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お茶会

短いです〜。

久しぶりに、クラリスが『社交界の薔薇』をやっているのを見たくなったので、書きました笑


いつも、ありがとうございます!!!!

「ごきげんよう、クラリス様。本日は、お越しくださいましてありがとう存じます。どうぞ、お入りになってくださいませ」


 そういって、ほんのりと笑みを浮かべ、わたしを中へ誘うのはイザベラ・サロティエ伯爵令嬢だ。


 わたしは、社交界の薔薇にふさわしい佇まい、表情を浮かべていた。


「わたくしこそ、お招きいただき、嬉しいですわ。ありがとう存じます。こちら、少しですけれどよろしければどうぞ」


 そういったわたしの後ろから、一歩前に出て、品物を差し出したのはアレンだ。すっと一礼し、ゆるりとした笑みで品物を手渡している。


「ま、あ・・・!これって、あのプリティラの・・・!?」


 プリティラとは、有名な菓子の店だ。開店してから一時間とかからずに売れきってしまうため、一日に二回も開店することで有名でもある。


「しかも、こんなに・・・!?」


「実は、プリティラはわたくし管轄のお店ですの。今日は少し我がままをいって、つくっていただきましたのよ。あ、このことは内緒でしてよ?」


 うふっ、と余裕たっぷりに笑ってみせると、彼女は目を見開きったまま、こくこくと壊れた人形のように頷いた。


 とはいえ、お喋りな彼女のことだ、どうせいってしまうだろう。これも、計算内だ。


 それから、はっとした彼女に導かれるままにアレンとともに中へ入っていく。


「皆さま。クラリス様がきてくださいましたわ」


 イザベラは、すぐに声をかける。既に集まっていたらしい数人がこちらを振り向き、一斉に愛想笑いで迎え入れてくれた。


「まあ、ヴィシェロエ公爵令嬢。ご無沙汰致しておりまして、申し訳ございませんわ。ぜひお会いしたかったのですけれど、どうしても忙しくって時間がとれませんでしたの」


 おっとりとそう、口火を切ったのは、根っから優しく素直で可愛らしいリリエラ・シャリル子爵令嬢だ。ふんわりと柔らかい空気を纏う彼女は、社交界でも人気で、常に回りに人がいるような女性だ。魅力が有り余っている。


「まあ、気になさらないでくださいませ。わたくしも、本日お会いできて嬉しいわ」


 にっこり、といつものスマイルを振りまくと、二人目に口を開いた令嬢がいた。


「わたくしは先日、リーティッシュ伯爵夫人のお茶会でお会いしましたわね。覚えていらっしゃいますかしら?」


 こちらは、穏やかな物腰で、品の良いヴィルマ・ナターリエ伯爵令嬢。このかたも、どこか周りを魅了する不思議な魅力がある。もちろん、良い意味で。


「ええ、もちろん覚えておりますわ。ヴィルマ様、またお会いできて嬉しいですわ」


 こちらにも、にっこりと笑顔を贈っておく。それから、数人の方が話しかけてくれて、それに返したとき、イザベラが席について、お茶会が始まった。


「そういえば、王太子殿下、最近ローズマリー様に振られたそうですわよ!」


 あるご令嬢の噂話に、わたしは内心驚いていた。ローズマリーはもう別れたのだろうか?


 最近は、邸内でもあまり会わないため、てっきり上手くやっていると思っていた。


 周りのご令嬢がわたしを窺っているのが痛いほど分かる。視線が突き刺さるようだ。ふうっ、とため息をつきたいのをこらえて、にっこりと笑いながら、優雅に紅茶をいただく。


「けれど、王太子殿下と結婚なさらなくって正解でしてよ、クラリス様。わたくし達、端から見て思っていたのですけど、王太子殿下ってそれほど頭がよろしいわけでもないし、クラリス様とまるで釣り合っていらっしゃらなかったんですもの。王太子殿下にはもったいないですわ」


「わたくしも、思っていましたわ」


「わたくしもよ」


 皆から、意外な気持ちが白状される。わたしは、そっと目を伏せつつ、皆に忠告した。


「あんまり、そういったことを聞くのは好きではありませんの。わたくしと殿下はもう既に関係は切れておりますし、あまり話はしたくないのですわ」


「あ・・・そうですわよね。申し訳ございません」


 最初に話題を提供した令嬢と、王太子をこき下ろした令嬢が縮こまる。わたしは、慈悲の笑顔を作り上げた。


「気になさらないで。ただ、殿下のことは、わたくしが許すことではありませんけれど・・・」


 やんわりと話を終わらせつつ、笑ってみせた。イザベラが、少し慌てた様子で別の話題を持ち出してくる。


「そういえば、ご存知かしら。第一王女殿下が隣国へ留学にいかれるそうですわ。何でも、幼い頃よりの夢だとか」


 その話は、わたしの耳にも届いている。というよりも、本人から打ち明けられた。


 第一王女、ロゼリッタはわたしたち姉妹の幼なじみである。わたしより二歳年下だが、とても聡明で賢くていらっしゃる。無類の本好きだからだろうか。


「あら、そういえば、ヴィシェロエ公爵令嬢は第一王女殿下と旧知の仲でいらっしゃいますわよね?」

 一人の令嬢に水を向けられ、わたしはええ、と頷いた。


「殿下はとっても賢くていらっしゃいますものね。この間も、学院で一番をおとりになっていましたわ。妹から聞きましたの」


「本当に、優秀でいらっしゃいますわ」


 深く同感しながら、しみじみと呟く。何だか、幼い頃のあどけない彼女の姿が急に思い出された。


「それにしても、殿下は本当にすごいおかたですわ。だって、隣国へいかれて、隣国の学院に通われるそうよ」


「本当よね。外国語を四カ国語も習得してしまわれたとわたくしは聞きましたもの。通訳はいりません、ときっぱり断られたそうだし」


 いつもの微笑をたたえながらも、会話を聞いていると、いつの間にか話題は移ろっていき、次第にお茶会終了の時間となった。


「本日はとても楽しいお時間を、皆さま、どうもありがとう存じました。こちら、本日お出ししたお茶菓子ですわ。よろしければどうぞ」


 順番に手渡され、その場は解散となった。

如何でしたでしょうか、『社交界の薔薇』バージョンのクラリスは??

私は、書きながら少し新鮮な気持ちでした。皆さまにも、「おっ、懐かしい」などと思ってくださると嬉しいです笑

それらを感想、評価、ブックマークなどに表現してくださると、さらにかなり嬉しいです!

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