災禍の黎獣は超絶美少女でした。
「あの、早速なんだけど、クロウさんに一つ頼みたいことがるだけど。ここから出られたりします?」
遥か頭上にある自分が入ってきたであろう空洞に向け指を刺す。
地上への通路もない急斜角の崖。
よじ登るのは至難である故、『災禍の黎獣』と強者の肩書きがあるクロウであれば脱出ができるあるかもしれないと期待寄せる。
『うむ。お主が望むのであれば、ここから出ることは可能だが、今は無理だ。不甲斐ない我を許してくれ』
そう断りを入れ頼みに答えられやれないと枯れたか弱い子犬のような声があげる。
「そんな畏まられるとこっちが困るもので。それに今は無理な理由があるだろ?」
『ああ。魔素が満ちておらぬ結界に長きにわたり封じられていた故、衰弱した我の肉体ではアレを壊すほどの力が発揮できぬ。
なるべく速く体力を回復に詰める。しばし待たせるな』
「そんな気に病まなでくれ。今すぐここを出たいわけではないよ。
むしろ、ここで野営が出来て方が俺を襲ってきた奴と遭遇せずに身の安全が確保されているから問題無しだ」
強面な見た目で律儀な相手を慰めない意味を込めたサムズアップを見せる。
内心。初めて野営で気持ちが高揚し落ち着ける場所にいられて今は気分が良い。
「クロウが回復するまで待つからさ俺もここで野営の支度をするからさ」
気持ちを切り替え支度に入ろうとしたらクロウの周りを覆った結界の青い光が消え真っ暗の空間でスマホのライトを頼りにバックを漁り出す。
キャンプ用品を次々と無償で簡単に取り出せるチート性能のバックにテンションが高まる中、クロウが顔を覗かせる。
『健二よ、そのアイテムなんだ?』
準備途中の合間に座り込んで興味を見せるクロウに時折り尋ねられ説明ながらもキャップ用具と野宿と言ったらやっぱりカップラーメンでだろう。
理由は簡単。
カップラーメンは調理時間か短く調理方法はお手頃、お湯を注ぐで時間を待つだけでとでも簡単。
そして美味い、特に塩ベースのさっぱり系が好きだ。
••••••て。どうでもいい情報だよな。自分で言ってておかしいが。
『我が知らむ未知のアイテムを淡々と使いこなせるとは面白い奴よ』
口端を上げ興味深く観察し出す。
「あのー、まじまじと黙って見られてると恥ずだが」
『我のことは気にせずに続けよ』
気遣いが無縁なクロウの興味を変えたく健二が世間話をふる。
「そう言えばクロウって肉食系のイメージがあるから肉が好物だったりするか?」
『ふむ、そうだな。久しく食べておらぬから、目の前に美味そうな肉にチラつき衝動が抑えきれぬところよ』
「じょ、冗談だよね? 流石に俺を食っても美味しくないぞ」
『ふふ。冗談だ』
「だ、だよねー」
チラリと健二の顔を見るなり息遣いを荒く、捕食者の目で睨みググッと顔を近づけ危機迫る圧迫感に身振り手振りで自分は不味いぞアピールに苦笑し澄ました顔を見せつけ冗談に聞こえない凄みが頬を引き攣りどう反応すればいいかわからない気不味さがある。
向こうもそう思ったのか軽い咳払いをして語り出す。
『さて、話しを戻すが。我の生命維持は大気中の魔素を取り込むだけでが可能なのだ』
「へぇー。魔素がなんなかは分からんが。それはすごく省エネな体質だな。
けど。もし魔素がなかったら果物とか動物の肉は食べれるのか?」
『うむ。我が気に入った選り好みの者しか基本は食わぬ。たとえ魔素がなく絶体絶命な状況で空腹になろうと不味いと決めた物は絶対に食いはしないがな』
自らが美食家ですと自信ありげにふんっと荒い息を放つ。
食へのこだわりのクロウがあるようで過去の思いでに憤りを見せる有り様で思わず頬を掻く。
『特にひどかったのは人間の血肉であったな。あの血生臭い食いもんは二度とごめんである‼️』
「そ、そうか。クロウも大変だったな」
過去にどんなことをしたかはまだ分からないが今は聞き出す勇気は出ない。
なにせ封印された訳アリの相手に質問としたら重苦しい空気になること請け合いだ。
『一応言っておくが我が昔空腹に飢え過ぎて戦場にあった死肉を食らったことがあったすぎん』
