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心世界  作者: rin極
第一章 子供編
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第2話 「新生活」



いつだろうか。


俺が…いや、俺たちが…。


神様に嫌われたのは。


それに気づいたのはついさっきだったかな。

あるいはもっと昔。


って、何で俺が神様に嫌われてるって、そんなこと分かる訳ないだろ。


きっと、気のせいだ。これは…。


 さて、現実を見ますか。


この・・・死の世界よりマイノリティーな現状を。

それと、俺の横にいる化け物は………。     

少し、勇気を振り絞って首を横に動かした。

そこに居たのはーー。


「う、うあああああ!」


化け物だった。


な、何だ、何なんだ、コイツは・・・!!

しまった …思わず叫んでしまった。

い、いや、気絶してないだけでも褒めてくれよ。


俺は走り出した。

この化け物からできるだけ遠くの方に。


取り敢えず路地裏の方に逃げ込んだ。

人目がないことを確認し、俺は、適当な所に座り込んだ。

    

 この青い空の下で、俺は、独りぼっちになった。 

もうこれ以上傷つかないように、心に鍵を掛けたい。


俺は、独りで泣き出した。


「…お母さんに会いたい…家族に会いたい…あのお家に帰りたい」


俺は、泣きながら、とても小さな声で言った。


もう、帰れないのかな。

もう二度と、家族に会えないのかな…。

そんな事を考えていたら、哀しくて、胸の奥が苦しくて、とても耐えられなかった。


何でだよ。

何で俺が、こんな目に遭わなくちゃいけないんだ。

俺はまだ子供なんだよ。


誰か…助けてくれよ。


ああじゃない、こうじゃない、言いたいことだらけだ。


小さい頃の夢を思い出した。

その時の願いはただ一つだけ。


「愛されたい」


いや、そうじゃない。 


俺は愛されている。


ただ独りで抱え込んでただけ。

俺は、他人の不幸と比べながら、1人で勝手に殻にこもってただけ。


「もう嫌」


俺の思いなんて、どうせ誰にも届かない。  


本当は、何かを求めてた。


 

疲れた…。


そう思った時。

いきなり声をかけられた。


「おいガキ!!ここは俺たちの縄張りだ、そこに座られちゃあー困るぜ。さっさと失せな」

「・・・・」

「聞こえてんのか?3秒以内にここから離れろ。そこに座りたいなら金を出しな。それができねえっつーなら殺す」

「だ・か・ら!聞いてんのか、こら!」


何だコイツ。


ボカッ ・・・!? 


蹴られた。

俺は一瞬、宙に浮いて壁に激突した。


「グハ・・・!!」


その衝撃で木箱が崩れて、俺の頭上に落ちてきた。


「痛・・・!!」


最悪。

俺は立ち上がった。

我慢だ、ここは根性を見せるんだ。


「なあ、初対面の人にいきなり蹴るとか、お前義務教育受けたのか?」


おっと、つい煽ってしまった。

これは良くない。

相手の強さも分からないのに、何やってんだ俺。

俺は子供で相手が大人だ。

しかも3人いる。


ちょっと厳しいかも。

いや俺死んじゃう。


これはまずい・・・!?


「ああ?お前舐めてんのか?おい、ぷち殺すぞ」


       

あ…、ちょ、やばくね? 


男が間合いを詰めてきた。 


は、早い。

早すぎる。

人間が出していい速さじゃない…!?


 っとお、危!


俺はなんとか避けた。

偶然だけどなあ。

くそっ、またいきなり蹴りやがって。


「ぐお…!!」   


やったぜベイビー、一発かましてやった。   


男は腹を抱えて、その場でうずくまった。 


まあ…上手く?

みぞに入ったみたいだ。


さて、残りあと二人。

どうしたものか。


「お前、あんま調子に乗ってんと、マジで殺すかんな?」


許さないかんな?橋本かんな? 


俺は木箱を投げて時間を稼ぎ、端っこに落ちていた棒を拾った。


「ふん、ガキのくせに生意気な野郎だぜ。武器を使うとは卑怯だぞ」  


いい大人なのに何を抜かすのか。

いや、悪い大人だな。


子供に何てこと言いやがる。


「ハンデは必要だろ。その横っ面ぶん殴る」


 その時だった、上から声が聞こえた。


「おい お前ら、何してやがんだ。」  


お、救いの声か?っ

そう思ったら、その謎の男が飛び降りた。


「・・・!?」


 え?大丈夫そ?

三階建てだよねえ、あの建物。


え…、嘘おおおん。 


その男は普通に着地した。


 

いや、おかしいだろ。


「何で3階建ての屋根の上から飛び降りてピンピンしてんだよ」


ジョン・デビット・パホヨもびっくりだぜ!  


いや、ジョンさんは飛び込み選手だったな。

プールに飛び込むやつ。


んな事考えてる合間にあの謎の男に距離を詰められて、腹パンをくらった。   


…え!?  


俺はゲボ吐きながら倒れて、さっき俺が倒した奴と同じようにうずくまった。


速かった。


さっきの奴らとは、比べ物にならないほど速かった。


「くそっ、イカれてやがる。」


助けに来てくれたんじゃなかったのかよ。 

さっき俺を殴った奴が近寄ってきた。


ヤバいな、取り敢えず威嚇するか。


「おめえら全員、図体がでかいだけのくせに」


あ、やべ。威嚇すんじゃなかった。


 

男が話しかけてきた。


「お前どこのもんだあ?何をしにここえ来た」

「は、腹が痛い、少し待て」  


 ・・・冗談じゃない。


俺は、なんて答えればいい…。

嘘をいうか? 


