あやかサイド~最高の枕~
あやかサイド
先程の通り雨も止み、セミの大合唱が再び響き渡りだした縁側。
そこに簡易なテーブルを用意し、対面で授業をしているんだけども、さっきから修君の様子がおかしい。
「……大丈夫? 大分辛そうだけど、ちょっと休憩しようか?」
「す、すみません……くぁ……」
大きなあくびをして、非常に瞼が重そう。お昼を食べた後、再び勉強を再開したのだけども、修君の集中力が完全に切れていた。
昨日、ちゃんと寝れていない事が響いているみたい。
「じゃあちょっとお昼寝する?」
「そうですね……ちょっと寝て頭をすっきりさせたいかもですぅ……」
「うん、分かった。じゃあ……はいどうぞ」
膝を軽く叩いてお誘いしてみた。昨日に引き続きかなり攻めている自分が怖い。でもこれぐらいならまだ許容範囲だよね? 捕まらないよね?
「えっ!? いや、俺、その辺で雑魚寝させてもらればそれで……」
「質のいい睡眠は枕からだよ? それともお姉さんのむちむち膝枕は嫌かな?」
ちょっと大人の余裕を出してみた、内心は心臓が破裂しそうな程に高鳴っているけど。ここは大人としての貫禄を見せねば。
「それは昨晩、十分堪能しましたので……あっ……」
ちょっと待って。今、聞き捨てならない言葉が出たんだけど?
「お、修君? ちょっとその話聞かせてもらっていいかなぁ? お姉さんに正直に話してくれるかな?」
眠そうな目をしながらも、申し訳なさそうに修君は昨晩の事を語ってくれた。
どうやら私、修君を抱き枕にしていたらしい。とりあえず穴があったら入りたい。なんなら自分で掘ってもいい。スコップは何処に置いてあるのかしら。
とりあえず膝枕はしてあげた。でもその間の記憶はあまりない。
許容範囲? なにそれ? 食べれるの? ぐらいオーバーランしてた。それって犯罪にならないよね? 無意識だもんね? ノーカンだよね!?
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小一時間ほどの修君のお昼寝休憩を挟み、再度勉強を再開した。それにしても今日ほど自分の寝相の悪さを悔いた日はない。
ゆえ、修君を膝枕をしながら導き出した答えがある。
今晩は……修君に私をがんじがらめに縛ってもらおうと思う。抱きまくらにしてしまうなんて迷惑を、もうかける訳にはいかない。
「ねえ、修君?」
「はい? なんですか?」
問題を解く手を止めて、水分補給しながら顔をこちらに向けてくれた。その姿に心拍数が上がっているのが分かる。
もう最近は顔を見るだけでも照れてしまう自分が居る。散々やらかしておいてなんだけど……。
「今日の夜ね……私を、縛ってくれない?」
「ぶふぉっ!?」
なにやら麦茶を噴き出した。気管にでも入ったのかな?
「ほら、また修君を抱きしめちゃうかも知れないし……。動けないようにしてもらおうかなって。お布団から抜け出さないようにきつめに縛って欲しいの……」
「あ、あやかさん……絶対に他所でそんな発言しちゃダメですよ?」
なんか真顔で迫られた。尚、要望は却下された。うぅ、どうしよう、今晩……。