向こうも気を遣ったのかクロウが捕捉するように告げるのを聞きと内心ホッとしていた。
「けど、なるほどな。それで何も食べ物が無い所で長年生きているだな」
『左様』
クロウの体をよく観察してみると最初にあった時より肉付きが良くなっているように見える。
『結界内部で得られる魔素量に限度が有りいずれ死に行く見であった我だが、今は大気中の魔素を取り込める。
一晩もすれば岩石を退かす程の力が戻してみせよう』
そう語るクロウの体をよく観察してみると最初にあった時より肉付きが良くなっているように見える。
『飲まず食わずいると人は簡単に死ぬであるから難儀な生き物であると我は思っておるぞ』
「別に不便だと思ったことないさ。空腹の時に美味い飯を食べれた幸福感があるのが生きる者の特権だと思うからそうでもないさ」
『ふふ、健二が言うのであればそうであろう』
クロウが苦笑した後も軽い雑談を話して思う。
威圧感があった最初のイメージと違い以外と軽いジョークや時折り親切な説明するとても良い黒狼である。
「お、そろそろ出来たな」
アラームがなり調理は完了された。
「クロウには悪いけど。俺だけ飯にするよ」
『ああ。遠慮する必要はないぞ。健二』
暖かな目で見つめ距離が置くのを見て申し訳ないが腹の虫がなり空腹に盛られず箸を持ち蓋を開けた。
(うん。いい香りだ。野営にお手頃のカップラーメンに限るな)
『っ‼️』
クロウがクンクンと鼻を嗅ぎつけ立ち上がり顔を覗かせる。
『なんだ!この美味い匂いは我も食いたくなったぞ!健二。我にも寄越せ‼️』
ヨダレを垂らし目を輝かせ尻尾をぶんぶんと振り興奮して歩みよってくる。
その勢いでキャップ道具やカップラーメンも吹き飛ばされ何故かバックはびくともびくとも動きない。
「お、落ち着けって⁉️ さっきまで謙虚な姿勢はどこ置いて来たんだよ‼️」
『美味なる物を目の前にして捕食者たる我が本能に逆らえることはできん⁉️』
先程までの温厚で器の大きい見えたクロウが食べ物欲しさで本能剥き出しで『グルルルゥゥー』
と荒い息を放ち切羽詰まっているご様子。
『早く、早く我にも食わせろ』
クロウが返答次第では食らってやろうとする態度がひしひしと伝わる。
ここで誠実に話せばわかってもらえる!••••••筈だ。
「じ、実はクロウ程の大きなのカップラーメンが無いんだ‼️すまん!」
頭を下げて謝る。
『なぁ•••っ‼️ だと。本当か、健二』
「すまん。これは人が食べる為に作られた物だから無理なんだ」
『••••••っ‼️』
視線が地面に見ている。
クロウの表情が伺えないが苦虫を齧る顔をしていると予想が出来る。
賢いクロウのことだ。だだを捏ねたり脅迫することはしないはず。 •••••たぶん。
緊張感漂う空気が肌にヒリヒリと当たり固唾を飲む。
「うん?あれ、クロウさん?」
が、一向に反応がないがスッと顔を上げ八重歯を見せ澄ました笑みを浮かべ太々しい態度を見せる。
『我は閃いたぞ』
(クロウが何か企んでいるのが嫌な予感がしないだが)
直感が訴えクロウがこれから何をしようするのか固唾を呑んで見守る。
『巻き込まれるのよう、下がっておれ』
「い、いったい何をする気だよ」
『みておればわかる』
「見えいればって••••••っ!」
『ウオォーーーーン‼️』
クロウが高らかに遠吠えをあげだす。
すると、クロウの足元から白限の魔法陣が浮かび巨大な身体を覆い隠し光の柱が衝撃波を放つ。
砂埃が目や口に入り込ち咳き込むこと数回、ようやく衝撃波が止み眩しい光が消え去った場所に突如に「うむ」と一人の声が耳にする。
「初めてやってみたどうやら、上手くいったなようであるな」
その中にいた筈の大きな姿が消え鈴が鳴る声と共に明らかに小さくなったシルエットの正体が現れた。
「な、ぁぁぁ、なぁ•••っ⁉️そ、その姿は!」
目の前の光景に身体が石化したように固まり後に追い討ちをかけカミナリ撃たれてような衝撃が瞳孔に映る。
引き締まった括れや肩まで伸びた夜空色の艶やか髪。宝石を宿したような橙色の瞳に幼なげな童顔。
