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心世界  作者: rin極
第四章 ピラニア編
18/48

第18話 「私達の行方」


「分隊長、左だ」

「ショウ!カナヅチもってこい!」

「へいへい」


あの出来事が起きてから数時間が過ぎ、夜が明けた。

俺たちは現在エンジンの修理をしていた。


「フーパー、そっちはどうだ?」

「こりゃダメだ。やられてら」

「嬢ちゃん、もう一回エンジン動かしてくれるか?」

「・・・・」


操縦室にいたムガロはため息をつきながら紐を引っ張ってエンジンを作動させる。


「ねっむ」


ムガロはあくびをしながら椅子に座ってリラックスをする。

外がなにやら騒がしいようだ。


「エンジンが出火した!」

「ちくしょう!マジかよ!」

「エンジンを止めろ!」


フーパーとクイント、ジョーンズがエンジンルームから這い上がる。

一瞬寝ていたムガロが目を覚まして起き上がる。

ムガロは停止レバーを下げてエンジンを止めた。


「はああ、寝よ…」


エンジンルームから煙が上がっていた。

ショウとスピルバーグは慌ててバケツに海水を入れエンジンにぶっかける。

なんとか消火に成功する。


しかしエンジンに海水をかけたのは間違いだった。

この後、フーパーとクイントは修理に苦労した。


ショウとジョーンズは修理の手伝いをした。

ムガロは睡眠をとった。

スピルバーグは釣りをし、ピラニアを4匹捕まえる。

サジとヴァイセは休憩し夜の見張りに備えた。


夜になる。

サジとヴァイセは見張りをし、それ以外の奴らは船内で食事をする。


「うめえ、飯うめえ」

「ハッハア!!たくさん食えよ若い衆!!」

「大変だ!フーパーが脱腸した!」

「え?フーパーさんっ、肛門から腸がはみ出たってことですかっ!?」

「落ち着けスピルバーグ」

「出たもんは戻せば良い」


フーパーはそう言ってズボンが盛り上がった部分を触り腸を肛門に押し込んだ。


「大丈夫なのか?」

「大丈夫さ、俺は慣れてる」



「ムガロ、お前夜型だよな?」

「気安くレディーの名前を呼ばないでくれる?」

「お、おう、すまん…」


「お前は俺たちと一緒に見張りだ」

「お前って言わないでくれる?」

「・・・」


この日はとくに何事もなく終わった。


朝になる。

サジとヴァイセ、ムガロが入眠。

他、クイントとフーパー、ジョーンズとショウが起床。

スピルバーグはまだ寝ている。


それぞれの作業を開始。


一時間ほどが過ぎ、ジョーンズとショウ、フーパーが休憩に入る。


「フーパー、どこへ行く?」

「お花畑だよ」

「そうか」


フーパーは中へと入っていった。


「お花畑って?」

「大便だよ大便」

「あいつの糞はクソ長いぞ」


ショウは柵のようなものに両手を置き、海を見ながらジョーンズと会話をする。


「なあジョーンズ、何でこの船に乗ってんだ?」

「なんだよ。おじさんが船に乗っちゃダメか?」

「お前、船とか漁の知識ないじゃん?」

「君も同じだろ」

「逆に君はなんでこの船に乗り込んだんだ?」

「仕方ねえだろ金がなかったんだ」

「あん時はただ、乗るしかねえだろこのビッグウエーブに、って思ってたよ」

「今では後悔してる」

「船長はバケモンを狩るまで戻らない」

「・・・・」

「俺はノアの町自警団の分隊長だ」

「町の漁師のクイントがバケモン狩りをするって話だから、この町の危険が一つ消えるのをこの目で見たかったんだ」

「海岸が閉鎖されてるってのに海で泳ぐバカが毎年いるからな」

「海岸が閉鎖?知らなかった」

「知らなかったのか?」

「ああ」

「三年前にピラニアが大量発生したんだよ」

「はあ、思い出したくもない」

「・・・」

「あの日は夏フェスタだった」

「なにそれ」

「ビッチどもが集まる最高にロックな祭りさ、一週間ぐらい馬鹿騒ぎが続く」

「その祭りは毎年この海マゼラン海峡で行われていたんだ」

「その日に奴らが現れた」

「百人ぐらいは食われたよ」

「やべえなそれ」

「ああ、とてもグロかったよ」

「海が血で赤く染まってな」

「・・・・」

「もっと詳しく聞かせてくれよ」

「ああ…この話はやめだ」

「吐きそうになる」


そういってジョーンズは胃袋の中身を海にリバースした。


「クイントは何で化物狩りを?」

「バケモンに賞金がかかったんだ」

「俺はやめろって言ったんだがな」

「おかげで金欲しさに海に消えた若者が何人いることやら」


俺とジョーズは会話をしてい一方、フーパは現在個室トイレで排泄をしていた。

