ちなみに、4
「プレッシャー?」
達哉は予想に反して、いや、笑うには笑った。
でもそれは嫌な笑いではなくて。安堵とか、良かったとか、嬉しそうにどこかほっとしたように笑ってくれた。
「まぁ、そっか。周りを見ずに突っ走るけど、ある程度行ったら急に止まっちゃうのは利久らしいね」
「何だよ、ソレ」
「そっか、そっか。考えればそうだよね」
言葉だけだとなんて理解不明な達哉から見た俺の気質。
若干ぶすくれる俺に対して、うんうんと、心底納得と頷く達哉。
「利久って、変なことにも興味持つのは得意なのに、何だかんだ人の目気にしぃだもんね」
「お前らが気にしなさすぎ」
「えぇ? それって友達作りに対してでしょう?」
そんな事に躊躇い必要ないでしょうが。
あっけらかんと、話しかけない意味がないと容易く口にする達哉に、思わず口はポカンと開く。
そんな事って……。
人に話しかけるハードルの差は、人にダメージすら与えてくるのか。
ショックすら感じる俺を残して、達哉はどこまでも俺の性格を深堀して一人で完結していった。
「改めて考えればプレッシャー感じるタイプだもんなー」
「そうだよね、そうだよなぁ」
「思い返したら誰より早くけん玉とか出来たのに、大会出るかってなったら出来なくなってすぐ辞めてたし」
「縦割り班のカルタ大会だってそこそこ覚えられてた筈なのに、開始の勢いはどこへやら途中から失速して取れなくなるし」
「何かしてから、後々色々考えちゃうんだもんねぇ」
「そっかぁ……そうだよなぁ」
「考えればそっかぁ……」
一人過去を振り返りつつ、俺にとっても懐かしいやら改めて聞くと恥ずかしいやらな言葉を並べていた達哉は、一しきり言葉を吐き出せたのか小さな呟きを残して黙り。
ようやく止まったかと思った直後、
「あー、悔しい!!」
珍しく大きな声で、叫んだ。
「翔に先を越されたぁ!」
幼馴染としてのプライドでもあるのか、滅多に見ない達哉の嘆き。
「いやでも、ほっとかれたのはありがたかったし」
何故か俺が慰め側に回る事になっても仕方ない。
俺のフォローめいた言葉に、達哉はまぁね、そりゃあ。と頷きつつ、それでもぶつぶつと零していくけれど。
「でも対処法としては合ってたんだ」
「そっかそっか」
その内それも自己完結していって、やがていつもの調子を取り戻す。
「結局僕の方が利久を分かってたって事で!」
「どうでもよ」
晴れやかに、どこか宣言めいた達哉の言葉に心底そう思った。