頭には三角形に見える耳にふわふわした尻尾にすらりと伸びた健康色な手足を見せつけその美しさ現実世界に現れた愛の女神が顕現していた。
「ふふ〜〜〜ん。どうじゃあ〜、我の姿に度肝抜いたであろう」
誇らしいげな笑みをみせ生まれたままの姿である謎の美少女がたわわな胸部を隠す素振りもなく堂々とした態度で立っている。
「ぁ、ァァ••••••っ。な、なぁぁぁ!」
驚きの余り下がった顎が戻す余裕もなく固ましかない。
「どうしたんだ、健二。おーい、聞こえおるか?」
謎の美少女がキョトンと首を傾げ躊躇いなく近づいてくる美少女に凝視したまま止まっていた健二の時が動きした。
「ふうらいぉきほろっ‼️」
「あたふたして何を言っておるのか聞こえんぞ」
歯に噛みすぎて忠告が伝わらず迫りくる。
「••••••••‼️服を」
「むう?」
「誰かは分からんがぁ!た、頼むから。まずはふ、ふふ、服をぉ、着てくれ——ぇ⁉️」
脳の情報処理がオーバーヒート寸前の健二は獣の遠吠えに負けず劣らず叫び声上げ回れ右をする。
「いきなり声をあげよって我の方がびっくりするわ」
と、謎の美少女がガヤガヤと騒ぎ立てる声が気にならないほどに今の健二の思考は加速する。
(だ、誰だよ、あの超絶美少女!今まで見てきたどの女子よりもずば抜け可愛いすぎる!
あの可愛いならばいくら不可抗力でも警察の方がいたら現行犯逮捕されてもおかしくない!、無慈悲過ぎる!詰んだよ。どうすればいいんだ〜)
マイナス思考にシフトチェンジした健二は頭を抱えた。
「健二」
「•••っ!は、ハイィィィ‼️」
(ああ、まだやり残したことが沢山あるのにここで捕まってしまうのかごめんお袋。俺親不孝な息子になってしまってすみません。
けど、最後いい物を見れて俺は幸せだ。刑務所生活になってもあの瞬間見た超絶美少女の姿を思い出して辛い人生を乗り越えていこう)
変人極めつつある健二は一粒の涙が垂れた。
「ああ、いい人生だった」
「えーい、シャキッとしろ」
「い、っ———‼️ あ、あれ? 俺はいったい?」
背中をおもっきり引っ叩かれわれに返る。
(そうだ、今は謎の超絶美少女が後ろにしてしかも生まれまま姿でいるのか今の状況である。うん、改めて考えてもおかしな展開に違いない)
冷静なった健二は今ある推理が頭を過ぎる。
突然消えたクロウの代わりに現れた美少女の存在について思い当たることは一つしかないと思い振り向いた。
「も、もしかして、クロウなのか?」
「左様、我こそ災禍の黎獣クロウであるぞ」
ふんっと荒い息を放ちドヤっと言わんばかりの声を荒げ新たなる自分の姿を見せつける。
「ああ、マジですごいぜクロウ。
一瞬見ただけで見惚れてしまう程に最高過ぎる美少女だ。その美しさに目も開けられない程に‼️」
「•••••オイ、健二」
「•••っ!ど、どうしたクロウ。何かあった?」
謎の超絶美少女••••••ではなくクロウを褒めたのだがイマイチの反応のようだ。
うむ、何故だろう。
「先程から目を瞑り腕を組んだ奇妙な姿勢で我と話すでない!」
サイコパス的な扱いでクロウにどやされる健二ではあるが無理もない。
何せ、今の姿を見て話そうものならば心臓が破裂するほどの鼓動が速まり。間違って相手の体を触ろうものなら五体満足ではいられないだろう。(※あくまで個人的な意見です)
「まったく。ずいぶんと変わった者を我が主人にしたな」
哀れんでいるであろうクロウ(今も生まれたままの姿)がため息をこぼすのか聞こえ出す。
が、こちらとしては相手の正体が分かったことに納得し健二はまた振り返りバックからクロウに似合いそうな衣服を探しだす。
後、これは余談です。
あえて振り向かずにクロウと話合っても良かったではと言わそうので説明する。
理由は勿論!後ろから魅惑的なボディで攻められたら脳がホワイトアウトして思考が異常をきたす。
そして、何かやらかそうものなら今後の異世界生活に関係性の良好を維持する為である。
(※こんな解説いらんやろと思うけど了承して欲しいです)




