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ライラック  作者: さだ 藤
おまけ
26/27

兄弟 side高野


「利久は一人っ子だろ」

「……あたり。何か友達友達に言われんだけど、その言葉」


 不意に思って向けた問いかけに、まるで不名誉だと言わんばかりな顔して返す利久。


「まあなぁ」


 そこで留めて、分かりやすすぎるからと抱いた言葉は口にしないまでも。流石に言われ慣れていると自分から口にしてくれて、


「分かりやすいって後述付きで」


 本人の言葉に思わず吹き出してしまう。


 だよな、皆分るよな。

 話した事も、会った事もない利久の友達を一気に身近に感じてしまった。


「ちなみに、達哉はどうだと思う?」

「たっちゃん?」


 利久からの問題に、名前を口にすると出された本人が振り返る。


「何々? 僕の話?」

「達哉の家族構成、どうだと思うって問題出した」

「あー、利久が分かりやすいから」

「言ってろ」


 すぐにじゃれ合い始める幼馴染コンビを横に考えてみる。


「そうだな、すぐ下に弟居る感じか?」

「ぶっぶー」

「残念」

「よくその間違いされんだよな」


 自分の事でもないのにどこか自慢げに、それもいつもの流れと利久は笑うけれど。

 含み笑いでどこかにやにやしているたっちゃんの顔を見て。


 あぁ、成程。

 いつも利久の面倒みてるからそういわれるのかと、理解する。


 そしてそれは、利久には皆言わないのな、と。

 先人たちに倣って口を閉じておき、一応答えをもらおうか。


「それで? 正解は?」

「意外にも、一人っ子です」


 賢明な俺は意外にもというたっちゃんの罠めいた言葉に、笑いそうになるものの耐えて。


「達哉は頼れるから!」


 合ってるようで、若干外れた理由で納得する利久をそのままに、その言葉に納得して頷いた。

 隆志とまた違った方向で、頼れる男であるのは間違いがないから。


「いやー、照れますねぇ」


 珍しく頬を染めるたっちゃんに、否定はない。



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