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桜
風が吹く
ひらひらと桜はその薄紅の花びらを散らす
私は立ち止まり
桜の樹の下にいる
満開を過ぎて散りゆく桜の姿
風に舞い泣くように散る花びらを見つめて
その行き先に目を向けて
舞いの儚さに募る想い
突然強い風が吹く
花びらを巻き上げて視界は薄紅が強く舞う
やめてと声にならないまま
唇が動く
私は思う
桜は何を考えているのだろう
咲いた花が散るのをどう思うのだろう
私は咲いた花を留めておきたくて
風よ強く吹かないで
雨よ強く降らないで
思っても仕方のないことを
空に向かって願いながら思っているのに
潔く散る桜の花
花はそれでいいのだろうか
散らないでもう少しだけもう少しだけ
このままで願ってみても
花は散っていくのに