それはそれは、とても長い闘いだった。


「クソう、クソっ、出ろよ俺の糞オオ!」


この時、フーパーは便秘に悩まされていたと言う。

今思い出してもこの出来事は俺の胸を締め付けさせた。


フーパーは腸に溜まった便を出そうとケツの穴をグッと引き締めた。

長い格闘の上、出てきたのは腸だった。


「やべ…踏ん張りすぎたか」


またかとフーパーは頭を抱え、出てきたものを肛門に押し込もうとしたその時。

洋式トイレの飲み込み口から一匹のピラニアがフーパーの肛門めがけて突っ込んだ。


「ア”アあ”あ”あ”あ”あ”あ”あああああああああああ”!!!!!!!!!!!!!!!」

「おふぉっ、ふぉおおお!!!」


フーパーはケツの穴に突っ込んできたピラニアを掴んで引っこ抜く。


「ぐぎいいうう!」

「オ”ウ”ボォッフォッおお、お”おうふッ!!!!」

「ふうっ、ふううう!!」


ショウとジョーンズは会話中に聞こえた断末魔に駆けつけ、ケツを抑えて転がっていたフーパーを救出した。

この日から、個室トイレは使用禁止となった。


あれから数時間が過ぎた。


「最悪だぜどちくしょう…」


フーパーが呟いた。

フーパーの様子を見たムガロが急に笑いだした。

彼女は子供のように無邪気に笑った。


「あははははっww、肛門噛まれたってw」

「笑うなよ…」

「おいムガロ、笑い事じゃねえぞ」

「そうだぞ」


ムガロ以外は全員、深刻な顔をしていた。


「うう…痛そう」

「俺じゃなくてよかったぜ」

「てめえぶっ殺すぞ」


フーパーはスピルバーグに言い返し、立ち上がる。

フーパーが呟く。


「小便行きたくなった」


ムガロが腹を抱えながらフーパーに言う。


「辞めたほうが良いんじゃないw?」

「なんでさ」

「今度はちんこ噛まれるかもね」

「おいやめてくれよ。トイレ行けなくなるだろ?」

「床に撒き散らしちゃう」

「あ、やべ、もう限界突破しちまいそうだ…」


フーパーは股間を抑えながら外に出る。

急いで海に開放しようとするも、ケツの痛みが足を引っ張った。

やっとの思いで船の端っこに到着し、海に撒き散らそうとズボンを脱いだその時。

奴が現れた。

海面に黒いが彼の目に写った。

彼は目の前の光景に絶望した。


「小便ぐらいさせろよおおおお!!!」


黒い影が船の横をかする。

船がその衝撃音と共に激しく揺れる。


「グッ、耐えたぞおお、俺は耐えた…」


フーパーはズボンをはいてその粗末なものをしまう。


クイントが叫ぶ。


「エンジンを動かせ!」

「分かった!」


ジョーンズがエンジンを動かした。


「ジョーンズ!!かじを左へ切れ」

「これしか回らない」

「油に塩水が入って故障したんだ」

「良いから回せ!」

「・・・・」

「クイント!奴が逃げるぞ!」

「追いかけろ!」

「スピルバーグ!水中銃を2丁もってこい!!」

「おい!水が入ってきてるぞ!」

「サジとヴァイセは水を抜け!」


「ポンプを使って水を抜け、船が沈むぞ」

「ジョーンズ!!止めろ!!」

「おい!持ってきたぞ」

「スピルバーグ、矢にロープで樽を結べ!」

「フーパー!樽の用意!」

「ケツが痛い!」

「知るか!」

「グウッ、漏れるううっ」

「クイント!結んだぞ!」

「貸せ」

「奴に撃つ!!」


クイントとスピルバーグは黄色い樽をロープで結んだ銃を構える。

黒い大きな影が船の下に潜るとき、二人は一斉に撃った。

クイントは背中に、スピルバーグは頭付近にそれぞれ命中させた。


2つの大きな黄色い樽が海に沈む。

化物が2つの樽を引っ張る。


「おい、潜ったぞクイント」

「嘘だろ樽2つもしょってんだぞ」

「・・・・」

「信じられるか?」

「いや」


フーパーが呟く。


「ふう、やっとションベン出来るぜ」


フーパーはトイレをするために船の端っこに移動する。

急いでベルトを外そうとするが上手くいかない。


「クソッ」


彼は慌ててベルトを外す。

ズボンを下ろし海側にイチモツを見せつけ溜まったものを放出。

彼は今、お花畑にいた。


ぼうこうの中の尿を出し切った後、悲劇は起こった。


フーパーがションベンを終え、ズボンをはこうとしたその時。

海面から一匹のピラニアが飛び出してきた。

そいつは彼の男として一番大事な部分に飛び付き、噛み砕いた。


「あああああああああああああああああああああああああああ」

「どうしたフーパー」

「あああ、クソっ、クソっ!クソ痛エエエエ!!」

「ジョーンズ、俺はもう駄目だ!」

「な、何があったんだ!?」

「お、俺の、グスッ、ううううう、おう俺のおオオオ!!!」

