4/37
白い花
忘れてしまいたい
忘れたくないこの季節
白い花の夢
忘れられないあなた
首を振り立ち去ろうとするが
呪縛され
足は止まりそのまま動けない
誘われるままに香りの方向へ目を向けると
思い起こしたままの美しい白い花
その花から漂う芳香
甘やかに空を漂い
この穴の空いた心を強く惹いて
白い花びらは風に揺れる
あの時と同じように
あの時とは違う今も──
あなたが好きだと言っていた花
風にあなたの面影が揺れて
未だなお囚われた心は
あなたを見つめ続ける他なくて
ふわりと風が吹く
撫でるように優しく
残酷なほどの甘やかな
もう手の届くことのないあなたが
そこに香っていた
読んでいただきありがとうございます。




