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心世界  作者: rin極
第二章 帰らずの森編
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第10話 「帰らずの森」



最近あった出来事を思い出していた。

 ワシの名はアブソリュートだ。


ある日、民家が襲われて居るのを目撃した。

襲われていたのは40歳ぐらいの女性で、もう1人は幼い少女だった。

おそらく親子だろう。


その近くでただ呆然とその様子を見ていた少年が居た、名は、ショウと呼ぶそうだ。

ワシはその少年に声をかけた、今すぐ逃げろと。

その後ワシはあの化け物に攻撃をした。


しばらくは苦戦していた。

ここでワシの力を開放すれば、あの少女が巻き添えを喰らうからだ。

どうするものかと思っていたが、その問題は少年が解決してくれた。


「君、早く逃げるぞ」


その少年はワシに逃げろと言ったはずだが、それを聞かず少年は、少女に手を差し伸べた。

 驚いた事にあの少年は怯えてなどいなかった。


だが助かる「ナイスだ少年」


ワシは化け物を倒し、家に戻った。


あれらから何週間か経った後、イノシシなどを狩りに行った時。

長い間封印されていた龍の気配を感じた。

ヒバナだ。


まさか… 復活したのか?


そんなはずは無い、あの封印が破られる筈など・・・

念を押してあの歪な気配のする方へと向かった。

 わしの遺伝子からも警告されている。

今すぐここから離れろと。

代々受け継がれてきたその恐怖が、ワシの魂にも刻まれていた。


突然 ヒバナの気配が消えた。

有り得ない事だ、ヒバナが倒されたのか?

いいや、そんな事は悪魔にしか出来ない。


なら可能性が有るとするのなら。

ヒバナが人間の体に受肉するという事

もしそれなら最悪だ。

人1人が犠牲になる。

それに探すのも大変だ。

だから早いうちに探さねば。

ヒバナが覚醒する前に。


ワシは森の中で異変が無いか確認した。

すると有る少年の気配を感じた。

だがその気配に何か良からぬ物が混じっていた。


「小僧、一つ聞こう。お主は化け物であるか?」

「ん?人違いだろ」


少し考えた。

だがワシはその少年に興味はあった。

もしそいつがヒバナなら、殺せばいい。

受肉してすぐだからまだ覚醒前のハズだ。

それなら今のワシでも殺れる。


ワシは少年を家に泊めた。

それから一週間が経った後の事だった。

その間にハプニングもあった。


それは何とか出来たが。

長くは持たんだろう。


だが今日は別の意味で問題が発生した。


「リュートさん、俺を弟子にしてください!」


さて、どうしたものか。



--ショウ視点



ゴクリと息を飲む。


だ、大丈夫かな…

俺を弟子にしてくれよ。

頼むよ爺さん


「小僧、お前さんはワシに何を学び、何を活かせる」

「俺に強さを、教えてくれ・・・ 俺がお前に教わったとして、それを活かせるかどうかは俺を弟子にしてくれたら分かる!」

「だから、俺を弟子にしにしてくれ」


「それが弟子入りする時の態度か、全く… 」

「分かった、お前さんの師匠になってやっても良い」


「ホントか!?」


「やったぜベイビー、ママに報告だ!ここ電話繋がるっけ?」


「まだ弟子にしてやるとは言ってない」


え??? 嘘…だろ


「そんな事言うなよ… 」

 

う…


「お前に試練を与える。それを超えたら、お前さんを弟子にしてやる… 」

「良し分かった約束だ」

「後、敬語を使えという条件付きでな」

「はい約束します」

「一日だけですよ?」


少年はリュートの後に着いて行き、目的の場所へと足を運んだ。


「着きましてやここは、死番虫(しばんむし)の住処、世界に7つある帰らずの森の一つだ」

「妖刀、迦楼羅(かるら)が眠っているらしい」

「で、俺はこの森で小便しろと?」


「そうだ、一週間だ。一週間この森で生活しろ。そんで帰って来い」

「ああ成程、これが試練か」


「さあ行け!」

「ちょっと待って心の準備が!」

「さっさと行かんか!」

「じゃあ行ってくるよ」


「あ・・・」

「行ってきますのチュウは?」

「いらん!」


照れんなよ、冗談っだって。


「じゃあな」


俺は一言いって森に向けて出発した。



--1day



森に入ってからの第一印象は、霧が濃い。

南アメリカのジャングルか?ここわ!

しばらく歩くと、ヒバナが声を掛けてきた。


《ショウ、これは警告だ。さっさと森を出ろ》


「え?」


「ヒバナ?」


「おいヒバナ!答えろ!」


「・・・・」


「ヒバナ!!」


返事しろよ。

不安になるだろ!


