声。そこには、単なる忠誠ではなく、自らの力で未来を守る覚悟が込められていた。


ステイシアは孤高の戦士として名を馳せてきた。無数の戦場を渡り歩き、多くの敵を討ってきた過去を持つ。だがその彼女が、なぜ王子に仕える決断をしたのか――

それは単純な忠義だけではなく、王子が紡ぐ世界の再生と希望を、共に見届けたいという強い願いからだった。


王子は歩みを止め、彼女を迎え入れる。

「力を貸してほしい、ステイシア」

握った剣の重み、心臓の鼓動、瓦礫の間を渡る風の音――全てが緊張感に包まれる中、ステイシアは微かに笑みを浮かべた。


「承知しました。これからは、王子様の隣で戦います」

その剣は微かに光を反射し、まるで意思を持つかのように振動した。王子は仲間たちの存在に感謝しつつ、新たな戦力の加入に胸を熱くする。


その直後、遠くの地平線に異変が起きる。

かつて打ち倒したはずの魔獣たち、復讐に燃えるハイランドオークの残党、そして未知の脅威が、一斉に動き始めたのだ。

黒い影が群れを成し、地面を震わせながら迫る。空には毒オオスズメバチや猛毒大百足が群れ飛び、街の再建を脅かす。


王子は仲間たちと顔を見合わせ、深く息を吸った。

「……来るな。皆、準備はいいか」

戦士たちは一斉に武器を握り、盾を構える。ネズミ戦隊、王子部隊、魔女アリシア――全ての戦力が王子の号令に応じる。


ステイシアは王子の隣に立ち、剣を地面に突き立てる。

「私たちがここで守り抜きます」

その言葉に、王子は静かに頷いた。

「ありがとう、ステイシア……君がいてくれて心強い」


戦場の風が巻き上がり、瓦礫と砂埃が舞う。

敵の融合体が振り下ろす巨大な斧や触手、毒の飛沫が飛び交う中、王子とステイシアは息を合わせて敵の攻撃をかわし、反撃を加える。

光と闇が交錯し、時間の感覚が歪む戦場で、王子の心は冷静さを失わない。


ステイシアは敵の背後に回り込み、正確無比な一撃で毒オオスズメバチを討つ。

王子は聖者の石の力を剣に込め、融合体の胸を貫く。

ネズミ戦隊は連携して敵の足元を切り崩し、アリシアの魔法結界は攻撃の範囲を狭める。


戦闘の合間、王子はステイシアの動きを確認する。

剣術の精度、動きの速さ、敵の攻撃への対応――その全てが圧倒的で、王子の心に確かな信頼を芽生えさせる。


やがて、融合体は光に包まれ、爆発とともに消滅する。

戦場に静寂が戻ると、瓦礫の間に倒れた仲間たちはゆっくりと立ち上がり、生還の喜びを分かち合う。

王子とステイシア、仲間たちは深く息をつき、勝利の余韻に浸る。


王子は聖者の石を握り締めながら、仲間たちの顔を見渡した。

「まだ道は長い。しかし、未来を守る力は、ここにある」

ステイシアは王子の横で微笑み、剣を軽く掲げた。

「共に進みましょう、王子様」


瓦礫の街に射す光は、再生と希望を象徴するように優しく舞う。

王子と仲間たちは新たな未来へ、一歩ずつ歩みを進める――聖者の石を手に、再び訪れる戦いに備えながら。


新章 ― 王子とステイシア、夫婦としての誓い


王国再建の喧騒が少しずつ落ち着き、瓦礫の街は再生の兆しを見せ始めた。

その中で、王子とステイシアは互いに剣を置き、初めて静かな時間を共有していた。


「今日は、戦いのことは忘れて……ゆっくりできるな」

王子が微笑むと、ステイシアも穏やかに頷く。

「そうですね、王子様。少しだけ、平和を味わいましょう」


二人は王宮の庭園を歩き、戦場では決して見せることのなかった柔らかい表情を交わす。

銀髪を揺らす風にステイシアの瞳が輝き、王子はその姿に心を奪われる。

過去に共に戦った数々の戦場、仲間を失った痛み、絶望の闇――

全ての記憶が、今この平和な瞬間で慰められるかのようだった。


王子はステイシアの手を取り、軽く握りしめる。

「これからは、君と共に歩む。戦いだけじゃなく、平和の中で」

ステイシアは微笑みながら答える。

「王子様、私も同じ気持ちです。あなたの隣で生きる未来を、ずっと守りたい」


