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異世界転生したら第21王子だったけど、許嫁も侍女も姫も俺に夢中で嫉妬の嵐 モテすぎて部屋に引きこもってます  作者: マーたん


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黒き太陽の下で ― 神々の黄昏(ラグナロク) ―

前回までの王子は?

風が止んだ。

荒野の果て、空は裂け、黒い太陽が静かに浮かんでいた。

その光は、光ではなかった。世界を照らすどころか、あらゆる影を濃くし、命の色を吸い取っていく。


リィナは焦げついた大地に膝をつき、血のような空を仰いだ。

「……これが、終焉ラストなの……?」

その声は掠れ、誰に届くでもなく消えた。


背後で、仲間たちが倒れていた。

双剣の戦士・アッシュは胸に深い裂傷を負い、まだ微かに息をしている。

賢者のミナは、魔力の暴走を抑えるために己の命を削っていた。

そして、少年神官リュカは両手を祈りの形に固めたまま、冷たい灰の中で動かない。


――それでも、リィナは剣を手放さなかった。


「私は……終わらせない。この世界も、この戦いも、誰かの運命も……!」


荒れ狂う風の中、黒い太陽の中心から、ひとつの“影”が歩み出る。

それは人の形をしていたが、目は虚無のように冷たい。

「やはり、来たか。リィナ・クロニクル」

影が笑った。

「お前の中に眠る“黎明の記憶”こそ、我らが神々を葬る最後の鍵――」


リィナは立ち上がる。

その瞳に宿るのは恐怖ではなく、決意。

「……あなたたちが神を名乗るなら、私は人として抗う」


剣を構えた瞬間、足元の大地が割れ、過去と未来の映像が一気に流れ込んでくる。

幼き日の笑顔、炎に包まれた王都、父が残した言葉――


『リィナ、お前が見る未来は、必ず“誰かの絶望の上”にある。

それでも進め。お前が選ぶなら、それが希望に変わる。』


涙が頬を伝う。

「父さん……私は――」


叫びと共に、リィナは天へと跳んだ。

黒き太陽に斬りつけるその瞬間、時間が止まる。

光と闇、神と人、そして“記憶と存在”が溶け合い、世界は再び書き換えられた。


……


――気づけば、そこは緑に満ちた大地だった。

鳥の声、風の匂い、そして優しい陽光。


リィナは手を見る。

血も、傷もない。だが、胸の奥に確かな痛みがあった。

「……終わった、の?」


誰も答えない。

ただ、遠くの丘の上に一本の白い花が咲いていた。

その花の中心には、小さな光が脈打っている。


リィナは微笑み、剣を置いた。

「ありがとう、みんな。私は――生きる」


そして、再び歩き出した。

この世界の“始まり”を見届けるために。

『黒き太陽の下で ― 神々の黄昏 ―』

――この章は、リィナの“最初の終焉”であり、次なる世界の“始まり”です。


彼女が見たのは絶望の果てではなく、光を失った先にある「再生」。

神と人、記憶と存在、その境界が曖昧になる中で、

「生きる」という選択だけが確かな祈りとして残ります。

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