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お勉強タイム

 

 人生初である海を満喫するだけではなく、JDの柔肌まで堪能するというハプニングもあり、人生の中で最高に幸せが濃縮された時間を味わった。もうこの時点で前世? を越えたのは間違いない。


 出来る事ならこの幸せタイムを永遠に堪能していたいのだが、いつまでも遊んでいる訳にいかない。俺は夏期講習に来ているのだ。後ろ髪を引かれる思いではあるが、ビーチを後にして再びおばあさんの家に戻ることにした。


 火照った体にシャワーを浴びせ、海水を洗い流したあとは、二人並んで縁側に座り、青い空にそびえる入道雲を眺めていた。


 キンキンに冷えたスイカを食しながら。


 田舎って最高じゃないか……。そして地味に日焼けして肌がピりつく。短時間ではあったが少し焼けてしまったようだ。やっぱ日焼け止め塗っておけばよかったかな?


「あやかさん、ここ、本当にいい所ですね……」


「そうでしょ? と言いたいところだけど、最寄りのコンビニまで車で片道三十分、スーパーまで四十五分かかる場所だけどね」


 ちょっと利便性があれですね。コンビニ行くのに車で往復一時間は辛い。


「しかも私、免許持ってないから行動はいっつも自転車だったんだよ? コンビニもスーパーも気合の自転車で往復。これって何気に凄くない?」


「その脚線美のルーツが垣間見えました」


 チャリを立ち漕ぎしてる若かりしあやかさんが目に浮かぶわ……。


 尚、おばあさんの家という事で実家程の安心感があるのか、あやかさんの服装は非常にラフな格好であり、ゆるめのTシャツに短パン姿である。

 そのすらりと伸びた脚に、ついつい目線が行ってしまうのはやむを得ない行為である。


 眼福でございます。あやかさんの脚線美を作り上げた、大いなる自然に感謝だ。


「ま~たえっちな事考えて……本当に今時の高校生は♪」


 満更でもない様子で怒られた。ちなみに中身は今時の高校生ではなく、そこそこのおっさんなのですがね。一歩間違えればただの痴漢です。


「そんな事を言われましても……。あやかさんがラフな格好過ぎるんですよ。いつもの家庭教師スタイルで来てくれたら何も問題ないのに」


「ふ~ん、私のせいにするんだ? 見つめてくる修君が悪いんでしょ? じゃあ、こんなのはどおかな? ちらっ」


 ただでさえ短い短パンの裾を少し上げられた。もはや根元に近い。パンツ見えますよ?


 なんかいつもと違って解放感に満ち溢れているというか……そうか、夏がそうさせてるのか。なんて季節なんだ……。ブラボー、夏ぅ! じゃねえ!? 勉強しないと!!


「な、何してるんですか! さ、さぁ! そろそろ勉強しましょう!」


「あ、急に真面目ぶっちゃって。バッチリ見てた癖に♪」


 くっ!? あやかさんてこんな気持ちをオープンにする人だっけ!? 完全におっさんがもてあそばれているではないか……。


 そんなの、そんなの……いいぞもっとやれ!


 じゃない!! 何を考えてるんだ俺は! 夏期講習に来たんだぞ!?


「あやかさんっ!?」


「うふふ、分かったわよ♪ じゃあ夕飯まで勉強といきましょうか♪」


 なんとか本題にこぎつけることが出来たのだが、脚を見るのを我慢せねば……。ある意味拷問だよ。クソ暑いけどジャージかなんか履いてくれないかな?


≪ 


 蚊取り線香の匂いと遠くの方で聞こえる波の音。時々吹き込む風にそれを受け止める風鈴。気が付けば日も沈みかけ、日中には聞こえなかった虫の音も混ざり出していた。


「んんっ……くぁっ……!」


 一区切りついたので思いっきり伸びをした。やはりあやかさんの教え方は非常に分かりやすく、どんどん知識が身についていく感覚がある。


「修君ってひょっとして結構賢い? 最初こそは全然ダメダメだったけど、今はこれ、高校二年の範囲だよ? それを簡単に……」


「簡単ではないですよ、必死ですから」


 どうやら勢い余って突き進み過ぎてしまったようだ。あまり先を急がずにしっかり基礎をこなしていかないとな。


「カップルで旅行みたいなことをしてるのに、ずっと勉強をしてるのかい? 真面目な子を見つけたもんだね、あやかは」


 おばあさんが麦茶を持ってきてくれた。少々罪悪感があるが、約束は約束だ。ここは演技をしなくては。


「あ、え、う、うん! 今は高校の勉強をしてるんだ。修君、昔に習った事をすっかり忘れちゃってて、私がもう一度教えてあげてるの!」


 タイムリープした俺にとって満点の回答でございます。完全に的を射ております。 


「やはり基本は大事ですのでここを疎かにしてると足元をすくわ——」


「おおっ! きちょるか、あやか!」


 言葉の途中、独特の方言を話す鼻の頭が赤いご機嫌な様子のおじいさんが現れた。ご夫婦共にお元気そうでなによりである。


 おじいさんは使い込まれたキャップにベスト姿。肩にはクーラーボックスを下げている。どうやら釣りに行っていたようだ。しかも多分相当飲んでいると思う。羨ま……。


「あ、おじいちゃん! ただいま!」


「そっちのがこの前言うてた彼氏さんけえ? 随分若く見えるな! ほれ、今日は生きのいいタコ貰ってきてやったぞ?」


 クーラーボックスを俺達に向かって開けると、中には良いサイズのタコさんが入っていた。


「……タコですか。もしよろしければ俺が調理してもよいでしょうか?」


「おっ? あんちゃん、タコなんてさばけるのけ?」


「料理が趣味みたいなものでして。おばあさん、台所お借りしてもよろしいでしょうか?」


「ええ、いいわよ。じゃあ一緒に作りましょうか。あやかは爺様に冷えたビール出してあげて」


「は~い」


 尚、この二泊三日の夏期講習では宿泊費はいらないと言われている。もちろん、いくばくかは払うとも伝えたのだが、気を遣わないでと言われている。


 どうやらあやかさんご本人は貧乏だけども、周りはそうではなさそうだ。三条先輩みたいに狂ったお金持ちではないだろうけど。


 とはいえ、こちとら見た目は子供でも中身は大人なのだ。甘えっぱなしというのもいかがなものかと思い、行動で誠意をお見せしようと思っている。つまり……。


 お料理、振る舞わせていただきましょう!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 技術職って本当凄いのです、毎日同じ事を しているよう見えて、あきらかに違うのです まあ、私はそれがわかる人間か?と聞かれると 自信ありませんが、ともかく真っ直ぐ 脇目ふらず、積み重ねた技量…
[一言] 生足魅惑の女子大生 あやかさんにメロメロですわ… あーぁ、修君自分で外堀埋めに行っちゃった…
[一言] 将を射る気が無いのに馬を落としに掛かるとは。
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