いや、その必要はないか。

あのチンピラがご親切に待っててくれる合間にさっさと答えないと。


 そうだ、何 焦ってんだ。

別に焦る必要は無いだろ。 


俺は正直に答えた。


「日本から来た」

「何をしにここに来たあ?」

「あ、その、別に、何も」 

「つーかよお、日本ってえ何処だあ?」

「・・・!?」 


え? マジで言ってんの?

義務教育受けた?


「ほ、ほら、アジアの…」

「アジアって何だあ?」

「え?知らないの?ジャパニーズ。お、お寿司とか」

「知らねえな、うめえのか?」


もしかして…この人マジでお馬鹿さんなのか?


いや、まて、もしかして。

もしかするとだけど、ここは、日本とかアジアとかでは別次元の…。


地球なんて存在すらしないレベルの・・・別世界。


 認めたくは無い。

認めたくはないけど…。


「あの、地球って、知ってる?」  


緊張している。

今にも心臓が飛び出てきそうだ。


「地球って、何?」

「は?」


嘘だろ。 

しばらく俺は唖然とした。


少し時間がたったあと、ようやく理解した。


「俺は、もう、あの家には帰れないんだ。母さんにも、会えないんだ」


辛い。

こんなの絶対おかしいよ。

今まで何度も何度も…。

何で俺なんだ?ていう時が、いっぱいあったけど。


これは流石に無いだろ神さんよぉ。


「酷いよ…」


俺は声を上げて泣いた。


一二歳の俺には何もできない。

俺は親が居なきゃ何もできないんだな。

もういっそ死んだ方が…なんてことが脳裏に浮かんだ。


「お、おい、どうしたんだよ急に、男が泣くんじゃねえよ。お、お前、帰る場所…あるのか?」


男が焦った様子で問いかけてきた。

さっきまで眉間にしわを寄せていかにも不良って感じの顔つきだったのに。

心配そうな顔をしている。


「分かんない」


これがとっさに出てきた言葉だった。

人に聞かれて一番困る答え方をしてしまった。

でもこの時はそんな事、考える余裕なんて無かった。


この時の俺は、完全にショック状態だった。


「おめえ、今日ここに泊まれえ。帰る場所…ねえんだろお」


この言葉に俺は、不思議と、光を感じた。

      

彼には、優しさがあった。

今思えばこの男の優しさがなかったら、今の自分は存在しないだろう。 

この時の俺は、彼の優しさで、救われた。

確かに、自分の心にずっぷりと浸かっていた暗闇に、光を照らしてくれた。


その夜、俺は彼らと一緒にご飯を食べた。

荒く切られた人参の入ったトマトスープ。 


美味しかった、本当に。 


「全く、おめえが、スープを飲んだら急に泣き出して大変だったんだぜえ?」

「ごめんな、ステファ…スープが旨すぎて」


そう言うとステファが嬉しそうな顔をした。


「分かりやすい奴だな」

「は?何がだよお」

「お、おい少年、ボスを怒らしたらまずいっスよ」


ザフィルが焦った表情をしながら言ってきた。

ザフィルはあの時一番後ろに居たやつだ。


「何がだ?」


その時、ステファが俺をボコスカと殴ってきた。


「ベッ別にお前の為に作ったわけじゃないんだからね!…スープ」

「ツンデレかよ・・・!?」


あ、つい声に出しちゃった。

このツンデレがまさにあの時、俺の腹に強烈な一撃を入れた奴だ。


「その辺にしとけ ボス。少年が困ってるだろうが、糞が…!!」


今助けてくれたのが一番初めに俺を蹴飛ばしてくれた奴。


「ありがとな、テュポン 助かったよ」

「にしても口が悪いくせに可愛い名前してやがんだな、お前」

「ああ?」


・・・あ、やべ。


「少年、口には気をつけんだぞ」

「あ、はい」


おっしゃるとうりでございます。


「セレヌンティウス…」

「なに、先輩と呼んでくれてもいいんだぞ」

「先輩」 


セレヌンティウスはあの時俺に武器を使うとは卑怯だぞって言って来た奴だ。

悪い大人って言ってごめんなさい。


「今日から先輩って呼びます」

「お、おお」  


ん? どうやら冗談のつもりで言ったらしい。

ま、いいけどさ。

 

「おめえさ、名前あんだろ?」


ステファの表情は真剣だった。

ああ、そうだな。

まだ自分の名前を言ってなかったじゃないか。


・・・あれ?おかしいな…。


何でだ。自分の名前が出てこない。


もしかして俺は、自分の名前すら忘れてしまったのか。


「忘れた」


そう伝えるしかなかった。


「おめえ、今までどうやって生きてきたあ?」

「そうだなー…家族が居たんだ。もう会えないけど」

「どうしてここにいる」

「分からない、気づいたらここに居たんだ」


そう答えると彼らは困った顔をした。


「まあいい、おめえはずっとここに居ろ。今日から俺たちの仲間になれ。」


・・・え?マジ?やったぜ、寝床確保!  


「良いのか?」

「だから言ったろ、俺達の仲間になれ…」  


あ、なんだ、くそ、涙が出そうだ。

おかしいな、すっかり泣き虫になっちゃったな、俺。

結局俺は、涙をこらえられず。

また泣いた。

今日で何度目だろうな。   


その後、みんなで一緒に寝た。

寝床はすごい安心した。

まあ、ほぼ野宿なんだけど、屋根があるだけマシか。


コイツらホームレスなんだな。


「おやすみ」


Place to return

帰る場所

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