「・・・・」


「はあ、マジかよ」


それからヒバナが話しかけなくなった。


俺はこれからこの森で一週間過ごすのだから、気を引き締めていこう。


まずは寝床探しだな、そのついでに薪を集めるか。

少年は乾燥した木の棒を集めながら寝る場所を探し始めた。


その後は特に何も無かった。


「よし、この木の上で寝るか」


寝心地悪そうだが仕方ない。

それより寝てる間に落ちたらどうしよう。


 少年は木に目印を付け、食料を探し始めた。

取り敢えずは周辺にキノコなどがないか探し回った。

数時間ぐらい探し回り、ある事に気付いた。

 おかしいな、毒キノコしか無い。

食べれそうな食料が無いな。

それに動物の気配もまるで無い。


ケモノの足跡など探したが見つからなかった。


にしても、薄暗い感じだ。

森に入ったのは夕方ぐらいなのに数時間しても真っ暗にはならず、ずっと… 森に入った時から薄暗いままだ。


結局この日は食量が見つからなかった。

だんだん目がぼやけてきた。

近くの物を見るとぼやけるのだ。


あれ〜?

おかしいな。


「まだ暗くならない」


ここには朝と夜が無いのか?

まあ、取り敢えず寝るか。


途中で湖があったので体を洗った。

まだ筋肉痛が残っているので関節があまり曲がらない。


自分の顔が水に写っている。


 目の色が変わっていた。

黒色から灰色に。

首の刻印はまだ残っていた。


あれ?だとするとリュートは俺の刻印を見たのか?

いや、目が見えないって言ってたよな確か。


じゃあ大丈夫か。


「おいヒバナ、急に口聞かなくなったよなお前」

「なんか返事しろよ」

「反抗期か!?」

「お前何歳だよ!」


「・・・・」


返事は無しか


もう寝るか。

明日に備えよう。


少年は木の上に登り、まぶたを閉じた。

森は静かに、風は騒がしく。

星空の無い夜だった。

そもそもこの場所に夜が有るか分からんけどな。


少年の意識は深い眠りの底に落ちた。


 カサカサッ


何かが少年に触れた。



--



「あれ?母さん?」

「弟も?」


妹もいる。


「あれ?爺ちゃん?」

「どうしたショウ」


「あ、あれ?」


「兄貴、今日お墓参りだよ?」


「あ、そっか」今日父さんの墓参りだ。

何寝ぼけてんだ俺。


あれ?俺昨日のご飯なに食ったっけ。

ま いっか。


「ショウちゃん、ご飯だよ?」

「ごめん母さん」


「いただきます」


俺は家族と一緒にご飯を食べた。

美味いな、何か懐かしい気がする。

毎日食べているはずなのに


「兄貴、何で泣いてるの?」

「さあな、目にゴミでも入ったんじゃねえの?」


何で泣いてんだ?


少年はゴシゴシと涙を拭う。


「うまいなあ」

「どうしたのショウちゃん、何か何時もと雰囲気違うよ?」


「そうか?」


その後俺は自分の部屋に戻った。


ん〜?


俺の部屋こんなんだったっけ

いやこんなんだったよな。


あれ〜?


って、まだ寝ぼけてんのか

これが俺の部屋だよ。


「ふう〜」


少年はベットに座った。


「ああ幸せ」

「飯うまかったなあ」

「足が不自由なのは勘弁だけど」


足が不自由な意外俺はこの家での毎日に幸せ感じていた。


「ずっとこの生活が続けばいいのに…」ボソッ


小さな声でそう呟いた。


「はあ」


少年はベットにそのまま寝っ転がった。

天井が見える。


知ってる天井だ。


まあそうか、毎日朝見るもんな。

でも何か落ち着くよな。

ま、どうでもいいんだけどな。


少年が起き上がると部屋の周りを見回した。

 棚があった、本棚だ。

久しぶりに漫画読むか。


そう思い、本棚を見に行った。

数有る漫画の中から見慣れない本があった。

少年はそれを手に取る。


「こんなんあったっけ」


俺はその本を開いた。


「何だこれ、漫画じゃ無いのかよ」

「えっと何々? 私達の物語はここから始まった」

「これは、ある少年と仲間達の冒険の物語である」


「ほう」


少年はその本を読み進めた。

そして、三ページ目を開くと。

少年は目を見開いた。


3ページ以降、そこには何も書かれていなかった。

そう、白紙だったのだ。


「何これ白紙じゃんかよ」


少年は白紙の本を棚に戻した。

その後少年は部屋を出た。


下に降りて、時計を見る。

針が動いてない。


俺は外に出た。

上を見る。空は青かった。


ふとした気まぐれで、その場に座った。


「温かい」


心地よい風が吹いていた。

寒くもなく、熱くもない、快適な温度だった。


晴れの日の匂い、空の匂い、雲の匂い、全てが良かった。


・・・あれ? 良かったって…何だ。

俺、何でこんなに幸せなんだろう。

何でこんなに風が気持ちいいんだ?


