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心世界  作者: rin極
第一章 子供編
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第4話 「経典」


「どうした?」

「いや、なんでも無い」


「もう寝ようぜ」


俺達は、会話を楽しんだ後、寝ることにした。


毛布に包まり、今日見る夢の内容を決める。


よし、決めた。

今日は、みんなで美味しいご飯を食べる夢。

俺はそんな事を考えながら、まぶたを閉じた。



--



「おい、起きろ!」


なんだ、息が出来ないぐらい眠たい。

俺は、今 ……夢を見てた。


途切れた温もり、映らない微笑み。

悲しい… 昨日より記憶が遠く。

もう、この手で…アイツらには触れられない。


するすると、すり抜けていく。

消える… 忘れたくないこの記憶。


「おい、せっかくのスパゲッティが冷めちまうぞ・・!!」


何だよ。今すごく眠たい。


「おい、少年!早く目を覚ませ!!」


は、これは夢じゃない。


俺は起きた。


「どういうことだ・・・説明しろ」


「いいか、少年!」

「逃げるんだ・・・!」

「俺達は、後で追いつく・・・」


俺は、次第に周りの景色がはっきりしてきて、現実を疑った。

俺の目に写った光景に、すぐには理解できなかった。


「お、おい、誰だよ。コイツら、なんでステファが戦ってんだ」

「いいから、早く逃げろ」

「なあ、そこに転がってる人・・・」


俺がそう言うとセレヌンティウスは険しい顔をして、下を向いた。

俺に目を合わせない。


「なあ!あそこに転がってる奴誰だよ!」

「・・・・」

「何か言えよ!」


すると、セレヌンティウス辛そうな顔をして、答えた。


「ザーフィールとテュポンだ・・・」


は?どういことだよ。


何で…。

何で何で何で何で……。


「ふ、二人は 今どんな状態だ…」


そしたら、セレヌンティウスは歯ぎしりを立てた。


「死んだよ……」


俺はその時、理解した。

今が、どんな状況なのかを。


ローブをかぶった人影が、俺達の方に襲ってきた。


「クッ!クソッ」

「いいか!よく聞け!このまま真っ直ぐ商店街に行け!全力で走れ!」


「お前は、俺に、逃げろって言うのか」

「そうだ」

「俺は、足手まといなのか?」

「ああ、そうだ」


「無理だ。仲間を置いて逃げるなんて、俺には出来ねえ」


ステファが喋った。


「よく聞けおめえら!!!!」

「なぜ俺がすぐ怒るのか、それは、弱い自分を隠すためだ!!」

「お前らが幸せならあ、もう何も要らねえ」

「俺は!何よりも、お前らが大事だ!!!!」

「俺はお前らに全てを捧げる・・・!!」

「お前らは俺の終わりであり!!始まりでもある!!」

「もし!俺が負けても、お前らが勝ってくれ」

「お前らの全て・・・俺に託せ・・・!!」

「人生は、たった一つのチャンスだ・・・」


俺は走りだした。

ここから逃げる為。


「それでいいんだ… 少年」


今はまだ、終わりにしないでくれよ。

成す術もない哀れな俺を笑ってくれよ。

明日のことなんて、そう…。

分かっているのは、もうすぐ今日が終わるってことだけだ。


まだ、脳にこびりついてる。

あの時の絶望を。

俺が、俺だったあの頃まで。

もう、夢の続きには戻れない。


ただ、先へ進め・・・!!


俺は走り続けた。


この半年間、俺は、彼らの役にたてなかった。

だからせめて、アイツらが作ってくれた逃げ道を無駄にはせず。

セレヌンティウスの指示に従う。


俺は、商店街の方に走った。

たぶん、あの人殺し集団が追いかけているはずだ。

もっと、もっと速く。

全力を出し切れ!

俺は、何があっても生き残る。

あの時にした約束を、俺はまだ果たしていないんだ。



--



突然、ローブを着た人が目の前に現れた。


な、なぜだ。

早い、早すぎる。


「何で俺の目の前に現れた?」


すると、ローブ姿のおっさんが喋った。


「最初は遊びのつもりだったが、ムードが変わったんだよ。いや~実に愉快だ」


何だコイツ…。


俺は、勝つまでやるつもりだ。


「甘く見るな」

「おいおい、伊勢がいいなあ、僕ちんが勝つさ」


くそ、なめやがって。


「お前、落ち着いてるフリしてるけど。内心ではすげービビってんだろ」

「へえーそれ僕ちんのことかなあ?」

「お前、坊っちゃんだろ」

「な、ななな何で分かった?殺してやるううううううううううううううう!!!」

「僕ちんに喧嘩売った事、必ず後悔させてやるうううう!!!!!」


「・・・・・・・」

「・・・・・」

「・・・」


「あ、あれ?あのクソガキは?」


俺は、あのおっさんがブチ切れている間に逃げた。

おそらくすぐ追いつかれるだろう。

俺はあの時決めただろ。

もう諦めないって。

自分の名も無き物語を必ずこの手で掴むんだろ?


走れ!走るんだ!負けるな!

己に刻め!俺は強いと

絶対に負けないって事を!!


あれからだいぶ走った。

商店街に入り、人混みにまぎる。

もうすぐ朝だ。

夜明けが近い。

夜が開けた頃に、俺が生きていれば。

俺達の勝ちになる。


ふう、落ち着け。

これだけ人が居たら、流石に見つけるのは難しいはずだ。

もし見つかったとしても。

こんなに大勢の人がいる中で、派手な事はできないはずだ。


俺は気楽に歩いていると。


 グサッ


     

痛い。     

何だ。   

何が起こった。


もしかして… 刺された?     

おい、嘘だろ


そうだ、俺が生き残ったところで。

ザフィルとチュポンは帰って来ないんだ。


どうしてこうなった。

何がいけなかった。


俺はそこで気付いた。


ああ、そろそろ自分で何をしたかしっかり理解すべきだったな。

十戒の、三番目、神は頼るものではなく敬うもの。


俺は、何をした。


祈った。神様に。

いつだってこうだ。

俺は、神に祈る度。

必ず不幸が舞い降りる。


俺のせいだ。

俺が、神に祈らなければ、仲間が死ななかった。


アイツらに話したい事、沢山あるんだけどな。

アイツらは、たぶん、いや、きっと。

アイツらこそ・・・俺を救ってくれた。


ヒーローなんだ。


今回で、よーく理解した。

俺は、


憧れたヒーローにはなれやしないんだ。



--



目が覚めた。

ここは、何処だ。

俺は、独り 暗闇の中に居た。

な、なんだ。

気持ち悪い。

息が出来ない。


暗闇の中から、人影が見えてきた。

近づいてくる。


「だ、誰だ、お前」


なんだ、この恐怖。

空気が淀んでいる。

だが、この奇妙うな空間が、美しいと感じた。


「私は、神だ」

「え・・・」


俺はその日、神と出会った。


「お前が、神か、お前が、俺の仲間を殺したのか?」

「それは そなたのした行いが 全て、この結果に繋がった」

「じゃあ、俺が この世界に来た理由は?」

「さあ、神隠し、とでも言っておこう」

 

何で、何で……。


「何で俺なんだよ」

「さあな」


「お前にチャンスをやろう」

「再び走りだす機会を」

「次はないぞ?」


はっ。

も、戻ってる。


俺は、気づいたら商店街にいた。

俺は慌てて自分の腹を見る。


 傷が、無くなっていた。



I'm got

私は神だ

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