好きな女性ができたんだ
読んでいただき、ありがとうございます!!
「あなたとの婚約を破棄させていただく。クラリス・ファルーネ・ヴィシェロエ公爵令嬢」
一瞬、消えた音。そして、徐々に戻ってきた聴覚に入ってきたのは大きなざわめきだった。
わたしは、笑みを崩すことなく、ベルートに尋ね返した。
「一体、どういうことでございましょうか?詳しいことをご説明していただきたく存じますわ。ああ、けれど、ここでは少し都合が悪いでしょうから、悪いのですけれど、お部屋を貸していただけません・・・」
か?と言おうとしたのを、ベルートが即座に遮った。
「その必要はない」
「—————さようでございますか。では、お話しくださいますのね?」
にっこりと笑ってみせる。決して、屈しはしませんわということを意思表示するように。
ベルートはぐっと唇を噛み締めると、覚悟を決めたようにわたしの方を見つめた。わたしも、見つめ返す。どうぞ、話して?と言う風に。
「好きな女性が、できたんだ」
「なるほど。それは、ローズマリーでしょうか?」
即座に切り返すと、ベルートは流石に驚いたようだった。
「何故、分かる?」
「あら。長年連れ添ってきた婚約者様と我が妹のことですもの。分かりますわ」
嫣然と微笑むと、わたしはローズマリーに目をやった。すると、ローズマリーはううっ、ふうっ、と泣き始めた。大きな瞳は潤み始め、ぎゅっとベルートの腕を掴む。
「ゆ、許してくださいますか?お姉様。わたくし、もうこの気持ちを抑えられませんでしたの・・・。ベル様は悪くはありませんわ!わたくしが悪いのです」
妹の泣きながらの弁解に、わたしもショックで泣きそうになるのをこらえ、笑顔をつくり直した。
少し、声が震えてしまっていたかもしれない。
「そうですのね。殿下。今まで、お支え致していた分、きっと妹はしっかりとやり切ってくれるでしょう。ローズマリー。お幸せにね。クラリス・ファルーネ・ヴィシェロエは、婚約破棄を承りますわ」
そう言って、きちっとカーテシーで締めくくる。
それから、振り返らずにわたしは会場を後にしようとした。
そのときだった。
「待ってくれ」
待ってくれ。
どんな声か想像してみてください。
とっても、イケボ。。。←(待って、これ古かったりしますか??!!)
と言う感じに想像して読んでくださると嬉しいです!!
そして、今日!とっても投稿を重ねました、「完璧な『社交界の白梅』は、完璧な王弟殿下と婚約を結びました〜こんなにドキドキするなんて聞いてません〜」も、ぜひ読んでくださるととっても嬉しいです!




