兄弟 side高野
「利久は一人っ子だろ」
「……あたり。何か友達友達に言われんだけど、その言葉」
不意に思って向けた問いかけに、まるで不名誉だと言わんばかりな顔して返す利久。
「まあなぁ」
そこで留めて、分かりやすすぎるからと抱いた言葉は口にしないまでも。流石に言われ慣れていると自分から口にしてくれて、
「分かりやすいって後述付きで」
本人の言葉に思わず吹き出してしまう。
だよな、皆分るよな。
話した事も、会った事もない利久の友達を一気に身近に感じてしまった。
「ちなみに、達哉はどうだと思う?」
「たっちゃん?」
利久からの問題に、名前を口にすると出された本人が振り返る。
「何々? 僕の話?」
「達哉の家族構成、どうだと思うって問題出した」
「あー、利久が分かりやすいから」
「言ってろ」
すぐにじゃれ合い始める幼馴染コンビを横に考えてみる。
「そうだな、すぐ下に弟居る感じか?」
「ぶっぶー」
「残念」
「よくその間違いされんだよな」
自分の事でもないのにどこか自慢げに、それもいつもの流れと利久は笑うけれど。
含み笑いでどこかにやにやしているたっちゃんの顔を見て。
あぁ、成程。
いつも利久の面倒みてるからそういわれるのかと、理解する。
そしてそれは、利久には皆言わないのな、と。
先人たちに倣って口を閉じておき、一応答えをもらおうか。
「それで? 正解は?」
「意外にも、一人っ子です」
賢明な俺は意外にもというたっちゃんの罠めいた言葉に、笑いそうになるものの耐えて。
「達哉は頼れるから!」
合ってるようで、若干外れた理由で納得する利久をそのままに、その言葉に納得して頷いた。
隆志とまた違った方向で、頼れる男であるのは間違いがないから。
「いやー、照れますねぇ」
珍しく頬を染めるたっちゃんに、否定はない。




