引きこもり生活
嫉妬の嵐に巻き込まれた第21王子
ついに耐え切れず部屋に籠もる決意をする
今回は宮廷内での引きこもり生活と、静かに過ごすための奮闘を描く
扉を閉めた瞬間 俺の世界は静寂に包まれた
侍女たちの慌ただしい声も 許嫁リシェルの怒声も すべて遮断された
「これで少しは落ち着けるか……」
ベッドに座り込むと前世の感覚が蘇る
誰にも邪魔されず 自分だけの時間を過ごす喜び
だけど 王子としての責任を思い出すと 胃の奥がチクリと痛む
部屋に籠もることは楽だが それだけでは問題は解決しない
宮廷では今日も修羅場が進行しているに違いない
侍女たちは俺を取り合い 許嫁は嫉妬に狂い 王族たちは小さな策略を巡らせる
それでも俺は布団の中で目を閉じた
「もう少し このまま隠れていよう」
外からは微かな声が聞こえる
「殿下……お願いです 戻ってきてください」
リシェルだ 彼女は部屋の前で必死に呼びかけている
胸の奥がぎゅっと締め付けられた
このまま逃げてはいけないことは分かっているのに 体は動かない
しばらくすると侍女の一人がドアノブをそっと回した
「殿下……食事の時間です……」
その声だけで汗が吹き出る
俺はただ「う……うん」と小さく返事をして布団に顔を埋めた
どうやら引きこもり生活も長くは続かないらしい
許嫁の直談判
窓の外で微かな足音が止まった
ドアの前からリシェルの声が聞こえる
「殿下……お願いです どうか扉を開けてください」
布団にくるまったまま俺はため息をつく
「いやだ……今は誰にも会いたくない……」
だがドアをノックする力が徐々に強くなる
「殿下……わたくしは殿下のことを誤解していました……!」
声は震え 涙が混じっているのが分かる
こんなに必死になられると 無視できるはずもない
俺は重い腰を上げ ゆっくりとドアの前まで歩く
リシェルの目が真っ赤に腫れていて 心がぎゅっと締め付けられた
「……何だよ こんなに必死に」
「必死に……? わたくしは……殿下のことが……好きだからです」
まさか婚約者にこんなにストレートに告白されるとは思わなかった
しかも嫉妬の嵐の中で 俺を選んでくれたのだ
俺は一歩引きながら言った
「……分かった ちょっとだけなら出てみる」
リシェルの顔に驚きと喜びが混ざる
「……本当にですか?」
俺は肩をすくめ なんとか笑みを返す
「……部屋にずっと籠ってるのも疲れたしな」
ドアが開くと リシェルはそっと手を差し出した
その温もりに 俺はなんだか安心してしまった
外では侍女たちが息をひそめて見守っている
「殿下……戻ってきてくださった」
誰もが胸をなでおろす中 俺は思った
――やっぱり王子って大変だな でも少しだけ面白くなってきたかもしれない
第21王子の引きこもり生活が始まった
しかし嫉妬や宮廷の混乱は 部屋の外で着々と進行している
次回は許嫁リシェルが部屋の前で直接交渉する場面へ
果たして王子は部屋を出るのか 出ないのか