「何故・・・」


「・・・」


まっ 全部どうでもいいんだけどさ。


「ショウちゃんは今、欲が有るんだね」


振り向くと母さんがいつの間にか居た。

急だったので少年は驚きを隠せない様子だった。

「母さん、急に話かけんなよ」


マジビビったー

ノックぐらいしろよ。

外だけど…


ていうか、欲が有るって?何で今俺に言ったんだ?

少年はその事が不思議に思っていた。

俺はその疑問を母さんに聞いてみた。


「なあ、欲って 何だ?」


「母さんはね〜、夢の正体って人の欲だと思うんだ〜」

「ショウちゃんはどう思う?」


「んっと、まあ・・・ 記憶の欠片、とか。 寝てる時の情報処理とか?」

「ショウちゃん!?何のこと!?…(汗)」

「夢の話だろ?」

「違う違う!おねんねしてる時に見る夢じゃ無いの!」

「あ」


「そんで? 何が言いたいの?」

「人ってね、欲が満たされている時が一番幸せだと母さんは思いました〜」

「それでね、夢が叶う時はもっと幸せで〜、母さんはい〜っぱい満たされるんだよ?」

「それってね〜、人の夢と一緒で欲が満たされるとすご〜く幸せになれると母さんは思いました〜」

「つまりね、夢と欲は一緒なんだよ?母さん天さ〜い」


「へえ〜」


「・・・・・・」

「・・・」


「結構でたらめだな」

「え〜? 母さんめっちゃ、頑張ったんだよ?」


「まあ、合ってんじゃ無い?」


「ん〜」

「人の夢と欲は一緒かぁ〜、成程な」

「母さん、俺中入るわ」


少年はそう言い残し、立ち上がった。


 ガチャッ


ドアを開けて家の中に入る。

玄関に靴を脱ぎ捨てて、少年は廊下を歩き始めた。


母さんが言うには、夢の正体は人の欲らしい。

別にそんな事どうでもいいと思うんだけど、母さんは何故か一所懸命その事を俺に伝えようとしていた。


ふと思った。


欲が無くなると人間はどうなるんだ?

何しても満たされないんだよな。


てことはよ。

飯の味すんのかな。


「よしじゃあ行くぞ」


爺ちゃんの声だ。

墓参りに行くらしい。


「爺ちゃん分かった」


俺は爺ちゃんの後に付いていった。


数時間して、登山道の入口が見えた。

登山道に入る。

山道を登り始めた。


最初は楽だったがキツくなってきた。

山道が険しいからだ。


あーそういえば


「なあじっちゃん何でオヤジの墓は山奥にあんの?」

「文句をいうんじゃ無い、黙って着いてこい!」


「そういやさぁ、オヤジの墓って何処だっけ」

「ショウ、夢でも見とんか?何寝ぼけんとんじゃ」


「夢?」


あれ、父さんってどんな顔してたっけ。


「兄貴、さっさと目を覚ましてよ」

「え?あ、ああ」


「お前、名前何だっけ。」

弟の名前は? 思い出せない。


弟が答える


「***」


でも聞こえない。


「え?何て言った?」

「兄貴、冗談はいいからさっさと行くよ?」


少年は山を登る。


爺ちゃんの名前って何だっけ。


少年は横を向く。そこには絶景が見えた。

綺麗だった。


何年ぶりだ?

