表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したら第21王子だったけど、許嫁も侍女も姫も俺に夢中で嫉妬の嵐 モテすぎて部屋に引きこもってます  作者: マーたん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/124

異界決戦 ― リィナ・クロニクルIII ―

前回までのリィナは?

第二章 戦端せんたん


 空が裂けたあの日から、世界は確かに何かが変わってしまった。

 リィナが目を覚ましたのは、黒い灰が降りしきる戦場の跡地だった。地平線まで広がる瓦礫の海。焦げた風が吹きすさび、崩れた塔の影に、まだ息のある兵が呻いている。


 彼女の周囲には、仲間だった者たちの痕跡が散らばっていた。焦げた旗。割れた魔導石。折れた剣。そのどれもが、かつて「希望」と呼ばれた軍の象徴だった。

 リィナは胸に手を当て、そこに埋め込まれた「星核セレス・コア」の脈動を感じ取る。それはまるで、世界そのものが彼女の体を通して鼓動しているかのようだった。


「……ここまでか。けれど、まだ終わらせない」


 彼女は立ち上がる。視界の端、黒い裂け目――アビスゲート――の中から、異形の群れが再び現れ始めていた。

 あの空の裂け目は、世界を二つに分けた。人の理と、虚無の理。神々の領域と、人の世界。その境界を無理に繋げようとしたのが、他でもないリィナたち「黎明の継承者ドーン・ベアラー」だった。


 その代償が、これだった。


 地響きと共に、黒い影が地上に降り注ぐ。翼を持つ獣、肉のような触手、意思を持つ炎。いずれもかつての魔獣とは違い、理を食い破って存在する“異界生命”だった。

 リィナは腰のホルスターから蒼い刃を抜く。それは、アリュス――かつての師が鍛えた“聖断剣”だった。


「……師匠、見てて。もう、誰も奪わせない」


 剣を掲げ、リィナは魔力を解き放つ。蒼い光が周囲を包み、空気が震える。

 その光景を遠くの丘から見下ろしていた者がいた。黒衣の男――カイン。かつてリィナの右腕だった男であり、今はアビスの尖兵として、虚界に魂を売った存在。


「また立ち上がるか、リィナ。だが、それはもう人の戦いじゃない。世界そのものが、お前の敵になる」


 カインの瞳は深い闇のように光り、掌には虚界の紋章が刻まれていた。

 その瞬間、地平線の向こうで巨大な塔――虚神兵器〈アトラ・ゲート〉が動き出す。天を突くような黒鉄の柱が、裂けた空へと伸び、次元を繋ぎ直そうとしていた。


「始まったな……“戦端”が」


 風が吹き抜け、灰が舞い上がる。

 リィナはその中で剣を握りしめた。再び空を裂く戦いが始まる――神と人、そして虚界が交錯する、終焉の幕開け。

次回も楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