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入院生活のお供?

 

 いつからだろうか……お互いに仲が悪いって訳では無いのだけども、何故か二人は事ある事に張り合ってくるようになっていた。


 現に今だって……。


「修君、この前にお姉さんと過ごした二泊三日と一日、どうだった? 楽しかったよね! また行きたくなったらいつでも声かけてね!?」


 先日の夏期講習の思い出を猛プッシュされた。勢いと圧が半端じゃないですね? 異論反論一切認めんといわんばかりです。


「は、はい……。おばあさんとおじいさんも優しい方ですし、なにより環境が素晴らしかったですからね。また機会があれば是……」


「むぐぐっ……後輩君、この前校舎から見た夕焼け、綺麗だったわよね! 同じ学校に通ってるからこれからもいつでも二人きりで見れるわね! 雨の日も風の日の悩める時も! 二人きりでね!」


 少なくとも夕焼けは雨の日や風の日には見えないのでは? なんて茶化したら確実に睨まれるんだろうな……。

 あと悩める日って何? それに三条先輩は部員募集しないのでずっと二人きりですよね?


「なんか最後の言葉は神父さんの言葉っぽくなかったですか? ま、まあ学校には毎日行かないといけませんし、料サーの活動していたら自然に夕方ぐらいにはなりますので、夕焼けを見る機会は多くなるかと……」


 こんな感じで何かにつけて張り合ってくるのだ。もうバッチバチである。


「うううっ……お姉さん、いつでも修君の為に歌ってあげるれるよ!? それに勉強だって教えてあげれるよ!」


「後輩君、これからの学校行事が楽しみね! 秋は文化祭とかあるものね! 学校行事は同じ学生同士しか行えないものね!」


 なんだろう……徐々にヒートアップして張り合う二人の背後に、龍と虎の幻影が見えるのは目の錯覚だろうか。


「落ち着いて下さい二人共、これ以上騒ぐとまた怒られますよ?」


「「ぐぬぬぬっ……」」


 なんとかここは牙と爪を収めて欲しい……。よし、ここは食べ物で釣ろう。二人ともそこだけは共通の弱点だかもんな。


「ちょっとおやつタイムにしましょう。ちょうどそこにお菓子がありますのでお好きなのをどうぞ」


「お菓子……そ、そうだね。ちょっと小腹が空いたし……」


「今度は私もお見舞いに沢山持って来るわ」


 どうやら二人とも胃袋には従順なようであり、仲良く先ほど恭介が持ってきてくれたお菓子の入った袋を漁り出したのだが、少し様子がおかしい事になっていた。


 どういった理由かは分からないが、あやかさんがめっちゃ頬を膨らまし、三条先輩は頬染めて特に乱れてもいないが、衣服を正し直していた。


 静と動の表情で二人にガン見される俺……。どうした? 一体その袋に何が入っているのさ……。


「修君ってやっぱそうなんだ……でもね!? 大きければ良いという考え方は間違ってるとお姉さんは思うよ!?」


「こ、後輩君、いくらなんでもこれはちょっとダイレクト過ぎるわよ……」


 待って、何を見てのこの反応なんだ? 恭介が持って来てくれたお見舞いの袋を覗いてから挙動がおかしく……も、もしかして、恭介の野郎!? まさかお見舞い定番のアレを仕掛けていったのか!?


「す、すみません、その中に入っているのは……も、もしかして……」


 両手で顔を覆い隠す三条先輩に対し、顔を真っ赤にしたあやかさんが突き出したものは『あなたは何味がお好き?』と書かれた超巨乳のお姉さんが水着を着崩し、かき氷を持っている姿が描かれた、十八歳未満購入禁止の漫画雑誌だった。


 尚、二次元の妄想爆発的な絵面だ。こんなデケぇを持つ人は世の中に何人いる事やら……。それに水着を着崩すシチュってなかなか無くね? 何が理由でそうなったんだ? 


 と、疑問は残るがそこまでは大した問題じゃない。いや、厳密に言えば超巨乳のお姉さんが水着を着崩す時点で問題ありありなのだが、それ以上の問題がそこにあるのだ。


 うつろな瞳をこちらに向けてくる水着お姉さんの脇には、カルピスと練乳の容器があり、おそらく何かの拍子に食べるのを失敗してしまったのだろう。


 トロリとした白い液体が、口元から胸元にかけて垂れてる……。


 恭介のやつ、馬鹿じゃねえの? 高校生の入院患者にエロ本なんて物を持ってくるんじゃねえよ!! しかも彼女同伴で危ない橋を渡ってまでよ!


「後輩君は、お、大きいのが好きなのね。そっか……よ、よいっしょっと……ふぅ、私、ちょっと肩こりが酷くて。それなりに大きいからかしら?」


 恥ずかしながらも、自慢のデケぇを腕を組んで抱える仕草を取る三条先輩。これ見よがしに行うアプローチがパネぇっす。


「きぃぃっ!!」


 それを見て歯を食いしばるあやかさん、どうやら修羅場に突入したようだ。


「私は着やせするタイプだし! これでも、し、C……はあるもん! 頑張れば!」


 頑張れば……とな? そんなことが可能なのですか?


「私は頑張らなくても自然体で普通にFです。あ、でも最近少しきつくなってきたのでGになっているかも知れません」


「むきぃぃぃっ!! どうしてそんなに差が出ちゃうの!!? やっぱり食生活なの!? もやしじゃもう大きくならないの!?」


 そうか、頑張ってCとまもなくGか……英数字自体は似てるね。じゃなくて、怪我人の前でどうしてエロトーク始めちゃってるのかな?

 おっさん、困っちゃうんですけど? あと、俺も詳しい訳ではありませんが、育乳に関してはもやしでは少々厳しいかと。もっと動物性たんぱく質を摂取して下さい。


 でも勘違いしないで下さい。大きさの為ではなく、あくまで健康の為にね?


「あ、あの……さ、三条先輩っ!? あやかさん!?」


 未だに言い合いを続ける二人を諫めようとしたのだが、背後に女性の看護師さんが現れた。先程の方とは違ったベテランクラス……。通称『ボス』が。


 尚、二人はその後、出禁になったのは言うまでも無い。


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― 新着の感想 ―
[良い点] どうしたの、疲れてる?おっぱい揉む?  それとも転生する?  o(*゜∀゜*)oワクワク 一回転生してその鈍感さを治してきましょうよ、そうしましょ♪ 今なら怪我で満足にうごけないから転がし…
[良い点] 素敵に三角関係が成立してますね、わかりやすい。 個人的にはあやかさん推しなんですが、今のところ様々なアドバンテージが先輩にありそうなので、早いとこデビューしてもらってステータス確保してもら…
[一言] この主人公なら食育で大きくすることもできると信じてる
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