オヤジの墓行くの。


少年達はまだ山を登り続ける。


途中で野生の鹿を見た。

他にもリスやトカゲ、うり坊など。

様々な生き物達を見た。

どれも新鮮だった。


俺は好奇心丸出しの少年状態だった。

とてもワクワクする。


「お前たち、ひとまず休憩だ」


「ふう」


俺と弟は適当な岩に座る。

そして全身の力を抜いた。


「重いんだよなあこの荷物」

「何入ってんだ」


「ショウ、そのカバンん中からお茶と飯をだしてくれ」

「やっと昼飯か」


カバンの中には水筒とおにぎりが入っていた。

3人でおにぎりを食べる。

途中で弟におにぎりを分け与えたりしたら喜んでくれた。


「お前達、人が死んだらその後どうなると思う?」


突然 じっちゃんが俺と弟に聞いてきた。

俺は答えた。


「過去の自分に戻る」


弟の方は「天国か地獄に行く」と答えた。


じっちゃんは再び聞いてきた。


「どうしてそう思った」


俺は解答に困った。


「どうって…」


「・・・」

「なんでだろ」


するとじっちゃんは俺達に語った。

死についてを。


「死んだ後の世界・・・、これはみな一度は考える」

「だが何時まで経ってもその答えは出ん」

「お前たちはその理由を知っとるか?」

「・・・・・」

「・・・」

「じゃあどうして?」

「これはの、簡単な事じゃ。」

「行ったことのある人間は、もう帰って来ん」

「じゃが、お前たちにこれだけは言える」

「死んだ後の意識は何処に行くのか、遠い死と身近な死との違い」

「希望や絶望」

「人間は死について考える事で今が輝く」

「死について考える事で本当に大切なものが分かる」


「お前たち、死について考えろ」

「何度も何度も考えろ」

「その先で、幸福の意味を知る」


「わしが言いたい事はこれだけじゃ」

「幸福の意味を知れ」


それからから数時間 

山道を歩いた後、やっとの思いで目的地にやってきた。


少年は父さんの墓に着いたのだ。


墓の近くに大きな木があった。

とても古そうな木


「なあ、じっちゃん。この木何だ」


「それは古代樹じゃ」

「樹齢三万年を生きる世界最古の心木、精霊の御加護を受けた古い木じゃわい」


「へ、へえ〜、凄いな」


「こら!」

「その木に触れるな!」

「何で?」


「・・・・・」

「・・・」

「呪われるぞ」


少し時間が経って、墓の前に経った。


「いいか?こうやって手を合わして挨拶をするんだ」


「ああ」


少年は墓に向かって両手を合わし、目を瞑った。


異変が起きた。急に頭に稲妻が走った気がした。

目を開ける。


「どうした」

「え?あ、いや」


な、何だったんだ。

さっきのは。


ハァッ、ハアッ、ハアッ。


急な息切れ。

目が眩む。


少年は墓にもっと近づいた。

そして墓に触れ、コケを落とした。


するとその瞬間、少年の首元の刻印が反応した。

バチバチという音がなる。

少年は目を見開いた。


墓に刻まれた模様に見覚えがあったから。

それはそうだろう、何故なら自分の刻印と同じ模様だから。

神様から貰った呪いと同じだから。


「ショウ、どうした」

「何でも無い」


少年は下がった。


《・・・・》

《sh…》


ん?


《sh… う・・・》

《…ショウ・・・》


なんか聞こえる。


《ショウ!・・・》


《ショウ!目を覚ませ!》


少年の脳内に直接その声が響く。


《起きろショウ!》


聞き覚えのある声だ。

何処で聞いたっけこの声。


《ショウ! ショウ!》


ああもううるさいな。

静かにしてくれよ。


《ヒバナだ! 俺様をもう忘れたか!?》


誰だよそいつ。

家族と一緒に楽しんでんだよこっちわ。

邪魔すんなよ。


《戻って来い!》


俺はなぜか幸せが崩れる気がした。


ヤダヤダ!

そっちに行きたくない!

今楽しいのにそっちに戻るなんてヤダ!


「・・・・」


あれ? そっちに戻るって何だ。

ここは現実だろう?


目を覚ませって何だよ。

ここは俺の現実なんだよ。


《じゃあ貴様に質問だ。ここにはどうやって来た?


は?そんなの普通に歩いて。


《その前だ、どうやって家からこの山の登山道まで来た。ホントに歩きか?それとも車か? 》


「・・・・・・」

「・・・」

「・・え」


「お…俺、どうやって来たっけ」

 

《ほらな、ここは夢だ。夢から覚める方法は一つ》

《自覚しろ、これは夢だと認めるんだ》

《ここはお前の現実じゃ無いってな》


「いや、そんなの」

「そんなのあんまりだろ」

「これが夢だなんて認めちゃいない!!」


《…ショウ、許せ》


《永遠の地獄に抗え・・・》


 バッ


気づいたら、俺は帰らずの森に居た。

目を覚ましたのだ。


相変わらず森の中は薄暗かった。


「怖っわ!」


目の前に化け物が居た。


とても大っきかった。そして手足が長い。

あばら骨が出ていてとてもやせ細っている。

でもお腹は出ていた。


気持ちわりイイ見た目しやがって。


「よく見るとホント気持ち悪いなお前」


《ショウ、やっと起きたか》


「ヒバナ…」


 「グハッ!」


少年は化け物に取り押さえられる。

その化け物は少年の顔に近づく

 その口から長い舌を出しながら。


クソッ、体が動かせねえ。

コイツ、チンパンジーなみの握力だ。


クソッ、こうなったら・・・!!


