スキル(3)
ーーーミズリ村、臨時の騎士団詰め所
燃え残った建物の一つが騎士団本部として使われており
その中にヨルは緊張した面持ちで座っていた。
「さて、話を戻そうか。あの時君がオークの
棍棒を止めれた件だが、、、」
テーブルの向こうで腕を組んでいたリヴァイ
不思議そうな様子で話を始めた。
その隣にはサクラが座っていて
頷きながらニコニコしている。
「ねぇ、ヨル。あれは多分スキルの力だよ。
気づかないうちに使ってたんじゃない?」
「、、、スキルなんて、僕にあるんですか?」
ヨルが問い返すと、リヴァイが顎に手を当てて頷いた。
「スキルは生まれつき持っている者もいれば
何かのきっかけで発現する者もいる。
“発現の自覚“が遅れるのはよくある話だ。」
「、、、でも、僕はそんな特別な人間じゃ、、、」
「よし確かめてみよう。」
リヴァイが近くの騎士になにか耳打ちをすると
その騎士が奥から深緑のローブを羽織った静かな目をした女性を連れてきた
「彼女はリリア・ミード。私たちの隊の<魔術師>だ。」
「、、、始めまして。いきなりだけど
少しの間、手を取ってもらえる?」
リリアは柔らかく微笑み、ヨルの前に膝をつく。
差し出されたてを恐る恐る握ると
眩しい光がヨルを包み込んだ。
「ーーースキル、発現済み。確認します、、、」
光がだんだん弱くなり
やがて消えた時リリアの口から
スキル名が告げられた。
「“ちっぽけな英雄“。、、、そう出ました。」
ご意見、ご感想お待ちしております。