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突然の求婚

長らくお待たせしてしまい、すみません!

「待ってくれ」


 少し低いけれど、良く通る美しい声。魅力的な響きと、どこか感じられる圧にあらがえず、わたしは立ち止まってしまった。


「ベルート王太子殿下。()()()、婚約破棄なさるのですね?」


 振り返ると、そこにはこの王国の騎士団を纏める騎士団長である、セドリック・シューティエがいた。紺色の髪に銀色の瞳を持つ、シューティエ公爵家の次男だ。


 滅多に笑わない男としても有名だし、王国一を争う美貌でも有名だ。


 騎士にしては、細い身体をしており、どこか洗練された空気を醸し出している。


 ベルートは、少しびくりと震えながらも、「そうだ」とはっきりと答えた。


「そうですか。では、ヴィシェロエ公爵令嬢」


 唐突に名前を呼ばれたわたしは、驚きつつも、落ち着いて返答する。


「はい。何でしょうか、シューティエ騎士団長様」


 そう返すと、彼は頬をほころばせた。滅多に笑わない男として有名だったはずなのに、と貴婦人方がざわめき始める。


「名前をご存知でいてくださったんですね」


「もちろんですわ。あなた様は有名でいらっしゃいますから」


「そうでしたか・・・。嬉しい限りです。改めて、ヴィシェロエ公爵令嬢。私、セドリック・シューティエは貴女様に婚約の申し込みをさせていただきたく存じます。一生、貴女を愛すると誓います」


 突然の愛の告白に、流石のわたしも頭が真っ白になった。


 周りの観衆も息をのんでいる。わたしは、唇をなんとか動かすと、答えを口にした。


「分かりました。わたくしは、まだあなたのことを殆ど(ほとんど)知りません。それでも、良いのならば、喜んでお受け致します」


 彼の気持ちが嬉しかった。一生愛してくれるという確証はない。けれど、彼の夜空に輝く星のような瞳を見て、受けようという気持ちが一瞬にして湧き出てきたのだ。


 彼は、目を丸くすると、ふわっと笑って——————。


「嬉しいです、ありがとうございます」


 と喜びを表してくれたのだった。

皆さま、いつもありがとうございます!

本当に、お久しぶりの投稿になってしまい、申し訳ありません・・・!

これからも、不定期ではありますものの、投稿はしていきますのでよろしくお願いします!!!!

ᕦ(ò_óˇ)ᕤ


ちなみに、このお話は短編版も投稿しております!

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