「一番大事な部分が喰われた!!」

「お、おい、嘘だろ…」

「ジョーンズ、俺はもう役立たずだ。男として終わった。死んだ。後は頼んだぞジョーンズ…」

「お、おう、一体俺は何を頼まれたんだ」


フーパーがみっともなく喚き散らかしていた時、俺たちは何事かと集まった。

そして、フーパーの状態を見て。

彼らはみんな眉間にシワを作って自分の股間を抑えた。


「ううう今回のはマジで痛そう…」

「散々だったなフーパー、同情するぜ」

「俺じゃなくてよかったぜ、本当に…」

「ぶっ殺すぞマジで!」


「いやああ、あれっすね」

「こんな事あっちゃあ、俺らトイレにいけませんね」

「ああ全くだ」

「今度は俺の番かもしれねえ…」

「うっ、想像しただけで吐き気がする」

「フーパー、もうトラウマでトイレ出来ないんじゃ」

「いやもう出来る体じゃねえだろ」

「大も小も…」

「うわマジカワイソス」


俺たち男にとってフーパーの身に起こった出来事は、胸を締め付けられる思いだった。

この後、彼はとある奇行に走った。


〜フーパー視点〜


突然、男の声がした。


『・・・使うのじゃ』


え?何?誰?


『我は神なり』


神って、あの神様?


『そう、あの神様じゃ』


あの神様ってどの神様だよ。


『イチモツかじられたくらいで、お前何をしとる』


うん、息子が俺より先に逝って、もうヤる事ができないんだ。


『お前の息子を使うのじゃ』

『まだ死んでなどおらんぞ』


か、神様、それは本当ですか?


『ああ、本当じゃ』

『まだ根本は残っておるじゃろ』

『自家発電して、鍛え直すのじゃ』

『アピールしまくって可愛いオナゴを抱くのじゃ』


ああ、分かった。

やってみるよ。


俺はズボンを脱いだ。

近くにいたジョーンズが俺の行為を邪魔しようとしてくる。

俺は自分の手で、優しく触った。


激痛が走った。


それでも俺は続けた。

何時間でも。

何十分でも。


それは狂気に満ちていた。


やがてドロっとした赤い液体が少し出た。

激痛が快感に変わることはなかった。


神様、神さま?


『何じゃ』


しましたよ。

自家発電。


『おお、それはナイスじゃ』


俺、女と出来るようになりますかね?


『それはお前次第じゃろ』

『ワシがその権利を握っとると思ってるのか?』

『人間の癖に調子乗んなよこの野郎』


なんで…?


『殺すぞこら』


なんで…??


身に覚えのない走馬灯だった。

いや違う。

現実だ。


神様の声は幻聴だったか、自家発電は本当にしていた。

やっている最中は夢でも見てるようだった。

最悪だったよもう二度とごめんだ。



〜ショウ視点〜


夜になった。

ジョーンズが飯を用意してくれた。


「なんか今日さ、雨降ってんじゃん?」

「俺のテンションも雨と一緒に流れてったよ!」

「テンション超ダウン!」

「・・・・・」

「・・・」

「にしても寒いな」

「おいおいこんな温度じゃアイスは凍らねえぜ」


クイントがツッコム


「俺の腕を見てみろ?」


フーパーはサジに自分の腕を見せる。


「うあ?」

「鳥肌立ってるだろ?」

「ああ…」

「鳥肌立ちすぎて鳥になっちまいそうだ」

「もうじき空も飛べそうだぜ」

「どうしたお前…」

「・・・・・」

「はあ、昨日は暑かったのによ」

「おいおい、あの程度の温度じゃクッキーも焼けねえぜ!」


クイントがつっこむ。


「フーパー、お前今日変だぞ」

「変?」

「俺のバナナが海のチンパンジーに喰われたんだぞ」

「まともなテンションでいられるかよ!」

「あああちくしょうおおお!!俺のちんこが!」

「安心して、命は助かるわ」

「安心できるかよ!俺のケツ穴もやられてんだぞ」

「・・・ケツ穴ww、アハハハ」

「笑い事じゃねえぞ!」

「あはははは!!!可笑しい可笑しいっw」

「何が可笑しいんだよ!てめえには分かんねえだろ!」

「分かるはず無いじゃんw私には無いもん」

「おいムガロ、そんぐらいにしろ」

「だって、可笑しいんだもんw」

「・・・・・」


ムガロは俺が思っていた以上にヤバい奴だった。

人の大事な部分が奪われたってのに、彼女はそれを笑った。

彼女はいつも、地声より高い声で笑う。


しかし俺はそれを気にすることは無い。

この時はただ、フーパーがかわいそうだった。


     

Human, too human

人間的な、あまりに人間的な

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