「・・・ヒバナ!! 気が済むまで暴れたら戻って来い!!」


《・・・了解》


その時、少年とヒバナが入れ替わった。

ヒバナは化け物から腕を振り払い、片手を化け物のお腹に当てた。


右腕に物凄いエネルギーが流れる。

少年の目は灰色からオレンジ色に発光していた。

ヒバナの目と同じ色だ。


ヒバナが技名を唱える。


「…(ほむら)


その瞬間、右手の手のひらから紅色の炎が出て化け物の腹を貫通した。


 どおおおおおん!!


その化け物は灰になり砂のようにサラサラと崩れていき、風にのって散っていった。

少年はヒバナと替わり、自分の意思で起き上がる。


「ヒバナ、助かった」

「今回の筋肉はマシ何だな」


《この俺様が手加減したからな、当然さ》

《それに貴様の俺様化が進んでいるからな。目がぼやけるのも遠視になってきてるからだ》


それよりお前、何で急に喋らなくなったんだ?

全然返事しないしよぉ。


《悪いな、眠っている間に貴様は襲われたんだ。俺様は一日3時間が活動限界だ。》


何だよ、お前寝不足なのか?


それはそれとして。

なあヒバナ、さっきの怪物は何だ?


《・・・アイツは人の欲を食べる。異能を持つ物の怪{もののけ}、クズの成れの果ての姿。人はそれを餓鬼と呼んでいる》

《貴様もアレみたい成るなよ》


「クズは最後ああ成るの?

「じゃあ、餓鬼に成っちまうとどうなんの?」


《餓鬼は常に飢えと乾きに苦しんでいる。どんなに食べても、その腹は決して満たされることは無い、永遠に》

《ま、貴様がそうなった場合俺様は無理やりにでも体を乗っ取るからな》


「肝に銘じる」


「ヒバナ、物の怪って何だ?」


《ショウ、物の怪の事を魔獣って呼んでいるのはノアの町の人だけだからな、今度から物の怪って呼べ》

《魔獣は古い呼び方だからな、今時そう呼んでも通じんぞ》


「マジかよ…(汗)」

「・・・」

「肝に銘じる」


なあヒバナ、さっき見ていた夢。あれは何だ?


《貴様がさっき見ていた夢は、餓鬼の仕業だ。アイツはその人の一番の欲、つまり夢 それを全て食べるんだ。》

《人の欲が全て無くなるとどうなると思う?》


「さあな」

「お坊さんになるんじゃねえの?」


《答えはこうだ、何もできなくなる。sっそれはつまり鹿に食べられる運命を待つことしか出来ない植物状態に成るって事だ》


「うっわ」

「・・・」

「ヤバ…」


《ショウ、貴様危なかったな。俺様が起こさなかったら抜け殻になってたぞ》


「確かにな、小便垂れ流し小僧になる所だったよ。」


あれ?そういえば。


少年ふと疑問が浮かんだ。

ヒバナが何故俺を助けたのか


「あのさ、お前が俺を助けた理由が思いつかないんだけど。何であの時俺を起こした?」


《・・・》

《確かに貴様の体を奪えるチャンスだった。》

《だが・・・》

《不平等な契約…》

《暗示をかけられた…》


「・・・え?」


「誰に?」


《さあな》


その瞬間、ヒバナが何故俺を助けたのか。

何となく察した。


でもまあ、こっちとしては丁度良い。

何故って?

ヒバナが今後俺の体を乗っ取る可能性が薄れたからさ。


にしても、誰がヒバナに暗示をかけた?

まあ別にどうでもいっか


そういえばさっきまで見ていた夢、もうちょっと見たかったな。

あのまま居たかった。


でも無理なんだ。


だけど、さっき見た夢で俺は気付いた事がある。

それは、もう一度家族に会いに行くこと。

それが俺の叶えたい夢だ。


なあガルム、俺、ちゃんと夢あったよ。

立派な夢だろ?


お前のせいだぞガルム、俺が旅に出る羽目になったのは。

まあ別に良いんだけどさ。


《ショウ、もう朝だ。飯を探しに行け》


分かった。


今から探しに行くって。


「たくっ、」

「相変わらず薄暗いなこの森は」



 

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