表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心世界  作者: rin極
第一章 子供編
1/48

第1話 「私達...」


長い夢を見ていた気がする。

朝起きたら俺は泣いていた。

体を起こすと目に写った光景に俺は、頭を混乱させた。

部屋がメチャクチャになっていた。


きっと部屋の中で嵐が起きたんだな・・・て、なわけあるかい!!

体が痺れるぜ。嘘じゃないよ?

あ、ちょ待てよ、ヤバい・・・何これそれ我それ!!体じゅうが痺れてんだが?  


自分の体からバリバリという音が …おっと、クールになれ、うん、俺は冷静だ。

特に首が焼けるように痛い。

ていうか燃えてんじゃね?


 床に体を引きずるように鏡の前まで進み、棚を掴んで体を持ち上げて自分の顔を見てみた。

やっぱり俺の顔には涙が流れていた。情けない。


 それから自分の首元を見てみた。


「は?何これ」


そこに写っていたのは、まったく覚えがないタトゥーだった。

変な入れ墨みたいのが首に刻まれていたのだ。

  

 取り敢えず首元ネックウォーマーで隠し、部屋から出ようと体を支えるように壁を触りながら進んだ。

そしてドアノブを掴んだ。


ガキッ!  


「あ・・・ 嘘おぉぉお、」


ドアノブが壊れた。

下に降りる。そしたら俺の弟が玄関にいた。


「兄貴、しばらく帰って来ないから寂しいと思うけど行ってくるね!」


我が弟から別れを告げられた。

そして俺はこう返した。


「ただの遠足だろ」


 俺の弟は満面の笑みで出かけていった。

 俺はそのまま家族と一緒に朝ご飯を食べた。

自分はいつもお任せです。

ありがたくご飯を食べ終えるとお母さんからーー。


「今日、銀行に行くからあんたも付いてきてくれると母さんは幸せでした」


と言われた。


「銀行ぐらい一人で行けないのか?」


俺がそう言うと母さんは悲しそうな顔をして、


「母さんは、1人じゃ寂しくて、それに変なおじさんが襲って来るかもしれなから」

「美しいって・・・罪ね。フッ」


 おい、最後の聞こえてすよママン。

それともわざと聞こえるように言ってきたのか?


「お母さんにはお金をおろすのは難しいから、1人じゃ行けないの」


 ママさん相変わらず天然だわ。

うちのマミーは機械が苦手だからな。にしても限度ってもんがある。


「分かった行く」


俺は母さんについていくことにした。


車は、お母さんが運転する。

まあ母さんしか車の運転免許もってないんだよね。

くれぐれも車の中で天然は出さないくれ。


銀行についた。

俺は適当に椅子に座り、お母さんの様子を見る。


暇なので人類最強の武器、スマートフォンを堪能しようかなと思っていたら、全身黒の怪しい男性が俺の横を通り過ぎていった。


そしたらさ、アイツがさ、母さんをいきなり掴んでさ、懐から銃出してきて、母さんに銃口向けやがったんだよ。

は?何やってんだよアイツ、俺はとっさに動いた。

けど、体が思うよう動かない。

俺は脚が不自由だ。

小さい時に知ったことだ。

別にお母さんが死ぬのが怖いわけじゃない。

でも幼い頃に父をなくした俺はあの時の喪失感を知っている。


・・・要らないよ。

何の意味も無くただ愛が消えるんだよ。

今更何んかのせいにしたって変わらない。

いつか、理想と現実の狭間の中で、母さんと暮らした思い出が消え失せる。

    

母さんまで失うわけにはいかない。

下の子もいる。

アイツらにはあんな思いをさせたくない。   


「は、早く金を渡せ!全部だ!このバックに入れろ!警察呼んだら殺す!」


あのクソ野郎が喋った。

銀行強盗だった。


バン!


ピストルの音が鳴り響く。

脅しのつもりなんだろう。


「早くしろ!こ、この女殺すぞ!」


そう言うと男性は銃口を再び母さんの方に向けた。

でも母さんは冷静だった、とっさに男の腕をつかみ床に向けて引張り、男の顔面を床にぶつけた。

 そういえば母さんは護身術を習っていたらしい。


俺は気が抜けた。

少しホッとしたのかもしれない。でもアイツは、ナイフを出して母さんの脚に刺した。


「痛!」


母さんは膝を付いた。

アイツが銃を拾った。


まずい!動け!動け!動くんだ!俺ならできる!やるんだ!立て!母さんを・・・守るんだ。


「っぁぁああああ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”・・・・・・!!!」


俺は叫んだ。

惨めだ。

分かってはいたが無意味だ。


いや、弱気になるな。

「心」を隠すことなく何を視てた?