その日、王国の再建作業も順調に進む。兵士や民衆は協力し、瓦礫を片付け、新たな街の基礎を築く。

王子とステイシアは夫婦として、戦士として、人々の希望の象徴となった。

戦いの中で培った信頼と絆は、もはや剣よりも重く、互いを支える確かな力になっていた。


だが、王子はふと空を見上げる。

黒雲の合間に、かすかに光るもの――それはかつての敵の残滓か、新たな脅威か。

「油断はできないな」王子は呟く。

ステイシアはすぐ隣で頷き、剣を軽く握る。

「共に戦います。夫婦として、王国を守りましょう」


夕暮れに染まる庭園で、二人は静かに誓いを新たにする。

戦いの記憶を胸に、未来を築くために歩む道。

王子とステイシア、そして王国の人々――そのすべてが新たな時代の幕開けを告げていた。


新章 ― 王子とステイシアの娘


王国に平和が戻ってから数年。瓦礫の街も新たな城壁と街路を整え、かつての戦場だった場所は緑に覆われ始めていた。王子とステイシアは夫婦として、戦いを乗り越えた日々の安らぎを互いに分かち合っていた。


ある朝、王子が書斎で国家の書類に目を通していると、ステイシアが柔らかな微笑みを浮かべて声をかけた。


「王子様……あなたに会わせたい人がいます」


王子が顔を上げると、ステイシアの後ろには、小さな少女が恥ずかしそうに立っていた。まだ5歳ほどだろうか、銀髪を少し束ね、瞳は母ステイシアと同じく輝きを帯びていた。


「……君は?」王子は自然に手を伸ばし、微笑む。

少女は少し緊張しながらも、王子の手を取った。

「……お父様」


その言葉に王子の胸が熱くなる。目の前にいるのは、自分とステイシアの間に生まれた娘――光輝く未来そのものだった。


ステイシアは静かに説明する。

「この子の名はルミナ。あなたと私の娘です。戦いのない時代に生まれ、希望の象徴となる存在」

王子は膝をついてルミナと目線を合わせ、優しく髪を撫でる。

「ルミナ……これからは、君の笑顔を守るために、父としても戦う」


ルミナは少し照れくさそうに微笑むと、母と父の間で手をつなぎ、三人の輪ができた。

その瞬間、王子の胸に新たな決意が芽生える。戦いの中で失ったもの、取り戻せなかった日々、そして未来に希望をつなぐ責任。全てを背負う覚悟が、自然と心に宿った。


数日後、王子はステイシアとルミナを連れて城下の庭園に出た。

春の柔らかな日差し、花々の香り、鳥のさえずり――戦場では決して味わえなかった日常の幸福が、王子の心を満たす。


ルミナは小さな手で草花を摘み、父に差し出す。

「お父様、これを……」

王子はその花を受け取り、静かに微笑む。

「ありがとう、ルミナ。君の優しさが、父の力になる」


ステイシアもまた、娘を見守りながら王子の手を握る。

「これからは三人で、新しい未来を作るのです」

王子は強く頷き、家族として歩む決意を胸に抱く。


その夜、王子とステイシア、ルミナの三人は城の展望台に立ち、夜空に輝く星々を見上げた。

ルミナは小さな声でつぶやく。

「お父様、お母様……私も強くなりたい」

王子はステイシアと目を合わせ、微笑む。

「そのために、私たちがいる。君の力を信じ、共に歩む」


城下の灯りが静かに輝き、風が三人の髪を優しく揺らす。

戦いを経て生まれた家族の絆――それは王国の未来に確かな光をもたらすものだった。


平和の中で、王子は再び決意する。

戦いだけでなく、守るべき日常、そして愛する者たちとの時間を――

ルミナとステイシアの存在が、王子に新たな力と希望を与える。

ルミナの誕生により、王子とステイシアは家族としての絆を深めた。戦いを生き抜いた経験と、未来への希望が一つとなり、王国には穏やかな日々が戻る。家族として歩む日々こそ、戦士としての強さとは別の、新たな力となるのであった。


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