32/37
青い光
夜の闇の中
あなたとの想い出の場所のひとつ
仄かな光を浮かべるように
想い出を灯しながら
やってきた
手には貰い物の懐中電灯
足元を照らし
あの時教えてもらったように
小石を見つけては
ポケットにつめこむ
ひとりで夜の海を歩きながら
思い出すのはあなたのこと
潮騒の音
潮は騒ぐけれど
あなたの声は当たり前に聞こえない──
溜息をついて海をみれば
暗い波が強くうねり
そこに淡く青い光が生まれて消える
光ったねと笑い合ったあの時が
闇に浮かんで消える
ポケットの中から取り出し握りしめた石
あの時ふたりで投げたように
今はひとりで海に向かって石を投げる
途端強い青い光が生まれて消える
あの時見た光と同じ青の光
あなたが教えてくれた
石を投げるともっと光るよ
これは夜光虫だよと指をさして笑ってくれた
石を投げる
光る青の軌跡
石を投げる
光る青
想い出の中のあなたが笑う
もっと笑って
もっともっと……
何度も何度も石を投げる
広がり光る青の軌跡
ひとりでも見たかった青い光
ふたりでみたかった青い光




