ショコラケーキ
いつも、ありがとうございます!!
短めです。
「こちら、ショコラケーキとなります」
そう言われると同時に、机にコトリと置かれるそれは周りが全てチョコレートで固められており、切り分けられた中も全てがチョコレート色だった。
わああっ!と歓声を上げたいのはやまやまだが、ここは外。そして、目の前には麗しい騎士団長様。はしゃいではいけないわ、と自分に強く言い聞かせ、控えめに微笑んだ。
「素敵。とっても、美しいわ。シェフの方にはそうお伝えしてくださる?」
そういって、わたしが微笑むと、持ってきてくれた女性店員は何故か頬を染めながらも、はい!と嬉しそうに返事をしてくれた。ありがとう、と心を込めて礼を伝えて、下がってもらう。
お次は、目の前のセドリックだ。わたしのことを、ニコニコとパーフェクトな笑みで見つめている。その前には、紅茶とスコーンにジャムとクリーム。綺麗に彩られたショコラケーキの美しさも相当なものだけれど、スコーンも、ゆっくりと湯気が立ち上り、とても美味しそうだ。
きっと一口食べると、もったりとした程よい生地の柔らかさと外側のぱりぱりとした、硬さが口の中でほろりと崩れ始め、小麦の香りが幸せな気分にしてくれるだろうな。わたしは、うっとりとそんなことを考えながらも、フォークを手に取り、ケーキをいただくことにする。
「いただきます」
そういって、一口。すぐに、チョコレートの甘い香りと味がわたしを陥落させていく。もう既に気持ちはチョコレートにとられてしまったわたしは、すぐに二口三口とケーキを食べ進めていった。
少し残した状態で、紅茶をいただき、あっさりとした味でお口直しをする。ほっ、と一息つくだけで幸せな気分に満たされていく。わたしの気持ちは、幸福さで満ち足りていた。
「ははっ、本当に美味しそうに食べてくださいますね」
その声で、はっと我に返った。目の前のセドリックを仰ぎ見る。
すっかり忘れていた。完全に意識の外側に押しやってしまっていた。
「———ふふ、とっても美味しいんですもの。シューティエ様も、スコーンをお召し上がりになったら如何ですか?あったかいスコーンは、冷めないうちに食べないとなりませんわよ」
にっこりと笑って促す。セドリックは、またもや可笑しそうにくつくつ、と笑うとスコーンに手を伸ばした。
そして、二人ともケーキとスコーンをいただく。
食べ終わった頃には、二人ともすっかりお腹がふくれていた。
「まあ、ふふっ・・・。子どもみたいですわね、わたくしたち」
「本当ですね。欲張ってすべてを食べてしまって・・・。けれど、美味しかったから仕方ありませんよ」
セドリックの言い草がどうしても可笑しくて、わたしはふふっと笑ってしまった。
「・・・名残惜しいですが、そろそろ時間ですね。帰りましょう」
そういって、セドリックが立ち上がる。わたしは、はいと頷くと、同じように立ち上がった。
「あの、このお店はわたくしが全てお支払い致します。いえ、出させてくださいませ。今日のお礼ですわ」
流石に、申し出をさせてもらうとセドリックは微笑んだまま首を振った。
「いいえ、ここは出しますから。気にしないでください」
「ですけれど、お茶を提案致したのはわたくしの方ですし」
「そう仰るなら、私が貴女を引っ張りだしたのですから」
「そんな、わたくしも楽しんだんですもの」
「私も、お茶するのを楽しみましたよ」
セドリックにそこまで食い下がられては、もう言うことはない。わたしは、申し訳なくなりながらも、頭を静かに下げた。
「では、お願い致します。あ、けれど、せめて自分の分は出します。これは常識ですから」
わたしの一歩も引かない、という意思を汲み取ったのかセドリックは苦笑しながら頷いてくれた。良かった、とほっとした束の間、にやりと悪戯っぽい笑顔。
「では、次もお付き合いしてくださいますか?それを飲んでくださるのなら、出していただきましょう。実はもう、二人分お金は払ってしまっていますからね」
なっ・・・!と声を上げそうになったのはどうにかこらえたが、目は見開いてしまう。まさか、もう払っていたとは。
「それは、別に構わないのですけれど、そんなことでよろしいのですか?」
「それが、私にとって最大のご褒美ですから」
にやり、と笑いながら言われればそうですか、と引き下がるしかない。わたしは、曖昧な笑顔を浮かべつつも、どこか喜んでいる自分がいるのに気づいていた。
ショコラケーキ・・・!美味しそう、食べたいな〜という気持ちで書きました笑
これ、夜に書いたので、そのときに食べたら確実にふと・・・いえ、そういうのは言わないのがお約束ですよね!笑
皆さまも、ほどほどに楽しみつつ、健康には気をつけてくださいませ。
9/7 修正致しました。。。
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