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いざ、あやかさんの家へ

 

 風邪を引いてしまったあやかさんのお見舞いに行く為、教えてもらった住所を目指し、駅前までやって来た。どうやらあやかさんの家は駅を挟んで反対側のようだ。


 ご飯を食べていないとのことなので、食材は家から持ってきた。そんな大層な物ではないけども、風邪の時に食べると良いであろうメニューをこしらえる予定だ。


「……」


 視線を感じたので立ち止まり、後ろを振り返った。するとそこには慌てた様子で電柱の影に隠れる女性が居た。言うまでも無く三条先輩である。


 しかも何処で用意したのか、この炎天下の中でマスクを装着し、サングラスをかけ、キャップを目深にかぶっている。

 先程怒って家を飛び出した筈なのだが、いつの間にか完全に尾行モードにシフトしておられる。


 ちなみに今は隠れているつもりなのだろうけども、電信柱からはデケぇがはみ出ている。姿隠してデケぇ隠せずってか。まるで漫画じゃないか……。


 一応気付かないフリはしているのだが、振り返った時にいつもワンテンポ遅れて隠れるので、正体がバレバレである。

 しかもこれ見よがしの不審者スタイルときている。完全に尾行には向かないタイプだと思う。


 だが、全身から滲み出る美少女のオーラとデケぇの存在感のせいで不審なオーラを見事に相殺している。なんならプラス領域だ。


 きっと職質はされないだろう。俺が同じ格好したら即尋問案件だけどな。

 しかしここまでマークされているならば、タイミングは今を置いて他には無いだろうと思い、ポケットに忍ばせておいたメモを手に取った。


「……おほん。あ~、男性が一人で女性の部屋に入るのはあれだなぁ~。いろいろとお世話するにしても男性じゃなぁ~。ああ、困ったなぁ~、だれか頼りになる女性の知り合いが都合よく現れてくれないかなぁ~。でもよっぽど仲が良くないと頼めないよなぁ、こんなお願いは~」


 かなり棒読みになってしまったが、出がけに雪からもらったメモを読んだ。これは三条先輩の気配を感じたら読むようにと助言された物のだが……。


 読み手も読み手だが書いてある内容も酷い。アドバイスをもらっておいてなんだが、所詮は中学生である。こんな茶番で怒り狂った三条先輩がどうにかなる訳が——


「こ、こんなところで会うなんて偶然ね! なにやら困ってるみたいだけども 貴方と私の仲だからお手伝いしてあげるのもやぶさかではないわよ!? まあ、その、ほら、私達、仲は良いからね!?」


 電信柱の影から嬉しそうに変質者セットを外し、正体を現してきた。そして許してくれた。


 ……雪、お兄ちゃんな、JKという存在が良く分からないよ。どうしてあんなことで機嫌が直るの? とりあえず雪にはお礼に今度一緒にかき氷でも食べに連れて行ってあげるとしよう。


「その、いいんですか? お手伝いしてもらって。正直助かります」


「ま、まあ? そこまで言われたら私も協力するしかないじゃない? ほら、私達、仲が良い訳だし?」


 必要以上に仲の良さをアピールされているような気がするが……。JKと仲が良い時点で奇跡に近い物があるなとは、自分自身でも思っています。


 タイムリープして今に至るまで、ここまで親しい女性なんていなかったもので。だって情けない話、お袋と妹以外の女性と和やかに語らった覚えがないんですもの。


 ……なんだろう、急に目から汗が出てきやがったぜ。きっとこれは夏の日差しのせいだな。うん、そうだ。そうに違いない。


「はい、助かります。確かにいつも二人でサークル活動してますし、なんだかんだ言って、夏休みもずっと一緒に過ごしてますもんね。何の自慢にもなりませんが、俺の人生で女性とこんなに長い時間を過ごしたのは初めてですよ」


「わ、私だってだ、男性とこんなにずっと居るのは、は、初めての経験だし……。でも、そっか、貴方も初めてなんだ……。えへへ、ちょっと嬉しいかも……」


 なんか一気にご機嫌になるや、内股になって照れていますが、とりあえず今はあやかさんの家に急ぎませんかね?

 あと、雪が有能過ぎる件ね。本当に同じ血が流れているのだろうか……。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 頭隠して装甲隠さず 実際、後ろをつけてる人がいたら容姿問わず通報ものですがw
[気になる点] JKと兄を掌でコロコロする雪ちゃん、将来が楽しみです。 ところでお菓子の件は驚かしただけで後でしっかりお仕置きなんて……ないですよね? [一言] にゃ~ん♪  ∧∧ (・∀・) c(…
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