嘘を変えたくて、本当の言葉で!


 ここで諦めたら明日の飯は誰が作る!?


あの日、お母さんの飯に文句を言って、「そう言うなら明日からマックにするね」と言わせたのは誰だ?

もう二度と、二度と…。


その時だった全身の血液が熱くなるのを感じた。

そして自分でも驚くぐらいの速さで体が動いた。


「殺してやる!」


アイツが叫んだ時にはすでに、俺は間合いに入っていた。

俺はアイツの腕を掴んだ。


ドン!


「ガッ」


・・・痛い。なんだ。腹が熱い。

撃たれたんだな。


でも今は目の前のことに意識しろ。

てめえはまだ母ちゃんに恩を返してないんだ。

せめて自分の死に際ぐらいカッコつけて死ね!


 アイツから銃を奪い、男は慌てていた。

俺は引き金を引いた。覚悟を決めるんだ。


「死ねよ・・・お前」


俺はそんな言葉を言った。

アイツは倒れて、俺も倒れた。

  

 知らない天井だ(言ってみたかった)。


 病室か?


ていうことは生きてるなヤッター!

勝ったぜ!あのクソ野郎に…。

どうしよっかな~、勝利の舞でも踊ろかな・・・・・・。

  

う、痛い、超痛い。

内臓破裂だわ。これはあかん!?


「目が覚めたのね。お母さん心配でした。生きててくれて、お母さんは安心しました」


母さんが泣いているのは、初めて見た。

なんか、安心した。

俺、母さんを守ったんだ。

下の子達が寂しい思いをしなくてすむんだ。

人はいつか少年から青年に変わっていく。

愛情も友情も、いつかは手に入れる。

アイツラには生まれた環境ばかりを憎むようにはなってほしくない。


幸福の意味を知れ、いつも爺ちゃんが言っていた言葉だ。

    

目から汗が出る、認めたくわない、けど、今は・・・。


「いたんだ、母さん。」


俺は泣きながら言った。


「痛んだ母さん?」


そう返された時は驚いた。


たくよぉ、俺のプライドが…。

でも、そんなことはどうでもいいか。


正直怖かった。

全て無駄になるかも知れない恐怖。自分は死んでもどうでもいいって、俺はいつそんな事思ってたんだよ。

今まで後悔しないように生きてきたか?

ないない。正しく突き進んで行くことが自分の証になるんだ。


夢や明日もない死の恐怖が・・・確かにあったんだ。


 その夜俺は吐いた。

人を殺したんだ。

この手で、引き金を引いたことに後悔は無い。

それが正しいかどうかなんて関係無い、自分で判断したことだ。

でも、やっぱり12歳の俺にはきついよ。


「俺は何にも悪くない・・・」


そうやって俺は、胸の奥に突き刺さったナイフを、もう何回も何回も、知らん顔した。


 あの男の死は事故として片付けられたらしい。なんでだろうな。

  

 一週間で俺は退院した。

幸いお腹の傷は大したことないらしい。


マジかよ、結構痛いんだけど。絶対内臓破裂してるって。

家に帰るといつものメンバーが揃っていた。

我が妹に、我らの爺ちゃん、みんな大好きママさんに、お婆ちゃんと…。


あれ?我が弟よ。が居ない!?  


「母さん、弟は?」


その時、お母さんの口から決して信じてはいけない言葉が出た。


「あんたいつから弟できたのー、あ・・・もしかして弟がほしいのー?」


俺は思わずパニクった。


「は?」


ショックだ。冗談にしても悪質だ。


「何いってんの母さん、ほら、アイツだよ、あ・・・」


俺は言葉が詰まった。


おい、なんでだ。

何で弟の名前が思い出せない!?


嘘だろ?

アイツと過ごした時間も、一緒に歩いてきた道のりも、何気ないあの日常も、ほとんどが弟のもので散らかっている兄弟の部屋も…。

俺は、兄弟で笑いあった時間を思い出すたび苦しくなるのか?

いや、それすらも、出来なくなってしまうのか?


