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聞こえない
新緑の季節
輝く陽の光
風が緑を揺らす
光と影が交差する
明と暗に
記憶を揺さぶるように
こもれびに散りばめられたあなたの記憶
記憶の中だけのあなたは
笑っていて
よく笑う人だったから笑ってばかりで
だから一緒に笑っていたいのに
涙がこぼれた
風が緑を揺らす
こもれびの下で光は揺れながら
あなたも光に揺れながら
笑うあなたのかけらたちに手を伸ばす
掴めるはずもないのに
光がさえぎられ影になる
何故いないの?
どうしてそばにいてくれないの?
もう流す涙を拭う人はいなくて
ただ風が騒めきながら葉を揺らす
そこにあなたの声は聞こえない




