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異世界転生したら第21王子だったけど、許嫁も侍女も姫も俺に夢中で嫉妬の嵐 モテすぎて部屋に引きこもってます  作者: マーたん


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羅眼の支配者

魔眼の持ち主

第21王子が「本当の妻」と共に歩みはじめた穏やかな日々――

だが、その平穏を破る存在が現れる。


ある夜、王子の夢の中に、深い紅を宿した瞳が浮かび上がった。

それはただの幻影ではない。

羅眼らがん」と呼ばれる、古より禁忌とされた魔眼の力。


目にした者の運命を絡め取り、時間さえもねじ曲げると伝えられるその瞳の持ち主が、現実の王国にも姿を現したのだ。

彼/彼女は言った。


「第21王子よ。お前はまだ夢の檻から抜け出してはいない。

 本当の妻? それもまた幻にすぎぬ」


妻は怯えながらも、王子の手を強く握り返した。

その温もりは確かなものだった。だが、魔眼の力に触れるたび、現実と幻の境目が溶けていく。


――魔眼の持ち主を倒すことで、ようやく真実の現実へと至れるのか。

――それとも、魔眼が映す“別の真実”に導かれるのか。


第21王子はまた新たな選択を迫られる。

「夢か、現か。本当の妻か、それとも魔眼の幻影か――」


夜の城壁に影が伸びる。第21王子と本当の妻の平穏は、深紅の瞳によって揺さぶられる。

その瞳――羅眼は、運命を絡め取り、現実と幻の境界を曖昧にする力を宿していた。


「第21王子よ。お前はまだ夢の檻から抜け出してはいない。本当の妻も、幻に過ぎぬ」


王子は妻の手を握り返す。温もりは確かだ。だが、魔眼の力に触れるたび、現実の輪郭が歪む。

真実と幻、夢と現、愛と運命。すべてが交錯する。


――第21王子は選ぶ。魔眼の力に屈するのか、それとも真の現実を守るのか。


物語はここから、羅眼の支配者との対決へと突入する。


城の夜は、異様な静けさに包まれていた。月光は薄く、瓦礫や城壁の亀裂を淡く照らすだけ。第21王子は本当の妻リリーナの手を握り、深く息をついた。


だがその瞳に映るのは、確かな現実ではなく、赤く光る瞳。羅眼――伝説にのみ存在するとされる魔眼の持ち主が、王子の前に立ちはだかる。


「第21王子よ。お前はまだ夢の檻から抜け出してはいない。本当の妻も幻に過ぎぬ」


王子は言葉を失った。幻か現か、愛する妻か、運命の試練か。赤い瞳が彼の心を揺さぶる。


「俺の前に立つ理由は何だ」王子は震える声で問う。


「力を見せるため――お前に選択を迫るためだ。お前が選ぶのは、幻に生きるか、現に生きるか」


羅眼の力が周囲の空気を歪め、城の壁がゆらめく。床の石がひび割れ、過去の記憶や失われた許嫁たちの幻影が一斉に押し寄せる。王子は剣を握り、呼吸を整える。


リリーナは震えながらも王子の腕に手を回す。

「私の手を離さないで――現実はここにある」


王子はその言葉に力を得る。魔眼が見せる幻覚に惑わされず、意志を一点に集中する。


赤い瞳がゆらぎ、空間がねじれる。王子は深く息を吸い、魔導書の知識を心に描きながら、唯一無二の一撃を放つ。剣は光を帯び、魔眼の力を切り裂くように一直線に飛んだ。


羅眼の支配者は一瞬怯む。王子はその隙に前へ踏み出す。

「幻か現かを決めるのは、俺自身だ」


剣が魔眼に触れた瞬間、空間が破れ、赤い瞳は砕け散る。しかし王子の意識は消えず、幻の波に呑まれることもなかった。


静寂が戻った。瓦礫と光の残骸の中、王子はリリーナの手を握りしめ、深く息をつく。

「現は、俺たちのものだ」


リリーナは微笑み、王子の胸に寄り添う。赤い瞳の残像は消え、城には再び穏やかな風が吹き始めた。

王子は悟った――たとえ魔眼が現れようと、どれだけ幻が現実を揺るがせようと、彼女の手を握っている限り、現実は揺らがないと。


その夜、城に二人の影が長く伸びた。赤い魔眼の脅威は去り、しかし物語は新たな章へと続いていく――真の現実を守る者としての、第21王子の歩みが。


「魔眼の残滓」


羅眼の支配者を倒したものの、城には不穏な空気が残っていた。砕けた赤い瞳の破片は消えたわけではなく、微かな光を放ちながら、王城の魔法陣や魔導書に染み込んでいる。


王子とリリーナは城の図書室でその残滓を調べた。魔導書の知識を総動員し、残留魔力を封印しようと試みる。だが、羅眼の力は時間と空間をねじ曲げ、簡単には消えなかった。


「王子、これは……完全には封じられません」

リリーナが慎重にページをめくりながら言う。魔眼の残滓は、触れるたびに微かに意識を持つかのように揺れる。


王子は深く息をつき、剣を手にした。

「なら、俺たち自身で守るしかない。現実を、そしてリリーナを」


その言葉通り、二人は城の防衛陣や魔法障壁の再構築に取り組む。王子は剣と魔導書の力を融合させ、リリーナは魔法の理論と知識を応用。互いに補い合うことで、徐々に城全体の魔力の安定が戻っていった。


しかし夜になると、赤い光の残滓がひときわ強く光り、影のような形を作り出す。まるで羅眼の幻影が再び現実を試すかのように、二人を睨んでいる。


「恐れるな、リリーナ。俺たちは一緒だ」

王子は彼女の手を握りしめ、冷たい光を正面から見据える。


二人の存在自体が魔眼の残滓を押さえ込む防壁となる。時間をかけ、城の魔力と彼ら自身の絆が絡み合い、少しずつ残滓の力は弱まっていった。


やがて朝が訪れる。赤い光は完全に消え、瓦礫の隙間にわずかに光る粉だけが残った。王子はリリーナとともに窓辺に立ち、深呼吸する。


「これで……少しは安心できる」

「うん、でも油断はできないわね」

リリーナは微笑む。二人は再び城の外の光を見つめ、現実の世界に確かな足を踏み出したことを実感した。


羅眼の残滓は消えていない。しかし、王子とリリーナが共に歩む限り、現実を守る力は揺るがない。


――これが新たな日常への、第一歩であった。

魔眼の持ち主

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