いや、おかしいだろ。


そしてまた母さんから、信じられない言葉が発せられた。


「アイツってだれのこと?お母さんには分かんない」

「嘘だ、母さんは嘘を言ってる」


とっさに言ったこの言葉でも、母さんの表情は変わらない。

 待て、弟がいないというの信じれん。


そうだ、マヒロに聞いてみるか、マヒロは俺のたった1人友達だ。

俺は携帯を取り出し、マヒロに電話する。


少し待って、ようやく出た。


マヒロ 「どうしたの?」  

俺   「なあ、マヒロ!俺に弟いたよな?」   

マヒロ 「なんだよ急に、お前弟いたの?」   

俺   「は?いるって!」   

マヒロ 「ホントに?名前は?」 

俺   「だから、名前は・・・」   

マヒロ 「どうしたの?」


俺は思わず電話を切った。

俺は、弟の存在がなくなったことを、信じたくなかった。


いや、待て、絶対おかしい。 

俺は廊下を走って玄関まで行き、外に出た。

裸足だけど、それに気づかないくらい心が乱れていたのだ。

走った、宛はない、とにかく走った。

俺はこの時、走って探せば見つかるとでもおもっていたのだろうか。

そんなわけない、現実に叩き起こされた時、理想郷は崩れ落ちた。

だって・・・弟はもうこの世には存在しないのだ。

その事を知るのはもう少し先の話だ。


 ハアッ ハァー ゼエェ ハァー ゼェー ゼエェハァー  


息ができない、途中で血を吐いたりもした。

しばらく走った後、俺は脚に力が入らなくなり、倒れた。動けない。

今はナメクジより早く進むことすらできない。

もう、諦めようかと思った。

ちきしょう、体が動かない。


あぁ、辛い、苦しい、どんな過去も今も未来も、全部、変えられるのなら…。

弟を、返してください。

今日から、自分が不幸だとか、俺のことは俺にしか分からないとか、決めつけないから。


・・・いや、何で、何で俺がこんな苦しい思いをしなきゃならないんだ。

何でだ、俺はどこで間違った。

誰か答えてよ、誰でもいいから俺の問に答えてよ・・・!!

もう一度、あの声を、もう一度、あの顔を・・・見たい。

何があってもお前と、明日を願い続けるから。


その後、俺はまた泣き出した。

しばらくたって、

泣き止んだ時には。


もう・・・遅かった。


今思えばこれは、神様のいたずらなんだろう。


どうしてなの?幾千に生きる意味、神に祈る度、いつだってこうだ。


俺は、神様に嫌われている………。


 あれ?何で俺、走ってたんだ? 

なんのために走った。・・・・・・思い出せない。

もうどうでもいいや、帰ろっか。

ん?あ、あれ?ここどこだっけ、まずいな。

こんな年で迷子になっちまったぜ。


お、おお落ち着け、1人でも大丈夫、よし、歩けるな。さあ立て。


                                             

「永遠の地獄に抗え・・・」


  ふとそんな言葉が聞こえた気がする。


ん?何だこの吐き気は…。


その後首元に激痛が走った。


「ガッああああ”」


気づいたら俺は知らない男に首を掴まれていた。

しかもそいつ俺の体を片手で持ち上げてやがる。

いや、待て、これは俺の体じゃない。


どういうことだ? 


そんなことを考えていたら俺は、投げ飛ばされた。 

「痛!」


な?戻ってる。


さっきの場所に。


な、何だったんだ。俺は呆然としていた。

って、なにボーとしてんだ。こんなところで寝っ転がっても何も始まらない。

よし!ここから動こう。そんなふうに俺は歩き初めた。


さて、どうしたものか。まさか12歳にもなって迷子の子猫さんになるとは、腹が痛いぜ、ちきしょう。あ、お腹マジで痛い。

あれ?ちょっと、ヤバい・・・今回はマジで内臓破裂だわ。


俺は、腹の傷の痛みに悶絶しながら、ゆっくり歩いていました。

あれからだいぶ時間がたったと思う。

未だにこの裏道を歩いてる。


そろそろ体が限界だ。

お母さん、ごめん、俺今日からホームレスになるよ。


ホームレス!ホームレス!

ごめん嘘。     


俺は歩みを止めた。


おお、光が見える。

天国に行くときにありそうな階段まで、あれ?

これマジ天国?あ、俺死んじゃったの?

いや、そんなわけない、俺は生きてる。


そのことを疑うはけにわいかない。

俺は再びあるき出した。

      

「は?何これ。」


光の向こうの景色に、おれは戸惑った。


ママ、助けて。


 俺の目に写った光景は、とても地球じゃありえない世界だった。


ここは、日本じゃない。

和風の建物が並んでいるが、橋がたくさん架かっていて、煙突もたくさん見える。

崖ばかりあるようで、文明がまるで日本じゃない。

それに歩いている人たちに、明らかに人間じゃないものがまじってる。

まさに化け物だ。


俺は振り返った。

だが…そこには、

通ってきたはずの道が、


無くなっていた。



Our story started here

私達の物語はここから始まった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